サンマ異変!ありえない高騰“乱獲”台湾船の影に中国輸出…関係者「食卓から消える日が」

 ◆和食ブーム

 こうした異変に加え、台湾漁船の動向がサンマの価格高騰につながっているという。

 台湾では、和食ブームでサンマが大人気となっており、サンマ漁も盛んに行われている。同機構などによると、北海道沖の日本の排他的経済水域(EEZ)のすぐ外側の公海上にはシーズンになると、台湾漁船が大挙して押し寄せている。

 漁が行われている海域は沿岸から遠く、漁獲しても日本人が好む鮮度を保てないため、日本漁船は出向かない。さらに、台湾漁船は1200トンと日本の6倍以上あり、船内に冷凍施設を備え、数カ月にわたって洋上にとどまって漁を続けることが可能だという。

 市場関係者は「日本近海に集まる前のサンマを根こそぎ取っているような状態だ」と訴える。

 同機構によると、日本の年間漁獲量は昭和55年ごろから20万~30万トンで推移し、シェアの80~90%を占めていたが、平成20年ごろから台湾が急増。25年には台湾が18万2千トンと日本(14万7千トン)を逆転。昨年の日本のシェアは32・2%まで落ちている。

 また、台湾は、サンマ消費だけではなく、中国などへの輸出にも力を入れているといい、関係者は「このまま押され続けると、日本の食卓からサンマが消える日も来るのではないか」と危ぶんでいる。

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