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【ゴルフ】

鈴木愛、5打差10位から逆転V

2016年9月12日 紙面から

最終日、18番で単独首位になるバーディーパットを沈めた鈴木愛は、ガッツポーズ!=登別CCで(神代雅夫撮影)

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◇日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯<最終日>

 ▽11日、北海道登別市・登別CC(6750ヤード、パー72)▽天候・曇り、19・8度、南南東2・2メートル▽賞金総額1億4000万円、優勝2520万円▽65選手▽観衆3057人

 5打差10位から最終組の3組前で回った鈴木愛(22)=セールスフォース=が4バーディー、1ボギーのベストスコア69で回り、通算1オーバーで逆転優勝を飾った。5月の中京テレビ・ブリヂストンレディス以来となる今季2勝目で、ツアー通算3勝目。8月から北海道開催3大会で惜敗を続けてきた末の“4度目の正直V”となった。1打差の2オーバー2位に大山志保(39)=大和ハウス工業=と下川めぐみ(33)=環境ステーション=、3オーバーの4位に酒井美紀(25)=国際スポーツ振興協会=と申ジエ(韓国)が入った。

 この1カ月間、北海道で悔し涙を何度も流してきた。だからもう、うれし涙、笑顔しか残っていなかった。鈴木愛が今年最後の北海道で、一番大きな勝利をつかんだ。

 「meijiカップから(惜敗が)続いていましたからね。先々週のニトリ、先週のゴルフ5(いずれも北海道内開催)も、首位タイから最終日最終組で回ったのに勝てなくて…。今日は最終組にも入れなくて(首位とは)5打差。チャンスは少ないけど、3アンダーで回ることはできる」と最初の目標は優勝ではなく、スコア69だった。

 2番でこそラフを渡り歩いてボギー先行となったが、3番で7メートルのバーディーパットを沈めてスコアを戻すと、6番で5メートル、10番で3・5メートルを決め、ジワリとV戦線に進出した。「13番でリーダーボードを確認したら、トップはアンダーかイーブンと思ってたのに2オーバー。えっ 私?と思って緊張しちゃった」

 首位タイで迎えた最終18番。残り140ヤードを9番アイアンでピン右4・5メートルにつけると、そのバーディーパットを前にもう一度ボード上のスコア、大山と首位に並んだ自分を確認したという。「絶対に入れとかなきゃいけない」

 ラインは見えていても「何回かに1回入る距離」。だが「誰よりも練習はしてきた。それだけは負けてない」と自らに言い聞かせる。よどみないストロークではじかれたボールは、ゆるやかにスライスラインを描いてカップの中に消えた。

 2週前のニトリでは優勝した笠らに逆転され、泣いた。ショックから、登別まで100キロ移動しながら、今大会会場・登別CCでの練習を取りやめ、のぼりべつクマ牧場にだけ行った。「100円の餌(クマ用クッキー)を買い占めて。6000円以上使ったかな。かわいかった〜」。いやされた。前週のゴルフ5では最終日、ショートパットに苦しみ75。惨敗に、試合後日没まで、人けのなくなった会場で1時間半の居残り練習を敢行した。人一倍の負けず嫌い。それが2年ぶり2度目の国内メジャータイトルにつながった。

 次の目標は「11月のTOTOジャパン」。優勝すれば来季の米ツアー出場権が手に入る。「今年、全英女子オープンなどに行って、海外選手の技の引き出しの多さ、ショットだけでなくパッティングに至るまでのバリエーションの奥深さを目の当たりにし(欲が出)た。挑戦したい。来年の米ツアーQT受験も視野に入れてます」。そのために“チーム愛”も編成計画中とか。「私とキャディー、トレーナー兼マネジャーと3人編成が理想なんですけど、まだ私1人です」。両肩をすくめながら、苦笑した。 (月橋文美)

 

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