家族葬(DIY葬)で葬儀費用を10万円以下に抑えてわかった6つの教訓

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お葬式は、家族や大切な人の「死」という現実と向き合い、弔う大切な儀式です。

その葬儀の種類には様々なものがあり、昨今では特に葬儀の「かたち」を選べる時代になってきました。

様々な葬儀の形がある中で、今回ご紹介するDIY葬とは、「Do It Yourself」葬の略で、つまりは「葬儀業者に頼らず、葬儀のすべてを自分たちの手で行う葬儀」のことです。

このページでは、家族葬(DIY葬)で葬儀費用を10万円以下に抑えるための教訓と題しまして、葬儀のかたちや低価格でDIY葬を行う上での教訓をご紹介していきたいと思います。

教訓その1 葬儀の種類を知る

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まず初めに、一般知識として葬儀の種類や特徴をご紹介します。

1.一般葬

一般葬とは、身内の方を始め、ご近所にお住まいの方や、故人の勤められていた会社の方々など、故人と生前に関係のある方を呼ぶタイプの葬儀をいいます。

葬儀の内容としては、「通夜」、「葬儀式」、「告別式」、「火葬」があります。

「通夜」とは、亡くなった家族や知人への思い出を語り合ったり、死を偲ぶための儀式です。

「葬儀式」とは、遺族やごく親しい知人が中心となって故人の冥福を祈り、魂を浄土に送るために行われる儀式です。

宗教的な意味合いが強く、僧侶が読経を行うなど、しばしば宗教儀礼によって執り行われます。

「告別式」とは、遺族や友人・知人などが故人と最後のお別れをする社会的な式典とされています。

「火葬」とは、ご遺体を葬るための処理の一つで、遺体を焼却することでです。

そのほかにも、祭壇の飾りつけや、流す音楽に工夫をしたり、ビデオや記念コーナーを設置するなどして、故人の個性を表現した形の葬儀を行うことがあります。

このように、葬儀の内容や参列者数などに応じて式場選びを行う必要があります。

また、一般葬においては、お香典の風習が残っている場合が一般的であり、お香典を受け取った場合には、お返しをする必要があります。

2.家族葬

特に参列者を呼ぶことはなく、家族、親族やしたしい友人などの身内のみで執り行うタイプの葬儀をいいます。

1つ1つの葬儀の形式がシンプルなものが多いのが特徴です。

また、参列者に気を使うことがないため、じっくりと故人とお別れをすることができます。

一般葬との違いは、参列者の有無であり、儀式の内容を省くというようなことは基本的にはありません。

会場も自宅で執り行う場合や、自宅から離れた式場で執り行う場合など、様々なかたちがあります。

家族葬の場合、身内だけで葬儀を行うという意味合いから、お香典を辞退するケースが増えています。

3.日葬

一日葬とは、通夜を省き、「葬儀」、「告別式」、「火葬」のみを1日で執り行うタイプの葬儀をいいます。

日数が少ないため、通常の葬儀と比べ身体的な負担も軽くなるという特徴があります。

また、遺族や親族が仕事の休みを取りにくい場合や、遠方に暮らす人が多い場合などで2日間のお葬式は難しいという場合に、短い時間でお別れができるのが特徴です。

4.直葬(火葬式)

直葬とは「通夜」、「葬儀」、「告別式」などの儀式を一切省き、火葬のみを行うタイプの葬儀をいいます。

別名を「火葬式」ともいいます。

葬儀に費用をかけたくない、高齢で亡くなったため呼べる親族・知人がほとんどいない、仏教離れにより儀式としての葬儀の重要性が薄れたという場合に選ばれるのが特徴です。

直葬は、通常の葬儀に比べて安価なのが特徴ですが、直葬の場合においても、細かくいうと亡くなった場所からの搬送、納棺、安置、死亡診断書の提出と火葬埋葬許可書の取得、火葬が必要です。

