福島第一原発の凍土壁 9割以上で凍結 一部で追加工事

福島第一原発の凍土壁 9割以上で凍結 一部で追加工事
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東京電力福島第一原子力発電所で、建屋の周囲の地盤を凍らせて汚染水の増加を抑える「凍土壁」の状況を監視する施設が12日、報道陣に公開されました。凍結した範囲は9割以上に達したものの、温度が下がりにくい一部の場所で凍結を促す追加工事が行われています。
「凍土壁」は福島第一原発で汚染水増加の大きな原因となっている、建屋への地下水の流入を抑えるため、周囲の地盤を凍らせて全長1.5キロにわたる巨大な氷の壁を作り、地下水をせき止めるもので、ことし3月末に凍結作業が始まりました。
12日は原発の建屋に隣接した「凍土壁」の状況を監視する施設が報道陣に公開されました。
モニター画面には「凍土壁」の最新の状況が、凍結した部分は青い色で、凍結していない温度が高い部分は赤い色で表示され、説明にあたった国の担当者によりますと、凍結した範囲は海側で99%に達しているということです。
一方、地下水の流入量が多い山側は92%で、地下水をせき止めすぎると建屋内の汚染水が漏れ出すリスクがあることから、凍結させる範囲をこれ以上広げることができない状態だということです。
凍土壁をめぐっては、一部で温度が下がりにくい場所があり、凍結を促す追加工事が行われているうえ、相次いだ台風による雨の影響で、一部の場所で温度の上昇傾向が続いたため、新たな追加工事を余儀なくされるなど東京電力が対応に追われています。