サンマ異変!ありえない高騰“乱獲”台湾船の影に中国輸出…関係者「食卓から消える日が」

 秋の味覚・サンマに異変が生じている。スーパーなどの販売価格が高騰しており、その背景に、日本列島を相次いで襲った台風の影響や近年の海水温上昇に加え、サンマブームに沸く台湾の“乱獲”があるという。「このままでは、食卓からサンマが消える日も近いかもしれない」。関係者は危惧している。(小泉一敏)

                   ◇ 

 今月開店を迎えたばかりの大阪市平野区のスーパー「アプロ平野店」。セール商品が並ぶ中、鮮魚コーナーのサンマは1匹298円の値段を付けていた。買い物に訪れていた同区の会社員、川北敬子さん(52)は「子供も好きだし、季節のものなのに、こんな値段では気軽に食べられない」とため息をついた。

 ◆出漁できず

 同店の鮮魚担当者によると、例年であれば、系列店に並ぶサンマは1匹150~200円程度。しかし今季は、入荷具合によるものの、400円で販売せざるを得ない日があるという。

 この季節の鮮魚の売り上げは例年、サンマが大半を占めるといい、担当者は「これではどうしようもない」と頭を抱える。

 なぜ、ここまで高騰しているのか。要因の一つには、相次ぐ台風の通過があるとされる。

 サンマ漁の大半は、北海道や東北を拠点にしている漁船が行っている。しかし今年は8月に計6つの台風が接近・上陸。「出漁できない状態が続き、需給バランスがあっておらず、価格高騰を招いている」(市場関係者)という。

 また、サンマは北からの寒流に乗って日本近海に集まるが、国立研究開発法人水産研究・教育機構の担当者は「今年は海水温が高い状態が続いており、日本近海に寄ってこず、あまり取れなくなっている」としている。

注目まとめ

    アクセスランキング

    もっと見る

    ピックアップ

      どう思う?

      「どう思う?」一覧