直葬は、経済的に葬儀を行う余裕がない方にとっても、残された遺族に負担をかけたくない方にとっても、存在意義のある葬送方法です。

直葬の際にお寺さんにお経を読んでもらうこともできます。

5.無宗教葬

宗教者を招かずに、宗教にとらわれず自由な形で行うタイプの葬儀をいいます。

葬儀というよりも、追悼式というべき葬儀形式で、焼香の代わりに献花を行い、祭壇には花と遺影を飾り、音楽を流すなど、宗教から離れた自由な形で行われる葬儀です。

無宗教葬にも様々なかたちがありますが、最近特によく聞かれるようになってきたのが「お別れの会」です。

お別れの会とは、主にホテルやレストランなどを会場として行われることが多いようです。

通常、ホテルでは遺骨の持ち込み、焼香、読経などが許されない場合が多く、葬儀に際して参列者・主催者ともに喪服を避け平服を着用するなど、「お別れの会」は、宗教色のある葬儀とはまた違った、パーティーのような形式が一般的です。

教訓その2 DIY葬のコンセプトを考える

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今回は、家族葬、さらにDIY葬ということで、しかも10万円以下という価格で葬儀を行うわけですから、価格を抑えるための葬儀のコンセプトをまず事前に考えていく必要があります。

葬儀のかたちは法律で決まっているわけではないため、上述の葬儀の種類にはとらわれず、予算を考えて自分で葬儀をプロディースしていくことがたいせつです。

1.必要最低限の儀式で、家族のみで行う

一般葬や家族葬、一日葬の場合、上述した通り、「通夜」(一日葬は除く)、「葬儀式」、「告別式」、「火葬」などの様々な儀式を行うのが一般的ですが、10万円という予算の中で、これだけの儀式を行うことは到底難しいとお分かりいただけるかと思います。

よって、それらの儀式を省き、必要最低限の儀式を行います。

上述の中では直葬という葬儀のかたちが一番近いものになります。

また、参列者が多いほど、お料理代やお車代などが発生しますので、家族、親族などの近親者のみで行う葬儀とします。

2.無宗教葬で行う

一般葬では、お坊さんを呼び、葬儀の間中、読経が行われているイメージがあると思います。

こちらの読経も、もちろん無料で行っていただけるわけではありません。

お坊さんに読経をしてもらうときに支払うお礼をお布施といいます。

例えば、仏式では、通夜式や翌日の告別式への読経、火葬時の炉前での読経までを含んだもので、日本消費者協会が実施したアンケートによれば、葬儀におけるお布施の全国平均金額は約45万円と報告されています。

(この金額には、読経料、戒名料、お車代、御膳料を含んでいます。)

直葬の場合でお坊さんをお迎えするにしても、葬儀自体を10万円で済ませるわけですから、こちらもかなり難しいといえるでしょう。

つまり、お坊さんを迎えないお葬式の形式である必要があります。

ひいては、先祖代々のお墓があり、そこに納骨を考えていたり、すでにお寺の檀家だったりした場合は、お付き合いのあるお寺に読経をお願いしなくてはならないため、その時点で10万円以下のDIY葬は難しくなるでしょう。

この場合、もちろん戒名などもつきません。

3.自分で用意できる物の使用を考える

DIY葬とは、冒頭で述べた通り、葬儀業者に頼らず、葬儀のすべてを自分たちの手で行う必要があるため、いわゆる業務用ではなく、私たちの身近に存在し、誰でも用意ができるものを使用して葬儀を行う必要があります。

いくら儀式を省いたからと言って、葬儀をするうえで、最低限必要な物は自分で用意をすることです。

これこそが、価格を抑えるための最大のポイントとなります。

自分で事前にプランを立て、必要なものは何か、どこで用意、または購入をしたらいいのかのプランを立てることが大切です。

教訓その3 葬儀の流れを知る

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自分で葬儀をとり行うわけですから、上述のコンセプトに従い、まずは実際に行う葬儀の流れを知る必要があります。

ここでは、実際にご臨終を迎えてから、葬儀が終了するまでの流れを一例としてご紹介します。

流れの中で、事前準備が必要な個所もご紹介しますので、参考にしてください。

1.病院でご臨終を迎えた場合

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病院では、息を引き取った後に、医師が死亡判定をくだします。

