仕事中によく飲まれる飲み物の筆頭はコーヒーだろう。
食後・休憩中・打ち合わせ、どんな場面でもコーヒーは出てくる。
働く人間にはとりあえずコーヒー出しときゃ良いだろう感はある。
コーヒーはいいけど、問題は一緒に出てくる白いヤツである。
コーヒーと砂糖と鳥の甘辛ダレ
最近はカフェに入っても「ミルクと砂糖はお付けしますか?」と聞かれる事が多いけど仕事の打ち合わせの時などは何も言わずとも全部出てくる。
20代前半の頃はコーヒーなんて対して美味しいとも思わなかった。
たまに飲んでも朝、儀式的に飲む物だったのだ。
その時もコーヒー独特の苦みが嫌で砂糖やミルクをこれでもかとぶち込んでいた。
(若いなぁ…)
ただ、歳を取ると好みも変わるもので今では平日は2~3杯、休日は朝に1杯は必ず飲むコーヒー党になっている。
そして砂糖は一切入れない様になった。
話は少し脱線するが、鳥の甘辛ダレを初めて作った時に必要な砂糖の量に驚いた。
クックパッドのレシピ通りの分量だが”甘辛ダレ”と言いつつ結構な量の砂糖が必要なのだ。
レシピ通りの大さじ2杯=約30gの砂糖は改めて目にすると尋常な量では無い。
それほど甘くはないと思われる”鳥の甘辛ダレ”でさえこれほどの量の砂糖を使うのだ。
甘い系のスイーツにはどれだけの砂糖が使われているか分かった物では無い。
少し前のデータだが、下記の表に砂糖の使われている量が記載されている。
飲料水500mlあたりに含まれる糖分は?
飲料水(500mlあたり) 糖度 砂糖の量 スティックシュガー 炭酸飲料 10% 50g 16.5本分 果汁入り飲料 9.50% 47.5g 16本分 ウォーター系 8% 40g 13本分 紅茶飲料 6% 30g 10本分 スポーツ飲料 5% 25g 8.5本分 参考:五訂 日本食品成分表(2001)/食品成分研究調査会
成人一日の摂取量例:成人1日の摂取平均カロリーが2000kcalの場合
2000kcal×10%=200kcal/日
砂糖1gは約4kcalなので、200kcal÷4cal=50g/日が1日の砂糖摂取目安量となります。砂糖50gとは大さじ3杯と小さじ1杯、
大さじ5.5杯が目安と考えて良いでしょう。他に目安となるものがスティックシュガー。これは1本3〜5gぐらいで作られているものが多いですし、角砂糖1つも同様です。
特にヤバいのが炭酸飲料だろう。
暑い日にゴクゴクと1本飲んだらもうおしまいである。
飲んだ日はおやつもデザートも鳥の甘辛ダレも全面禁止だ。
兎にも角にも自ら料理をする事によって、1つの料理に入っている砂糖の量を見る事が出来たのは大きな収穫だ。
”知っている”だけと実際に作る過程で目にするのとでは体感的に大きな違いがある。
鳥の甘辛ダレの一件で1日の砂糖摂取量を意識する様になった。
その結果コーヒーを飲む度に砂糖入れてたら、それだけで1日分の砂糖とっちゃうんじゃね? と思うようになり「コーヒーを飲むときに砂糖入れるの禁止条例」が即日成立する事となった。
そして話は冒頭のコーヒーフレッシュに舞い戻る。
カフェで飲むコーヒーは豆からドリップしているのでコーヒーフレッシュを入れずとも十二分に美味しい。
問題は平日、普段使いするコーヒーである。
コンビニ等で売っている1杯毎にドリップして入れるコーヒーも美味しいが、インスタントコーヒーが厄介だ。
コーヒーの粉末をお湯で溶かして飲む特性上、どうしても水っぽい感じになってしまう。
その為、コクを出したり苦みを抑える為にコーヒーフレッシュを使っているがどうもコーヒーフレッシュに対して良い話を聞かない。
ただ漠然となんとなく体に悪い、で結論を下すのは良くないので”具体的”に”何”を"どのくらいの分量”取ると体に悪いのかを見ていきたい。
コーヒーフレッシュとは?
