無届け介護ハウスの実態 自治体の半数が十分把握できず
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法律で義務づけられた届け出を行っていない、有料老人ホーム、いわゆる「無届け介護ハウス」について、去年、総務省が調査を行った自治体の半数が、実態を十分把握できていないことがわかりました。
高齢者を入居させて介護や食事などのサービスを提供する施設は、有料老人ホームとして都道府県などへの届け出が義務づけられていますが、設備が国の指針を満たしていないことなどから届け出を行っていない「無届け介護ハウス」が急増しています。
こうした施設は、空き家やマンションの一室を利用しているケースも多く、総務省行政評価局は、実態の把握状況を確認するため、去年、全国の30の都道府県や市町村を抽出して調査を行いました。
その結果、半数の15の自治体が、介護の相談窓口の地域包括支援センターとの間で、情報交換の機会や情報共有の仕組みを設けていないなど、連携が不十分であることがわかりました。
また、2つの県では無届けと把握していながら、2年以上にわたって届け出を指導していなかったほか、「虐待の疑いがある」と元職員から通報があったにもかかわらず、3年間にわたって指導していなかった県もあったということです。
総務省は「実態把握や指導の取り組みが不十分だ」として、厚生労働省に対し、今週中にも自治体と地域包括支援センターの連携を強化させて、実態の把握を徹底するよう勧告する方針です。
こうした施設は、空き家やマンションの一室を利用しているケースも多く、総務省行政評価局は、実態の把握状況を確認するため、去年、全国の30の都道府県や市町村を抽出して調査を行いました。
その結果、半数の15の自治体が、介護の相談窓口の地域包括支援センターとの間で、情報交換の機会や情報共有の仕組みを設けていないなど、連携が不十分であることがわかりました。
また、2つの県では無届けと把握していながら、2年以上にわたって届け出を指導していなかったほか、「虐待の疑いがある」と元職員から通報があったにもかかわらず、3年間にわたって指導していなかった県もあったということです。
総務省は「実態把握や指導の取り組みが不十分だ」として、厚生労働省に対し、今週中にも自治体と地域包括支援センターの連携を強化させて、実態の把握を徹底するよう勧告する方針です。
急増する無届け介護ハウス
「無届け介護ハウス」は厚生労働省の調査で、ことし1月末現在、少なくとも1650施設に上ることが分かっています。
特別養護老人ホームなどの公的な施設が不足する中、無届けの施設は年金だけでは民間の有料老人ホームに入ることができない高齢者などの受け皿となり、平成21年からの6年間で4倍余りに急増しています。
こうした施設は届け出が出されていないため、自治体による立ち入り検査のほか、定期的な指導や監査など必要なチェックが行き届かず、国の指針で定められた防災設備がないなど、安全対策や居住環境が不十分だという指摘もあります。
実態把握が難しい理由について、総務省の調査を受けた自治体の多くは「担当部署の人手不足が深刻で、急増する無届けの施設に対応できない」と答えていて、「施設への指導や立ち入り検査などを担当する職員が1人しかいない」と回答した自治体もあったということです。
特別養護老人ホームなどの公的な施設が不足する中、無届けの施設は年金だけでは民間の有料老人ホームに入ることができない高齢者などの受け皿となり、平成21年からの6年間で4倍余りに急増しています。
こうした施設は届け出が出されていないため、自治体による立ち入り検査のほか、定期的な指導や監査など必要なチェックが行き届かず、国の指針で定められた防災設備がないなど、安全対策や居住環境が不十分だという指摘もあります。
実態把握が難しい理由について、総務省の調査を受けた自治体の多くは「担当部署の人手不足が深刻で、急増する無届けの施設に対応できない」と答えていて、「施設への指導や立ち入り検査などを担当する職員が1人しかいない」と回答した自治体もあったということです。
専門家「地域の力を集約した取り組み必要」
高齢者の住まいに詳しい高齢者住宅財団の高橋紘士理事長は「1人暮らしで、自宅での生活が困難になった高齢者が入居できる施設が不足し、安価な費用で入居できる無届けの施設が受け皿となっているのが現状で、なかには良心的でケアの水準も高い施設もあるが、生活保護費を無断で預かるなど、いわゆる『貧困ビジネス』として運用している施設もある」と指摘しています。
そのうえで、今後求められる対策について、「自治体が実態を把握し、指導しなければならないが、人手不足が深刻で、きちんと体制が整備されている地域はまだかなり少なく、自治体と地域包括支援センターなどの連携も熱心に行えている地域はほとんどない。今後は自治体やセンターの職員のほか、ケアマネージャーや医師など、地域の力を集約して取り組むことが求められている」と話しています。
そのうえで、今後求められる対策について、「自治体が実態を把握し、指導しなければならないが、人手不足が深刻で、きちんと体制が整備されている地域はまだかなり少なく、自治体と地域包括支援センターなどの連携も熱心に行えている地域はほとんどない。今後は自治体やセンターの職員のほか、ケアマネージャーや医師など、地域の力を集約して取り組むことが求められている」と話しています。