医師が死亡確認をした後、看護師が身体に接続されている点滴の管や呼吸器、モニターなどを外し、エンゼルケアを行います。

全ての処置を終えたのち、病室から搬出し、霊安室から搬送先へ移動されるのが一般的な流れです。

病院によっては、霊安室などに遺体を長く預けられる場合もありますが、基本的には、「葬儀業者が来るまで」というのが病院側の一般的な考え方であるため、できるだけ早く搬送してくださいと言われることが多いようです。

特に費用面において、注意が必要な項目について、ご説明しておきます。

1-1.エンゼルケア

エンゼルケアとは、故人の死後の処置をすることです。

具体的には、まず、腹部を圧迫し、尿と便を押し出し、全身清拭を行います。

次に、鼻、口、耳、膣、肛門の順に綿などを詰めていきます。

人間は死後に全身の筋肉が弛緩するため、これらの穴から体液が漏れてしまうためです。

特に、今回は、搬送も自分で行うため、詰め物に関しては特に徹底してもらうように注意が必要です。

肛門には、詰め物をした後に、紙おむつをするとよいでしょう。

次に、寝衣を着せ、男性はひげを剃り、女性は化粧をします。

最後に、手と手を合わせ合掌させます。

こちらの処置は、一般的には保険外負担であり、料金は病院ごとに設定されていますので、料金に関しては事前に確認しておく必要があります。

1-2.死亡診断書をもらう

死亡診断書とは、患者の死亡について医者が作成する書類(診断書)のことです。

これをもって死亡を証明する書類です。

医師が日頃から診断していた患者について、診察後24時間以内の死亡や、明らかに診察中の疾患によって死亡が確認できる場合に、作成されます。

死亡診断書に関しても、保険外負担になるので、発行にかかる費用は、全国統一料金ではありません。

病院によって、価格が異なるため、事前に調べておきましょう。

この死亡診断書があれば、個人で遺体の搬送ができ、火災許可証をもらう事ができます。

また、死亡診断書は、その後の銀行の預貯金や郵便局の口座の整理、保険などの申請、その他相続などに際して、原本やコピーを請求されることもあります。

事前に多く準備をする必要があるのか、または、コピーを提出することができるのかなどの確認をしておくとよいでしょう

1-3.ご搬送

遺体の搬送は、死亡診断書があれば個人で行っても違法ではありません。

遺体搬送時には、死亡診断書の携行が義務づけられてるため、ご遺体の搬送車には死亡診断書を保管している方が、必ず同乗してください。

葬儀業者ではなく、自分で遺体を運ぶためには、まず死体を防水シートで包み、遺体が転げ落ちないように横向きにし、物を置いたりして遺体を固定する必要があります。

車を持っていない場合や、遺体の搬送が不可能な車種の場合は、レンタカーの利用を考える必要があります。

レンタカーを利用する場合は、遺体を運ぶため、車種や大きさを事前に検討し、配送時間も事前に考慮しておけば、それほど費用はかけずに借りることができます。

また、レンタカー会社に、遺体の搬送が可能かを確認しておきます。

レンタカーの場合は、遺体の体液などで汚さないよう、より一層の注意が必要です。

 2.自宅でご臨終を迎えた場合

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現在では、実に8割を超える人が病院でご臨終を迎えていますが、残りの約2割は、その他の場所で亡くなっています。

