健康志向なら酒粕は外せない!酒粕が注目されている理由と驚きの効能まとめ


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暑い夏が終わりを告げ、秋がすぐそこまで近づいてきました。いい感じに食欲も増えてきていることでしょう。私は夏から秋、秋から冬、また冬から春と、季節の移り変わりに関係なく食欲旺盛、いつでも食べ盛りなんですが、日本に美味しい食べ物がたくさんあるのは、この四季があるからとも言われていますね。

美味しいものをお腹いっぱい食べたい!というのは誰しもが持つ欲求、欲望ですが、それと同時に「体に良いものを食べなきゃ」「健康を考えた食事にしなきゃ」ということも考えなければなりませんね。 昨今では、美味しくて体にいいもの、食べるだけで健康になれるものなど、食材やレシピ含めて健康食品ブームも起こっており、たくさんの人が健康を第一に考えるようにもなりました。

そんな方におすすめなのが、最近特に話題となっている健康食品「酒粕」です。…酒粕?と頭をかしげている人も多くいらっしゃると思いますが、酒粕はたくさんの栄養素をふくんでおり、数々の効能を持っています。

綺麗になりたいという人、体脂肪が気になるという人、体の調子がよくないなと感じている人必見。この記事では、酒粕はなぜ体に良いのか、またどのような効果があるのかについてまとめていきます。

画像参照元:ippin

酒粕って一体なにもの?

酒粕の効能についてまとめる前に、酒粕が一体なにものなのかについて理解していきましょう。酒粕はその名のとおり「」の「カス」です。日本酒は簡単に言うと米と水、そして麹を主原料に、それらを混ぜ合わせてアルコールなどを培養し造られるのですが、日本酒製造の最終行程「搾り」では、それらすべてが混ざり合った(もろみ)を布製の袋に入れて搾ります。

醪は固体と液体が混ざり合ったドロドロしたヨーグルトのようなものになりますが、それを絞ることによって完全な固体と液体に分けるんですね。 搾られて摘出された透明な液体が私たちが普段目にする日本酒ですが、一方、布袋の中には醪を絞った際の搾りカスが残ります。そう、これこそが酒粕の正体となります。

酒は健康に良い!は結局のところ嘘?本当?日本酒に隠された健康への影響、効果とは?』でも書いていますが、日本酒は米と水、麹という原料を使っていることから、また製造過程で発生する栄養素が豊富なことから健康に様々な良い影響を与えることがわかっており、その搾りかすである酒粕もまた同様に、栄養価が高くなっています。

このようにして生まれる酒粕ですが、酒粕とひとえに言ってもその種類は3つに分かれます。

  • 板粕
    日本酒を仕込む12月~3月に搾られた、搾りたての酒粕。平べったい板状の酒粕で、淡白な味が特徴で、そのまま焼いたり粕汁にして食べたりしますが、溶けにくく少々扱いが面倒。
    季節限定 日置桜 純米酒粕 板粕
  • ばら粕
    板粕とまったく同じ成分の酒粕で、板粕を小さくカットしバラ状にしたもの。
    酒粕(バラ粕) 1kg
    酒粕(バラ粕しっとりやわめ) 1kg
  • 練り粕
    搾りたての粕を板粕・ばら粕と言うのに対し、半年ほど寝かせて熟成・糖化させたものを練粕と言います。板粕などに比べて、味噌のようにとろっとした粘り気があり、漬物用、肉・魚料理などの調味料として使うのがおすすめ。熟成すればするほど色が濃く、茶色に近づき、味も濃厚になってきます。
    酒粕(ねり粕) 1kg詰

日本酒を造っている蔵は、日本全国で1500以上、日本酒の種類には2万種類以上あると言われており、日本酒を搾った際に出る酒粕もその数だけ存在します。それぞれの蔵で造った日本酒の味はそれぞれ異なるように、酒粕も日本酒に合わせて味を変えます。あの獺祭で造られた酒粕もあります(獺祭 純米大吟醸50% 新酒粕(バラ粕) )。

また、日本酒には大吟醸、吟醸、本醸造というクラスがあり、米と水だけを使って造った純米という特定呼称がつくものがあります。香りがよく、上品な風味を醸し出す大吟醸の搾りかす、日常飲み用でとっつきやすい本醸造で造った酒粕。酒粕ももちろんそれぞれ異なった風味となっていますので、こちらにも注目して選んでみましょう。

酒粕にはどんな栄養素が含まれている?