コーヒーフレッシュ(和製英語: coffee fresh、英語: creamer)は、コーヒーなどに加えるポーションクリーム(和製英語:portion cream、小型カップに入ったクリームの意)で、食品分類上の区分は「植物性油脂食品」や「植物油脂クリーミング食品」である。粉末タイプの商品については、クリーミングパウダーの項参照。
日本以外では粉末タイプと液体タイプは区別されずに「クリーマー」「Non-dairy creamer」「coffee whitener」などと呼ばれる。
また、ミルクティーは、紅茶に牛乳(乳製品)を加えた(あるいは牛乳に紅茶を加えた)ものであり、植物性脂肪が主原料となるコーヒーフレッシュは本来は紅茶に用いない。
製法[編集]
植物性油脂と水に乳化剤を加えクリーム状にした後、着色料及び香料で色合い・香りをつけることで製造される。トランス脂肪酸含量0.0gの商品もある。
特に注目したいのは製法の部分だ。
主原料である植物性油脂と水を馴染ませる為に乳化剤を加えている。
この植物性油脂と乳化剤が主に「体に悪い」と言われている部分だと思われる。
乳化剤はパンやアイスクリーム、マーガリン等を作る際にも広く使用されているが界面活性剤とほぼ同義であるとされている。
そして界面活性剤の名前で良く使用されているのは洗剤・化粧品だ。
勿論、食品・洗剤・化粧品で同じ界面活性剤を使っている訳では無いだろう。
また、現在の界面活性剤は肝臓で分解可能、もしくは対外排出されるタイプが多くよほど多量に摂取しなければ現状では問題無いとの事だ。
食品添加物への評価や摂取量は日々変わっているので時間の経過と共に数値が見直されたり、今はOKでも来年にはNGになったりするかもしれない。
あくまで2016年9月現在の時点では乳化剤=界面活性剤についての健康被害は軽微として良いだろう。
(決して体に良い訳ではない。体への害が軽微、と言うだけなので摂取しないに越した事はない)
現在使用されている洗剤は、肝臓で分解できるものが多く、分解できない分は体外に排出され、蓄積性はない。ただし、他の物質と比べると多少分解されにくい(したがって一度に多量摂取は危険である)。また、家庭用洗剤の皮膚からの浸透量はおよそ0.53%であり、ヒトが一日に摂取する界面活性剤の量(洗濯物に付着した洗剤の皮膚から吸収される量、食器に残留した洗剤、添加剤として食べ物に付着したもの等の合計)は多くとも14.5mgである。この量は最大無影響量[3]のおよそ1000分の1に相当する(体重50kgの場合)。また催奇性や発がん性などの性質もなく、日常の生活において界面活性剤による健康被害を受けることはほぼないといえる。
植物性油脂とトランス脂肪酸
乳化剤の問題に一応のメドが立ったので次は植物性油脂の問題を片付けたい。
植物性油脂、というよりそれに含まれるトランス脂肪酸が問題となるでそこを集中的に攻める。
まずトランス脂肪酸は大きく分けて2種類。
自然界にある物と人工的に作られる物である。
自然界に存在する物は反芻する動物(牛・ヤギ)の肉・乳製品等に微量に含まれる。
草を食べ、反芻する過程で胃の中の微生物によって作られいるのだ。
トランス脂肪酸に対する指摘は主に「工業的に作られたもの」で始まる事が多い為、自然界におけるトランス脂肪酸のに関してはあまり考えなくて良いだろう。
一口にトランス脂肪酸といっても分子構造の違いによっていくつもの種類に分類されてるのだ。
(しかし、まだトランス脂肪酸に対する研究が十分では無い為、一概に無害とも言えない。あくまで現段階で健康に対して大きな憂慮は無い、と言ったレベル)
そして本丸、人工的に作られたトランス脂肪酸である。
人工的な、というのは常温では液体である植物油等を固体化させる”水素添加”と言う技術によって生成される場合があるからだ。
そしてその”水素添加”によって作られる製品がマーガリンやショートニングだ。
従ってそれらを元に作られるパン・ケーキ・ドーナツ等にも含まれる。
トランス脂肪酸の何が悪いのか?
