法制審議会(法相の諮問機関)は12日、強姦罪や強制わいせつ罪を起訴する際に被害者の告訴を不要とすることなどを盛り込んだ刑法の改正要綱を金田勝年法相に答申した。被害者の負担を減らすのが狙い。強姦罪の法定刑の下限は懲役3年から5年に引き上げて厳罰化する。政府は早ければ来年の通常国会で法案提出を目指す。
親などが支配的な立場を利用して性交やわいせつ行為をした場合、暴行や脅迫がなくても強姦罪や強制わいせつ罪が成立する新たな規定も設けた。現在被害者を女性に限っている強姦罪は加害者、被害者ともに性別は問わない。
強姦罪などは被害者の告訴がないと起訴できない「親告罪」だが、被害者が訴え出にくく表面化しない事件も多いとされる。ただ刑法が改正されても被害者が望まない場合は起訴しない運用になる見通し。