さて、酒粕がどんなものかということを理解してもらったところで、実際に酒粕にはどのような栄養を含んでいるのかを確認していきましょう。

タンパク質

筋肉や皮膚、血液、臓器、髪の毛など、人間の体を形作る上で欠かせない栄養素、それがタンパク質です。食べた物を消化したり吸収したり、また排泄したりという働きの源になっている「酵素」や、酸素を全身に運ぶ「ヘモグロビン」の原料になっています。 タンパク質は人間の体の大部分を形成しているため、不足すると

  • 筋肉が衰える→代謝が悪くなる→脂肪が落ちにくくなる
  • 抵抗力・免疫力の低下→感染症にかかりやすくなる
  • 神経伝達物質を合成できない→脳の働きの低下
  • 皮膚にハリがなくなる
  • 髪の毛が傷む

などの症状が出やすくなります。タンパク質に関しては、白米の約6倍牛乳の約5倍ほどの栄養価を含んでいます。

ビタミンB1

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ビタミンB1とは糖質をエネルギーに変える際に必要となる栄養素なので、炭水化物などを食べて糖質を摂取しても、ビタミンB1が不足していればエネルギーに変換できないともいわれています。特に白米にはビタミンB1の含有量が少なく、白米中心の日本人にとっては不足しがちな栄養素です。 このようにビタミンB1はエネルギー変換に大きくかかわる栄養素なので、不足すると

  • 脚気(食欲不振や全身倦怠感、進行すると心不全になるおそれも)
  • ビタミンB1不足→糖の不足→脳の働きの低下(抹消神経が働かない)→むくみしびれ
  • 認知症アルツハイマー(上記の理由と同様)
  • メタボ(炭水化物を燃焼(エネルギー変換)できないため)

などの症状がでます。とはいっても、100gあたり白米が0.02に対し、酒粕は0.03なので、酒粕だけ補うのは難しく、あくまでサポートとして考えるのがいいでしょう(一日の摂取目安:成人男性約1.4、成人女性1.1)。ビタミンB1が多く含まれている食材としてはほかに豚ヒレやモモ、ハムなどがあります。

ビタミンB2

炭水化物をエネルギーに換える栄養素がビタミンB1であるのに対し、脂質をエネルギーに換えるのがビタミンB2です。またタンパク質のように皮膚や髪の毛の再生などにも一役買っています。 上記のような性質があるため、ビタミンB2を摂るとダイエットに適した体型づくりやアンチエイジング、そのほか目の保養にも効果があると言われており、パソコンやスマホの見すぎで疲労のたまっている目を癒すこともできます。 そのため、反対に不足してしまうと、

  • 口内炎
  • 肌荒れ
  • 慢性的疲労
  • 動脈硬化(脂肪を燃焼できず、血の流れを悪くしてしまうため)

のような症状がでます。一日の摂取量の目安が成人男性1.6mg、成人女性1.2mgに対し、白米で0.01、酒粕で0.26と言われています。ビタミンB2が豊富なサバや鮭などの魚の調味料として酒粕を使うといいでしょう。

ビタミンB6

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人間の体を形作っているのは何兆という膨大な数の細胞ですが、その細胞一つ一つは核酸というものが指令を出して統制をとっています。この体全体において重要な働きを持つ核酸のエネルギーとなっているのがビタミンB6です。 さらには、たんぱく質をアミノ酸に換える働きや、神経を正常に働かせる役割、脂肪の代謝などにも効果があるといわれています。 そのため、ビタミンB6が不足してしまうと、以下のような症状が出てくる恐れがあります。

  • 皮膚炎口内炎(代謝の異常による)
  • 脂肪が溜まりやすい(代謝の異常による)
  • 睡眠不足(神経が正常に動かないことによる)

一日の平均摂取量は、成人男性で1.4mg、成人女性で1.2mgと言われており、100gの白米0.02mgに対し、酒粕には0.94mgのビタミンB6が含まれています。そのほか、マグロや牛のレバーなどに多く含まれています。

葉酸

続いて葉酸。葉酸は生まれ変わりのサイクルが比較的早い赤血球を生成する働きや、傷ついた細胞の再生などの効果を持つ栄養素です。またお母さんのおなかの中にいる胎児にとっても重要な栄養分であり、新生児の栄養のすべてと言っても過言ではない母乳も血液からできていることから、赤血球の生成と大きくつながる葉酸は妊婦さんにはとても重要な栄養素となっているのです。 そのため、この葉酸が不足してしまうのと