全部である。
そもそもトランス脂肪酸は食品から摂取する必要が無いと言われており、取り過ぎた場合の悪影響に注意せねばならない。
血液中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が増え、逆に善玉コレステロール(HDLコレステロール)が減る。
悪玉が増えるだけでは無く善玉が減るのでは何も良いことが無いではないか。
しかし、トランス脂肪酸の健康に対する悪影響の研究は乳製品や肉を食べる事の多い欧米人を基準とした研究の為、日本人に対してそのままスライドする事は出来ない。
国際機関の会合(食事、栄養及び慢性疾患予防に関するWHO/FAO合同専門家会合)では摂取量を1日の摂取量の1%未満と勧告している。
先の砂糖の下りで引用した日本人の摂取カロリーを元にするなら2000kcalの1%、約2g未満が基準となるそうだ。
ただし、これはあくまでも欧米の基準に当てはめた時の場合だ。
日本は欧米とは違いトランス脂肪酸に対する明確な規制は無い。
何故なら日本人の基本的な食生活では、トランス脂肪酸の摂取量は全カロリー中約0.3%(欧米人は約2.6%)と既に国際機関の推奨する目安を大きく下回っているからだ。
以下に平成18年度の時点で日本国内に流通している食品に含有するトランス脂肪酸のリストがある。
このようなリストを元に積み上げ方式で計算した結果が、先の日本人の平均摂取量となる。(1日の全摂取カロリー中0.3%=約0.7g)
国内に流通している食品のトランス脂肪酸含有量
食品名 |
トランス脂肪酸 (g/100g) 平均値 |
トランス脂肪酸 (g/100g) 最大値 |
トランス脂肪酸 (g/100g) 最小値 |
---|---|---|---|
マーガリン/ファットスプレット | 7.00 | 13.5 | 0.36 |
食用調合油等 | 1.40 | 2.78 | 0.0 |
ラード、牛脂 | 1.37 | 2.70 | 0.64 |
ショートニング | 13.6 | 31.2 | 1.15 |
ビスケット類 | 1.80 | 7.28 | 0.04 |
参考:食品安全委員会 国内に流通している食品のトランス脂肪酸含有量より(上位のみを抽出)
平均値は何種類かの飼料の平均値
実はこの平均値の調査結果には続きがある。平成22年の調査で国際基準値を超えてトランス脂肪酸を摂取している事例が散見された。
基準値を超えた事例の多くが女性だったとの事だが、その原因として菓子類の摂取が男性に比べて多かった事が原因として挙げられている。
実際に上に表でショートニングの含有量が多いが、さっくさくのクッキー等には恐らくふんだんに使われていると思われる。
思わぬ所で食生活の欧米化の影響を見る事が出来た。
で、結局コーヒーフレッシュは良いのか? 悪いのか?
トランス脂肪酸を取り巻く環境を理解した所で当初の問題、インスタントコーヒーを美味しく吞む際に使うコーヒーフラッシュは良いのか? 悪いのか?
コーヒーフレッシュに含まれてる中で大きな問題を孕むであろう植物性油脂と乳化剤。
そのどちらも食品添加物と言われる物かもしれないが、過剰に摂取しなければ、そのどちらも現状は大丈夫そうである。
強いていうなら新配合でトランス脂肪酸含有量0.0gのメロディアン株式会社のメロディアン・ミニを使いたい。
含有量0.0gと言う事は小数点以下切り捨てだと思うので仮に0.04gとしても15個以上使える。
これなら心置きなくインスタントコーヒーが飲める!
こんだけ調べておいて言うのもアレだが、やっぱり好きなカフェで飲むコーヒーが一番美味しい。
せめて休みの日はカフェで引き立てのコーヒーが飲みたいと思う……。
それでは、また。
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※参考文献
【摂り過ぎはNG】1日に必要な砂糖の摂取量とは | サプリメント情報満載のサプリ
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