盛り土なく埋め直し不可能 豊洲新市場は“白紙撤回”不可避
■費用、期間とも想像つかず
しかし、これもそう簡単ではない。豊洲の各棟の建築面積は、仲卸売場棟が7万平方メートルで卸売場棟は4万9000平方メートル、青果売場棟は5万8000平方メートル。東京ドーム約4個分もの広大な面積で、地下空間に水が浸入する恐れのある穴や溝を補修するのは、気が遠くなるほどの作業だ。建築関係者は、「工事費用は100億円を超える。工期は少なく見積もっても半年」とはじく。
問題はそれだけじゃない。前出の水谷和子氏はこう言う。
「地下空間に地下水が流れ込み、冠水した様子を見ると、地下水管理がうまくいっていないことは明らかです。この対策には、地下水をくみ上げて外に排出するための揚水井戸を、敷地内にいくつも敷設しなければなりません。建物が出来てしまっている以上、今から敷設するならば、工事費用、期間がどれだけ必要になるかは想像もつきません」
もはや、「立ち止まって考える」と悠長なことは言っていられない。小池都知事は、豊洲を別の用途に使うことも検討せざるを得なくなってきたのではないか。