自宅で息を引き取られた場合に、最も注意するポイントは、生前と同じだと考えて医師の死亡確認を待たずに、遺体に触れたり動かしないことです。

もし、移動を行ってしまうと、警察の介入が必要となってくる場合があるので、注意が必要です。

また、自宅で亡くなる可能性がある場合は、事前にかかりつけ医が自宅まで来てくれて、死亡診断書を書いてくれるかを確認することも重要です。

もし、できない場合や、突然亡くなってしまった場合には、発行される書類も死体検案書となり、費用も1〜3万円前後に増加してしまいます。

医師による死亡判定が下された後、病院と同じく、エンゼルケアが行われます。

これは、医師に同行した看護師が行う場合と、お葬式を担当する葬儀業者が行う場合があります。

葬儀業者を使わない場合、看護師にお願いできるのかを事前に確認しておく必要があります。

3.安置

3-1.安置場所

火葬に関する法律の中に、

「死亡又は死産後に24時間を経過した後でなければ、これを行ってはならない」

という法律があります。

ですから、最低でも24時間は、どこかに安置しなければなりません。

自宅に安置する場合は無料なので、安置するだけの費用から考えると一番おすすめです。

ただし、遺体が腐敗しないよう、ドライアイスが必要になりますので、自分で購入し、用意する必要があります。

ドライアイスの費用も考えると、安置室を使用した場合とそれほど変わらなくなってくる可能性もあります。

昔は、「無言の帰宅」という言葉があるように、遺体はいったん自宅に帰し、故人を偲び、お別れをするというやり方が一般的でした。

しかし、最近は家が狭い、マンションのため他の住人に迷惑になる、高層階のため出入りが大変などの理由で、自宅以外の場所に安置するケースも増えているようです。

また、自宅へ遺体を運び入れる事で、近隣の住民に知られ弔問客が増えるのを避けたいといった理由も多いようです。

死亡する日時は誰にも分らず、すべてが急な作業になるので、ドライアイスが手に入らない、人手が足りないなど、様々な不安がある場合は、安置室を利用したほうがよいかもしれません。