  • 貧血
  • 流産の危険性が上がる
  • 胎児がダウン症になる可能性が上がる

と言われています。一日に摂るべき葉酸の量(μg)は成人男性で240、成人女性で200に対し、白米ではたったの3しか摂れません。それに対して酒粕は170と摂取目安量に近い葉酸を摂ることができるのでおすすめです。ただし、葉酸は摂りすぎると逆に副作用がありますので、注意してください。

食物繊維

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便秘ぎみの人、コレステロールの摂りすぎで脂肪が溜まっている人、このような人におすすめでテレビやCMなどでもよく聞くようになった食物繊維。だいぶ私たちの身近な栄養素となった食物繊維ですが、簡単に言えば消化されない、つまり吸収されないもので、そのために便となって排泄されやすく便秘の解消につながるというわけです。 そのほか、血糖値を上げたり腸内環境を整えるという働きを持つ食物繊維ですが、不足してしまうと、

  • 便秘下痢
  • 糖尿病(タンパク質や脂質の吸収を調節できなくなると、血糖値が急激に上がる可能性)
  • 動脈硬化(悪玉コレステロールを減らせなくなる)
  • 脳梗塞(動脈硬化により血液がうまく回らない)
  • 心筋梗塞(脳梗塞と同じ理由で)
  • 大腸がん(腸内環境が荒れることにより)

などの症状が現れる可能性があります。一日の目安となる摂取量は男女ともに20mg以上といわれており、白米で0.3りんごで1.5ほどしか摂れないのに対し、酒粕には5.2ほど含まれています。

吸収されにくいタンパク質=レジスタントプロテインがすごい!

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上記したように、食物繊維とは消化酵素の影響を受けにくいため消化されにくく、消化されないため体内に吸収されずにそのまま便となって排泄されるものですが、このレジスタントプロテインも同じように、吸収されずに排出されます。しかも排出される際にコレステロールや脂質を捕まえて一緒に排出してくれるというダイエット男子、女子にはとても嬉しい効能付きなんですね。

また、年齢とともに下がってくる体内の基礎代謝を上昇させる役割があるので、体質から太りにくいものへと変えることができます。いくら運動をしても痩せないという人全然食べてないのに太るという人は基礎代謝が下がっているのが原因の一つとして考えられますが、これについてもレジスタントプロテインを摂取することによって改善することができるのです。

そして、このレジスタントプロテインが多く含まれている食品が酒粕です。ほかにも蕎麦や大豆などにも含まれているようですが、酒粕はそのまま食べるもよし、汁物にすることもできれば調味料として使うこともできるため、毎日の食事で無理なく摂取することができると、今大注目の健康食品となっています。

美容効果は言わずもがな!

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日本酒成分配合の化粧水の効果がすごい!!なぜ日本酒は肌にいいのか!?』でも取り上げていますが、日本酒は化粧水の成分としても注目を集めており、同じ成分を含んでいる酒粕もまた同様にその美容効果を含んでいます。

一番はシミそばかすの予防です。日本酒に多く含まれているフェルラ酸という栄養素はシミの原因となるメラニン色素が生成されるのを抑制、また、お肌のアンチエイジング紫外線からの保護などの効果を持っており、日本酒同様、酒粕にもこのフェルラ酸が多く含まれています。酒粕100gに対して精製水150mlで割って酒粕パックにするのもおすすめです。シミ、そばかす以外にもニキビ吹き出物などの肌荒れにも効果があるようです。

さらにこのフェルラ酸はアルツハイマーなどの予防、改善にも効果があるといわれているため、化粧品として外から塗ることもできれば、食べて飲んで内側から効果を循環させることもできます。 化粧水では腕や手、顔などの部分的な箇所しか塗布することができないので、全身にその効果をもたらしたいという方は、『メリットしかない?日本酒風呂が健康・美肌に良い科学的根拠!』でもまとめていますが、日本酒風呂ならぬ酒粕風呂もおすすめです。お風呂に入れれば冷え性肩こり腰痛などにも効果テキメンです。

以上、酒粕についての効能についてでした。スーパー等で手軽に購入することのできる酒粕ですが、まだまだどうやって使えばいいのかわからない、また、どんなふうに体に良いのかわからないという人が多いと思います。Sakevivaでは日本酒を中心に基礎から応用まで様々な知識をご紹介していますが、酒粕についても今後様々な観点からご紹介して行こうと思っています。ぜひご参考ください。


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