とにかく絵面を優先させるためにありとあらゆる条理を無視していく。知識がある人間ほどツッコミがあたまをもたげて作品に没頭できない。
物理クラスタからニュース画面の彗星の軌道について突っ込みが入っていたが、そもそも彗星の核が分裂して破片が地球に向かっているとき、それを地球から見たらどう見えるかについて根本的に勘違いをしている。
登山をしてる人間からも、あの山道を老人を負ぶって登ることの非現実性やらに苦言がでるだろう。迎えの打ち合わせもせず、弁当だけわたしてトラックで人里はなれた山中に放り出すあの親父は主人公殺しにかかってるよね?とか、雨具持たずに山に入るなとか、雨に濡れて一晩山中で過ごして死なないのはおかしいとか。
だれでもわかるツッコミ点はこれ。
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監督、一回でいいから自分の顔にマジックで「バカ」とかいて、それを鏡で見てごらん? あと主人公もヒロインも右利きだよ? あれじゃ自分ではなくて他人に書かれた「バカ」「あほ」だよ?
それなのに、こんな穴だらけの素人臭い脚本でも、ラストでは圧倒的な絵と音楽とモノローグで力業で泣かされる。なんか泣いた自分がバカみたいじゃないか。プライドずたずたですよ。