自宅以外での安置を考えると、斎場の安置室、または火葬場の安置室・保冷庫などが利用できます。

病院や自宅の近くにそのような施設があるのかを事前に調査し、葬儀業者を使用しない旨を伝えた上で、安置は可能かを確認し、安置室の場所探しをしておく必要があります。

3-2.安置の仕方

火葬は遺体のまま火葬することができません。

よって、必ず遺体を棺桶に入れる必要があります。

葬儀業者に頼む場合は、葬儀業者が棺桶を用意し、こちらは選ぶだけですが、今回は自分で購入する必要があります。

購入場所は自由ですが、手軽な手段としては、ネット通販をお勧めします。

棺桶は火葬時までには必要となるため、やはり事前に注文しておくことをお勧めします。

問題は収納場所ですが、最近では組み立て式や折りたたみ式の棺桶もあるため、事前に調査し、注文しておきましょう。

普段は組み立てずにどこかに収納し、もしものときには搬送のときにも利用することができるため、便利です。

4.死亡届・火葬許可申請書を提出し、火葬許可証をもらう

4-1.死亡届・火葬許可申請書

死亡の事実を知った日から7日以内に死亡診断書または、死体検案書とともに、死亡地の市区町村の役所の戸籍係に提出します。

日曜・祝日を問わず24時間受け付けてくれます。

届け出は、親族・同居人・家主・土地や家屋の管理人等により行うことができます。

4-2.火葬許可証

火葬許可証とは、火葬をする当日に火葬場の管理事務所に提出する書類です。

この書類がないと火葬をすることができません。

火葬許可申請書と引き換えるかたちで、火葬許可証を役所より受け取ります。

5.火葬場を予約する

当然のことですが、

「火葬は、火葬場以外の施設でこれを行ってはならない。」

という法律があります。

ですので、火葬をするための火葬場を自分で探し、予約する必要があります。

亡くなってから火葬場を探すのは無理がありますので、こちらも安置室と同様、病院や自宅の近くにそのような施設があるのかを事前に調査しておく必要があります。

火葬の日程ですが、時間がかかるほど安置室やレンタカーなどの料金が発生するため、できるだけ速やかに行いましょう。

ですから、火葬場も数か所は候補を見つけておくことをお勧めします。

6.安置室から火葬場への搬送

火葬場への搬送も、病院からの搬送と同じですが、棺桶を運ぶ必要もあります。

棺桶に遺体を納棺しておくのがお勧めですが、スペース的に余裕が無い場合は、火葬場で組み立てるか、数回の往復が必要となる場合もあります。

7.火葬、収骨

火葬とは、特に説明する必要はないと思いますが、遺体を焼く作業です。

収骨とは、火葬が終わったあとに、骨上げをすることです。

焼骨が炉前に引き出されたら、足の方から順に、頭部に向かって骨を拾っていきます。

収骨された骨は、骨壷へ納めます。

地方によって、全部のお骨を収納をする地域と、一部のみ拾う地域があります。

骨壷は関東などでは全てのお骨を収骨することが多いので、7寸のものを使う事が多いようです。

西日本などでは3~5寸の骨壷を購入することが多いようです。

骨壷もネット通販などで購入することが可能ですので、棺桶と同様に、事前に準備しておくとよいでしょう。

8.その後の流れ

厳密にいえば、収骨までで葬儀は完了ですが、参考のために、その後の流れもご紹介します。

8-1.埋葬

埋葬するには、埋葬許可証が必要となります。

火葬が無事終わったら、火葬許可証にその旨が明記されて、遺族の元に戻ります。

その書類が、そのまま埋葬許可証となります。

しかし、埋葬には、埋葬料が発生します。

また、

「墓地以外の自宅の裏庭などに埋葬することはできない。」

という法律もありますので、今回のような無宗教葬の場合は、埋葬は難しくなります。

8-2.散骨

埋葬以外の方法としては、散骨があります。

法務省は散骨について、

「葬送の目的で節度を持って行えば問題ない」

という見解を出しています。

故人をお送りするというはっきりとした目的を持ち、人に迷惑をかけずに、自然を大切にするという基本的なマナーを守れば合法なのです。

この時に必要なのは、遺骨を粉状にする「粉骨」という作業です。

遺骨をそのままの姿で散骨すると、事件として刑法に触れることになるからです。

散骨は個人でもできますが、大変な作業のため、専門の業者も存在します。

散骨が陸地で行われることについては、周辺住民等との間でトラブルとなることもあるので注意が必要です。

もちろん、他人の私有地に無断で行うことはできません。

海に散骨する場合は、公海上には問題ありませんが、漁業権が付与された場所への散骨は禁止されています。

8-3.その他

その他の方法としては、家に持ち帰り保管するという方法もありますが、場所をとりますし、いつになっても捨てるわけにはいかないのであまりお勧めはできません。

教訓その4 費用を知る

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1.かかった費用をまとめる

教訓その3の葬儀の流れをもとに、葬儀にかかった費用の一例をご紹介します。

①エンゼルケア代:5,000円

②死亡診断書:5,000円

③防水シート:2,480円

④レンタカー(48時間):25,380円

⑤組み立て式棺桶:25,000円

⑥安置室代(公営):5,000円

⑦火葬許可証発行料:1,000円

⑧火葬代(公営):10,000円

⑨骨壺(5寸):1,890円

合計:80,750円

2.手続きにより返却されるお金

故人が国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた場合は、葬儀を行った喪主に対して葬祭費が支給されます。

手続きは、個人の住所地の市区町村で、喪主や遺族が手続きを行います。

この時、葬儀の領収書が必要となりますので、火葬代や安置室代などすべての領収書はとっておくようにしましょう。

支給金額は自治体や加入制度により異なりますが、30,000~50,000円程度となります。

期限は葬儀を執り行った日の翌日から2年間となります。

教訓その5 親戚、知人への配慮を忘れずに

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家族葬で葬儀を行った場合、その後に葬儀に参列しなかった親戚やお世話になった知人へ、感謝の気持ちをこめて挨拶状を送るといった配慮が大切です。

家族葬を行う場合には、知人や周囲の方たちへの配慮として訃報を控えることも実際は多くなっているようですが、葬儀が終了してしばらくしてからでもよいので、「故人の希望により家族葬を行った」という内容の挨拶文を送ることが大切です。

家族葬になった理由や、その時の写真などを同封すると、より丁寧です。

挨拶状の内容について、例文をご紹介します。

例文1

かねてから療養中の、父○○は、○月○日、○時○分に○○病院にて急逝いたしました。
父の生前に賜りましたご厚誼に厚く御礼申し上げるとともに、ここに謹んでご通知いたします。

葬儀におきましては、故人の生前の意志に従いまして誠に勝手ながら「家族葬」としてごく身内だけでとりおこないました。

尚、お供えや御香典につきましてはお心のみ頂戴させていただき、ここにご辞退させていただきたくお願い申し上げます。

何卒ご了承いただきますようお願いいたします。

例文2

謹啓
父 ○○ 病気療養中のところ去る平成○○年○月○日逝去致しました。
早速お知らせ申し上げるところではございましたが、ご通知が遅れました事を深くお詫び申し上げます。

