BPOがテレビ朝日に勧告 世田谷一家殺害事件の特番

BPOがテレビ朝日に勧告 世田谷一家殺害事件の特番
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テレビ朝日が放送した世田谷一家殺害事件の特集番組をめぐり、遺族が事実と異なる報道をされたなどと申し立てたことについて、BPO=放送倫理・番組向上機構の委員会は、「放送倫理上重大な問題があった」としてテレビ朝日に対し、放送倫理の順守を徹底するよう勧告しました。
おととし12月、テレビ朝日の特集番組に出演した世田谷一家殺害事件の被害者の姉は、アメリカのFBI=連邦捜査局の元捜査官による犯人像の分析結果に賛同していないのに、賛同したかのように事実と異なる内容を放送され、人権を侵害されたとしてBPOに申し立てていました。

これについて、BPOの「放送人権委員会」は、「ナレーションやテロップといったテレビ的技法が駆使され、元捜査官に賛同したかのように視聴者に受け取られる可能性が強い」としたうえで、「社会的評価の低下に直ちにつながるものではなく人権を侵害しているとまでは言えない」と判断しました。
その一方で「公正さと適切な配慮を著しく欠いていたと言わざるを得ず、放送倫理上重大な問題があった」としてテレビ朝日に対し、放送倫理の順守をさらに徹底するよう勧告しました。

テレビ朝日は「勧告を真摯(しんし)に受け止め、今後の番組制作と放送に生かしてまいります」というコメントを出しました。

遺族「今後の番組制作に生かしてほしい」

殺害された宮沢泰子さんの姉で、BPOに申し立てた入江杏さんは記者会見で、「『重大な問題があった』と認められて率直にうれしいです。この決定を真摯(しんし)に受け止め、今後の番組制作に生かしてほしいです」と述べました。