良性腫瘍って本当に安全なもの?悪性腫瘍と見極める3つのポイント!
良性腫瘍というと、どんなイメージがありますか?悪性腫瘍とは違って、特に問題がないものに思えますが、腫瘍というからには悪いものなのかな?と、なんとなく曖昧なイメージがあるかもしれません。もし良性腫瘍といわれたら、それを取らなければいけないのかどうかも、気になるところです。良性腫瘍と悪性腫瘍の区別をするポイントと、良性腫瘍の治療法についての、一般的な解釈についてお話ししたいと思います。
良性腫瘍の種類と悪性腫瘍の違い
良性腫瘍とは、どんなものか知っていますか?腫瘍というと「癌」と思い浮かべるかもしれませんが、腫瘍には良性のものもあるのです。腫瘍というと不安に感じる人が多いと思いますが、すべてが悪いものとは限らないのです。しかし、良性としても腫瘍となると、何だか気になってしまうと思います。
そこで、腫瘍について正しい知識を確認して、腫瘍とは一体どうやってできるのか、良性と悪性の違いなどもしっかり理解しておきましょう。良性腫瘍について悩んでいる人、不安に感じている人は、この記事をぜひ参考にして、気になる疑問を解消してください。
腫瘍について知っていますか?
まずはじめに、腫瘍というと「ガンのことでしょう?」と思っている人は、正しい知識を確認しておかなければなりません。腫瘍とは何なのか、また、腫瘍にはどんな種類があるのかを正しく理解しておきましょう。
腫瘍の定義:自律的な新生物?
「腫瘍」というのは、すべてのは腫れものの意味を持っている言葉です。簡単にいうと、細胞が異常に増えて塊になったもののことをいいます。
医学的には、ある組織の1個の細胞から発生しながら、その組織がもつ自然の発育速度や、規制から離れて独自の成長スピードで成長し、その組織としての生理的意義をもたない、自律的な新生物のことを指しています。英語では「 tumor」と呼ばれていて、悪性腫瘍の「cancer」とは別の存在となります。
種類は良性と悪性の2つ
腫瘍には大きく分けて2つの種類があり、良性腫瘍と悪性腫瘍に分けられます。皆さんが一番気になさるのは、「腫瘍」が良性なのか悪性なのかという点だと思います。
無害な腫瘍は良性と呼ばれており、がん細胞を含んでいないものを指しています。一方、危険な腫瘍は悪性(本質的に悪いという意味)と呼ばれていて、がん細胞を含んでいて「ガン」と一般的に呼ばれています。
また、他の分類の仕方としては、身体のどこで増殖するかによって、「固形腫瘍」あるいは「液性腫瘍」と呼ばれています。
がん全体の80%以上が、固形腫瘍によるもので、特定の臓器や組織、腺において細胞の塊として増殖するタイプです。一方で、液性腫瘍というのは、白血病のように体の中で移動できるタイプのガンです。
良性腫瘍とはどんなもの?
良性腫瘍とは、悪さをしない腫瘍ということですが、本当に大丈夫なものなのでしょうか?良性腫瘍は、どんな性質を持っているものなのか、もう少し詳しいことを説明していきます。
細胞が膨らむように大きくなる
良性腫瘍は、細胞が異常に増えてかたまりになったもので、細胞が膨らむように大きくなることがあります。ある場所に留まって、大きくなるだけの良性の腫瘍であれば、問題ないといわれています。
例えば、皮膚にできる腫瘍であれば皮膚腫瘍と呼ばれ、粉瘤(ふんりゅう)、色素性母斑(ほくろ)、脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)なども良性腫瘍に分類されます。
基本的には転移しない
良性腫瘍は、一般に増殖がゆっくりで、生命に悪影響を起こさないものと定義されています。基本的には転移しないで、その部分だけで増殖をしていくものです。
逆に、悪性腫瘍(癌)は近くの組織に進入し、遠いところへ転移し、体を破壊しながら死ぬまで増え続けてゆくものと定義されていて、全身に広がると生命が危険となる病気です。
切除すれば再発もまれ
良性のものは切除してしまえば、同じ部分で再発することは、まれだといわれています。しかし、悪性のものは、腫瘍を取ったあとでも、取りきれなかった目に見えない、わずかに残っていた細胞から再び腫瘍が大きくなってきてしまう「再発」を繰り返したり、身体の他の部位に「転移」を起こすことがあるのが特徴です。
悪性化することはない
良性腫瘍は、悪性腫瘍とは性質が異なる細胞によるもので、良性から悪性化することはほとんどないといわれています。しかし、良性腫瘍だからといって、悪性腫瘍に絶対ならないという訳ではないようです。
たとえば、良性腫瘍といわれる大腸ポリープは、がん化する可能性があるとされ、手術などを行うこともあります。良性腫瘍でも経過をみて、悪性化していないことを確認しておくことが大切だといわれています。
良性腫瘍の種類について
良性腫瘍には、さまざまな種類があります。次に、上皮性良性腫瘍、非上皮性良性腫瘍の2つの種類を紹介します。
上皮性良性腫瘍は表面にできる
上皮細胞とは、体の表面や管腔臓器(消化器、呼吸器、泌尿器・生殖 器、乳房など)の、表面を覆う細胞のことをいいます。この上皮細胞の良性腫瘍としては、腺腫、乳頭腫などがあります。上皮性で悪性ならば癌腫とよばれ、つまりガンのことを指します。
上皮性良性腫瘍としては、食道上皮性良性腫瘍、皮膚にできる脂漏性角化症 、良性肺腫瘍、扁平上皮乳頭腫などがあり、腺腫は胃や大腸に発生することが多いようです。
非上皮性良性腫瘍:子宮筋腫など
非上皮性とは、上皮細胞以外の体の組織(筋肉、脂肪、血管、骨・軟 骨、血液など)を構成する細胞のことをいいます。非上皮性良性腫瘍としては、筋腫、脂肪腫、軟骨腫、血管腫があります。全身の軟部組織のいずれにも発生し、皮膚、食道、肺、胸、肝臓、膵臓、腎臓、甲状腺などでできる可能性があります。
特に有名な非上皮性良性腫瘍には、子宮筋腫があります。その他、卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)、皮様嚢腫(ひようのうしゅ)等も非上皮性良性腫瘍です。
良性腫瘍と悪性腫瘍の違いとは
良性腫瘍と悪性腫瘍の違いは、何でしょうか?良性腫瘍と悪性腫瘍を見極めるには、いくつかの判断基準があります。最終的には、医師による診断のもとで判断しなければいけませんが、次の3つのポイントを知っておくと良いでしょう。
腫瘍の硬さが違うって本当?
