マニラ=鈴木暁子
2016年9月13日15時08分
フィリピンのドゥテルテ大統領は12日の演説で、テロ対策の名目で南部ミンダナオ島に巡回駐留している米軍部隊について、「出て行かなくてはならない」と述べた。米国批判を強めているドゥテルテ氏は、6日には米オバマ大統領に対する「暴言」で米比首脳会談の延期を招いたが、今回はフィリピンでの米軍駐留の是非にまで踏み込んだ。
現地報道によると、ミンダナオ島出身のドゥテルテ氏は大統領官邸での演説で、「米国と一緒にいる限り平和は訪れない」と話し、米国統治時代に同島で米兵が住民を殺害した事件に触れた。そのうえで、米国人の駐留は、外国人の誘拐を繰り返す過激派組織アブサヤフなどによるテロの標的になる恐れがあり、「事態をより悪化させる恐れがある」と述べた。
米軍は東西冷戦終結後の1992年にフィリピンから撤退したが、その後合同演習を再開。2002年からミンダナオ島で巡回駐留をしているほか、アキノ前政権下の14年には両政府が軍事協定を結び、米軍が事実上「再駐留」している。ドゥテルテ氏の発言は、南シナ海での対中国戦略が視野にある米軍の拠点整備に影響を及ぼす恐れもある。(マニラ=鈴木暁子)
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朝日新聞国際報道部
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