さかなクンっているじゃないですか。
ぼくは彼の生き方って大好きなんですよ。
だって、あれだけ好きなことを突き詰めてって、それをナリワイにして生きるって素敵ったらありゃしないでしょ?
親としては、自分の子どもに「さかなクンみたいに育って欲しいなあ」なんて思いますもん。
・・・と思ってたら、、あんれまー、
なんと、さかなクンの自叙伝、『一魚一会』が発売されてた!
妻から通報を受け早速読了したので、今回はその読書感想文を書くことにします。
くぅ〜、さかなクンもさかなクンママも苦労してんだなぁ!
- さかなクン版『私の履歴書』
- 親と先生の温かさ
- さかなクンのママが大変だったろうなあエピソード
- さかなクンが大変だったろうなエピソード
- 一口に魚類に関する仕事といっても
- 好きなことを、好きなように
- どこか”インターネット的”なさかなクンのキャリア
- 小学校の文集に書かれた将来の夢
- まとめ:さかなクンって改めてすごいな
さかなクン版『私の履歴書』
ざっくいって、これはさかなクンの私の履歴書ですね。
著者紹介にはこんなふうに書かれていて。
館山市在住。東京海洋大学客員准教授、名誉博士。中学三年生のときに、先生と仲間といっしょに学校で飼育していたカブトガニが産卵・ふ化をして感動! 魚の生態や料理法など魚類に関する豊富な知識で、2001年1月TBS系「どうぶつ奇想天外!」に出題者・解説者(魚ナビ)として出演。「さかなクン」として名実ともに進化する。現在は「朝日小学生新聞」、「ボート倶楽部」などでイラストコラムを連載するほか、全国で公演活動を行うなど、幅広く活躍中。文部科学省 日本ユネスコ国内委員会広報大使他、肩書き多数。
どうして彼がこんなに魚類を好きになっていったのかが、興味の対象、交友関係をもとに詳細に書かれているんですよ。
#ちなみに、彼の魚類好きの最初のきっかけはタコだそうですよ笑
親と先生の温かさ
このブログの読者さまには子育て世代の方も沢山いらっしゃいますが、「どうしたらさかなクンのように、我が子が大好きなことを見つけてそれを継続して、結果それでメシを食えるのか」って興味ありませんか?
ぼくはですね、この本にそれを期待してたんですよ。
で、一通り読んで思ったこと。
それはずばり、今、彼があるのは親と先生の温かみがあってこそだなと。
さかなクンのママが大変だったろうなあエピソード
参考までに、いくつかエピソード抜粋しますけど、あなたがさかなクンだったら、こんな日々耐えられますか?笑
- さかなクンがタコにドハマリしていたとき、夕食は毎日タコをリクエストされ1ヶ月タコ料理が続く…
- 水族館が楽しすぎて1つ1つの水槽を見るのに1時間以上かかり、なかなか移動しない…
- 水槽10本を畳の上に置いた結果、床が沈み、水換えの際のこぼれた水で畳が腐る…
- 死んだカブトガニ(60センチ)を剥製にするために、風呂場で甲羅の中のはらわたや身を取り出して捨て、使い古した歯ブラシで甲羅の中をピカピカに磨く…
いやぁ、ぼくはやっぱりカブトガニのエピソードが衝撃的!
60センチのカブトガニの剥製って!甲羅の中をほじくるってどんななのよ!?
相当臭かったらしく、近所の人も大騒ぎしてたんですって。
だって、そのニオイってこんなふうらしいよ?!
