被災地視察の務台政務官 官房長官「配慮欠けた行為」

菅官房長官は、午前の記者会見で、内閣府の務台俊介政務官が、台風10号の被災地の視察に訪れた際、長靴がなく、内閣府の職員に背負われて水たまりを渡るなどしたことについて、「被災者への配慮に欠けた行為だ」と述べ、緊張感を持って職務に当たるよう指示したことを明らかにしました。
内閣府の務台政務官は、今月1日、台風10号による記録的な大雨で9人が亡くなった、岩手県岩泉町の高齢者グループホームを視察に訪れた際、長靴がなかったことから内閣府の職員に背負われて水たまりを渡るなどしました。

これについて、菅官房長官は、午前の記者会見で、「松本防災担当大臣から、『被災者の心情への配慮に欠けた不適切な行為であり、口頭で厳しく注意した』と報告を受けた。私からも、本人に、緊張感を持って、引き続き職務に当たるよう指示した」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は、記者団が、今後の政府関係者による被災地の視察の在り方について質問したのに対し「務台政務官が長靴を用意していくのは当然であり、被災者への配慮に欠けた行為だった。ただ、政務3役が現場で対応することが必要なことはあるので、今後、こうしたことがないよう対応していきたい」と述べました。

「不適切だったと猛省」

内閣府の務台政務官は、総理大臣官邸で開かれた防災功労者の表彰式に出席したあと、記者団に対し、「不適切だったと猛省している。長靴を持参しなかったことも反省だ。松本防災担当大臣と今村復興大臣から厳しく注意された。今後、身を正してやっていきたい」と述べました。

「国会議員の信用失わせる行為」

12日開かれた与野党の国会対策委員長会談で、民進党の安住国会対策委員長が、「国会議員の信用を失わせる行為だ」と批判したほか、公明党や共産党も、自民党に対し「今後、こうしたことがないようにしてもらいたい」と求めました。これを受けて、自民党の竹下国会対策委員長は、「厳重に注意させる」と述べました。