誠に勝手ながら、葬儀は故人の強い希望によりごく内輪の親類で家族葬として執り行いました。

ここに生前のご厚誼を深く感謝申し上げます。

敬白
なお、誠に勝手ながらご供物ご供花の儀は固くご辞退させていただきます。

教訓その6 メリット、デメリットを知る

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ここでは、今回の家族葬(DIY葬)について、どのようなメリット、デメリットがあるのかをみていきましょう。

1.メリット

1-1.費用の負担が少ない

葬儀業者に頼らず、儀式や参列者を最低限にすることで、費用を10万円以下に抑えることができました。

日本消費者協会による調査結果によると、葬儀にかけた費用の総額は、全国平均で約200万円であったそうです。

この平均費用と比較すると、約20分の1という、破格の費用になっています。

これは、大きなメリットといえるでしょう。

1-2.参列者が少ないため、気遣いが減る

会葬者の応対や堅苦しい挨拶をする必要もなくなりますので、参列者に対する気遣いや対応に追われることがありません。

事前準備はあるものの、一度葬儀が始まってしまえば、これらの対応がないぶん、故人とゆっくりお別れができます。

1-3.形式にとらわれず、すべてを自由に選べる

自分でプロディースし、無宗教であるため、焼香や香典、服装、お布施料金などのしきたりにとらわれず、すべて自由に葬儀を進めることができます。

2.デメリット

2-1.事前準備が必要

教訓その3で述べた通り、事前準備が必要な事項が存在します。

調査面でいえば、安置室、火葬場の場所や予約方法の確認、レンタカーの車種、レンタル場所の調査をしておくことなどです。

購入面でいえば、防水シート、棺桶、骨壺を購入しておくことなどです。

2-3.すべて自分達で行う

ご臨終してから、遺体の搬送や安置など、普通は葬儀業者に頼れる仕事を、すべて自分達で行わなければなりません。

力のいる仕事もあるため、何人かで協力して行う必要があります。

2-4.葬儀後の弔問に訪れた方への対応に追われる事がある

家族葬で葬儀を執り行うと、葬儀に参列しなかった親戚や知人から、後日、焼香を求められることがあります。

これに個々に対応するため、葬儀後に手間がかかるという可能性があります。

2-5.親族や知人に理解を得られない事がある

親族のなかには、お葬式といえば一般葬をイメージしている方もおり、「さみしいお葬式だった」と言われたり、呼ばなかった知人に、「呼んでほしかった」などという意見をいただくことがあります。

親族には、事前に上記で述べたメリットを説明し、相談をすること、そして知人には、教訓その5で記述した通り、挨拶状などで故人の意思であったことなどを丁寧に説明したり、理解していただくことが大切です。

まとめ

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ここ数年、家族葬という葬儀スタイルは急速に増加しています。

その背景には、現在の社会的背景が大きく関わっています。

ひとつには、高齢化の進行があります。

2015年における日本の平均寿命は、男性が80.7歳、女性が87.0歳となりました。

高齢になると行動範囲も狭くなり、親しい知人の数も減少します。

また、会社を定年退職してから約30年後に亡くなられるということになり、当時に故人と接点がある会社関係者を探すのも容易ではありません。

よって参列者も自然に減少しますので、お葬式がごく親しい方だけで行う家族葬が必然的に増加しています。

その他にも、信仰心の低下や、少子化に伴う子供世代への金銭的負担の増加、価値観の多様化など、家族葬が増加するには、様々な理由が挙げられます。

そもそも昔は、葬儀屋などは存在せず、自分たちの力で葬儀を執り行うことはごく普通の事でした。

それらを考慮しても、今後はますますこのようなかたちの葬儀が増加するように思います。

ただし、故人を偲び、供養する気持ちは一般葬でも今回のDIY葬でも同じことです。

儀式を減らしても、故人への弔いの気持ちは、忘れてはならないものです。

今回ご紹介したDIY葬を行う上での教訓を踏まえ、故人のための大切な葬儀を行っていただければ幸いです。

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