中国人旅行客が減少 台湾で観光業者が大規模デモ

台湾では民進党政権の発足後、中国との関係が冷え込み、中国人旅行客が減少して観光業者の経営に影響が出ているとして、業者の団体が当局に対策を求める大規模なデモを行いました。
このデモは、台湾各地の宿泊施設や観光バス、土産物の販売など、観光業に関係する業者の団体が呼びかけたもので、12日、警察の発表でおよそ1万人が参加して、台北の中心部を行進しました。
台湾では去年、海外から訪れた人のうち4割を中国からの旅行客が占めました。しかし、中国と距離を置く民進党の蔡英文政権が発足したことし5月以降、中台関係が冷え込んでいるのに合わせて、中国からの観光客の減少が続いていて、7月は去年の同じ月をおよそ15%下回りました。
観光関連の業者の団体は、経営が厳しくなっているとして、当局に観光客誘致の強化などを求めていて、デモでは「観光業をつぶすな」などと書かれたプラガードを手に、「仕事が欲しい」とシュプレヒコールを上げていました。主催者によりますと、観光業者による大規模なデモは初めてだということです。
台湾当局は、東南アジア諸国など中国以外の地域からの観光客を呼び込むなど、対策を進めることにしていますが、デモに参加した観光ガイドの男性は「中国からの団体客が3分の1に減ってしまった。蔡総統が就任する前のように中国人客に来てほしい」と話していました。