家族全員を家の外に出すと、できるだけニオイが広がらないように、まずお風呂場の窓を閉め切りました。マスクを五枚重ね、ニオイが目にしみないようにゴーグルをすると、意を決してお風呂場へ入りました。
さて。
こんなふうに、カブトガニを剥製にすべく我が子が悪臭漂うヤツを家に持ち帰ってきたとして。
「親として、ぼくは子どものすることを温かく見守れるだろうか?それとも『近所迷惑だ、即刻止めて、カブトガニの死骸を生ゴミで捨てるべし』、と怒るだろうか?」
そんなことを考えちゃいましたよ。
さかなクンが大変だったろうなエピソード
冒頭に書いた通り、ぼくはさかなクンの生き方、大好きなんですね。
だって、羨ましいじゃないですか。
自分の魚類の知見を活かしてナリワイたらしめているなんて、ねぇ。
だから、なんとな〜くぼくは彼には苦労はないんだろうと思っていたんですよ。
だけど、本書を読むと全く違う面が見えました。
ずばり、彼は魚類に関することを仕事にするために、相当苦労してる。
それはもう、驚くほどに笑
一口に魚類に関する仕事といっても
一口に魚類に関する仕事っていっても沢山あるわけで・・・
お魚屋さん、水族館、熱帯魚屋さん、お寿司屋さん・・・
お寿司屋さんでのアルバイト
海の魚のアジを水道水で洗い怒られる(海水魚は淡水で洗うとあっという間に色と輝きがあせてしまうんだそう)一方、お魚好きのお客さんとの会話はなく、魚も食用の同じ種類ばかり・・・で、チーン
水族館での実習1
水族館や水槽の掃除、エサ作り、水質調査、機械の点検などお魚以外のことでやることが多く意気消沈し、チーン
水族館での実習2
お魚ではなく、ペンギンやイルカの担当になったり、あるいは、エンジニア担当になることも…理想と現実に気付き、チーン
熱帯魚屋さんでのアルバイト
仕入れる魚の種類に限界があって、綺麗じゃない渋い魚が入荷されない。そして、自分が好きな熱帯魚を売る=別れが多く寂しすぎることに気付き、チーン
寿司屋でのアルバイト
どうしてもシャリが上手く握れず、チーン
好きなことを、好きなように
すごいでしょ笑
これだけの苦労してるなんて。
しかも理由がまっとうだもん。
経験したからこそ、自分のやりたいこととのズレをちゃんと認識してってる。
でも神様っているんだろうね。
彼はあることをきっかけに生きる道を見つけてしまう。
詳細は本書に委ねるとして、ヒントはこの動画だろうなあ。
いつかのQさま。さかなクン30秒でタイを描き上げるの美しくて何度も再生してしまう。
— shoko.m (@IIXVIIIV) 2016年9月11日
限られた時間の中でも、背びれのトゲの本数まで正確に描く誠実さ。 pic.twitter.com/UgqAKnkIz2
どこか”インターネット的”なさかなクンのキャリア
こう書いていくとぼくは、さかなクンのキャリアってどこかインターネット的だなあと思うんですよ。
お金や名声といった誘惑に負けずに好きなことを突き詰めていったら、あるとき、時代が追いついて一気にブレイクする。
そんな感じの生き方でしょ、これって。
小学校の文集に書かれた将来の夢
でもこれも想いあってこそ。
「将来の夢は、東京水産大学の先生になることです。そして、お魚について研究したことをみんなに伝えてあげたいです。東京水産大学の先生になったら、自分の絵で、みんなのためになるお魚の図鑑を作りたいです。」
まとめ:さかなクンって改めてすごいな
まとめましょう。
少し触れたけど、ぼくがこのさかなクンの著書に期待していたこと。
それは、親がどうさかなクンみたいな子を育てたんだろう、ということなんですよ。
その答えというか、どんな苦労しているかなんてのはカブトガニのエピソードなどで推して知るべしな部分が確かにあった。
でもね、本書を読んで気付いたんです。
親であるさかなクンママの苦労は、それは確かにあるんだけど、それ以上に本人が努力してる。
無意識に、「魚類の圧倒的興味が奏功して今の立場にのしあがってたんだろうなあ」なんて思ってたんだけど、実態は違ってて、今の仕事を得るためにめちゃくちゃ頑張ってる。
すごいよなあ、さかなクンて。
子どもがもし、さかなクンのように、自分の生き方を追求したとき、ぼくは最大の理解者として応援し続けられるだろうか?
いろいろ考えさせられた本でした。
ほんだらのー!