JR北海道が7月に鉄道事業の抜本的な見直しを表明して以降、道内の沿線自治体から、鉄路の維持に向けて道の主導的な取り組みを求める要望が相次いでいる。12日には釧路、網走、根室3市の市長が道庁を訪れ、道が中心となりJRと協議するように求めた。ただ、道はそうした期待に応えきれず、「各地域でもしっかり議論を」と求めるなど、双方の議論はなかなかかみ合わない。

 「まずはJRが考え方を道に示し、そこから議論をスタートするべきだ」。蝦名大也釧路市長は12日、荒川裕生道副知事に要望書を手渡した後、こう強調した。「鉄道はなくてはならない公共交通機関。個別の路線ではなく、北海道全体で考えるべきだ」と訴えた。

 JRは自社単独で維持困難な路線について、今後、沿線の自治体に相談する方針だが、要望書では、道が現状の鉄道網の維持確保に向けてJRと協議することなどを求めた。これに対し、荒川副知事は「道は北海道全体の課題として対応する。地域も地域で、どう鉄道を利用するかなど議論してほしい」と述べた。

 JR北海道の島田修社長が鉄道事業の見直し方針を打ち出したのは7月29日。この後、8月にはオホーツク管内18市町村の「オホーツク圏活性化期成会」や、空知、上川管内の4市1町による「根室本線対策協議会」の首長らが道庁を訪問。道に対し路線維持に向けた対応や、道内全体の交通網における鉄道の位置付けなどの大局的なビジョンを示すよう求めた。

 道は昨年11月、有識者らと道内の地域交通の将来像を話し合う地域公共交通検討会議を設立。しかし、これまでの3回の会合は、JRの鉄道事業見直し案に関する議論が大半を占め、道内交通網の「青写真」をいつ描けるのか、めどは立っていない。

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