腫瘍の硬さも、判断の目安になるといわれています。皮下の腫瘍で柔らかい性状を示す腫瘍は、脂肪腫と血管腫、リンパ管腫などの良性腫瘍である可能性があります。また、悪性腫瘍の場合には、表面平滑もしくは結節状で、弾性があり硬いことが多いといわれています。
しかし、硬さだけでは十分な判断はできません。硬くても良性という場合もあり、自己判断では区別がつきにくいといわれています。
腫瘍の輪郭の不明瞭さが違う
良性腫瘍の場合は、周りの細胞との境界が鮮明で破壊性は少ないといわれています。また、悪性腫瘍の場合は、正常細胞との境界線が不明瞭になり、浸潤(しんじゅん)転移をしていき、無制限に増殖するのが特徴です。
腫瘍の増殖している範囲
がん細胞は、ヒトの正常な新陳代謝の都合を考えず、自律的に勝手に増殖を続け、止まることがないのが特徴です。他の組織にも細胞の種類の区別なく、広がってしまい転移してしまうことがあります。
しかし、良性腫瘍の場合は、増殖を続けることはあっても、他の別の組織などに勝手に広がっていってしまうことはありません。増殖のスピードも、悪性腫瘍に比べるとゆっくりしているのが特徴です。
腫瘍の大きさや発生した場所によっては、なんらかの症状が起こることもありますが、外科的に完全に切除すれば、再発することはないといわれています。
良性腫瘍の治療方法について
もし良性腫瘍とわかった場合には、治療は必要なのでしょうか?良性といわれてホッとする反面、やはり放っておいて良いものか、不安になることでしょう。ここでは、一般的な良性腫瘍の治療方法を紹介します。
経過観察になることも多い
厳密には、手術をして摘出した組織を顕微鏡でみる「病理診断」を行わないと、良性・悪性の鑑別は難しいといわれていますが、良性と判断される場合には、経過観察になることがあります。
例えば、良性腫瘍のことも多い甲状腺腫瘍の場合には、切らずに様子を見るケースもあるようです。しかし、良性であっても、他の組織に影響している場合や悪性を強く疑われる場合には、手術がすすめられます。
切除手術が勧められることも
良性腫瘍は特に問題がなければ、取らずにそのまま放置するということも多いといわれています。しかし、例えば粉瘤のようなものができて、あまりに大きく目立っていたり、邪魔になるなどの理由で、本人の希望があれば切除することもあります。
また、大腸ポリープも、切除の対象となることがある良性腫瘍です。ポリープの段階であれば、がんが含まれるとしても、早期のがんである可能性が高いといわれていますが、将来のことを考えて切除することもあります。
良性の腫瘍は、「腺腫(せんしゅ)」と呼ばれていますが、大腸ポリープの80%は腺腫で、特にS状結腸や直腸によくできるそうです。余計に心配することのないように、ポリープが見つかった場合には、どのタイプなのか担当医に確認することが大切になります。
また、切除した後には、その細胞を病理検査に回してもらって、悪性ではなかったかどうかを、最後に確認しておくことが大切だといわれています。もしここで良性と判断されれば、より安心を得られることでしょう。
良性腫瘍は悪性腫瘍との見極めが大切!
良性腫瘍について、読む前よりも理解が深まったでしょうか?良性腫瘍とは、悪性腫瘍と全く別の存在でありながら、全く無関係の存在ではありません。良性腫瘍と判断されても、悪性化することがないのか、また切除する必要がありそうか、医師と良く相談して判断することが大切です。
しかし、良性腫瘍は、悪性腫瘍と比べても性格が良いことが多く、過度に心配しすぎないことも大切です。どんな性質の良性腫瘍なのかよく知ることで、今後の対応を判断していくようにしましょう。
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