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【iRONNA発】
信長の経済学 日本のファシズム化を阻止した「荒療治」 上念司氏
これを経済的な側面からみると、それまで全国的な商業の庇護(ひご)者がいないことをいいことに利権を独占していた寺社勢力を殲滅し、経済のインフラを政権側に取り戻したということになる。言ってみれば、これは経済における「政教分離」だったともいえるのだ。
ポイントは、信長が経済のインフラを寺社勢力から奪い取った点にある。それを寺社勢力が握り続ける限り、自らの勢力拡大に利用するだけである。もっと自由に多くの人々に商売をさせて、経済を発展させる必要があると信長は感じていたのだ。
後に、豊臣秀吉の唐入り(朝鮮征伐)に引き継がれる「国際感覚」を持っていた信長は、単なる国内の権力闘争よりももっとスケールの大きい視点を持っていたに違いない。そして、信長は経済の本質を見抜いていた。だからこそ、経済の「自由化」を荒っぽい方法で推し進めたのだ。
翻って現代に視点を移してみよう。経済の活力を奪っている各種の規制がある。その中には本当に必要なものもあるだろう。しかし、規制によって不労所得を得ている人がいるのも事実だ。そして、不思議なことにこういった人々は消費税の増税を推進している。それが日本経済に破壊的な打撃をもたらすことが明らかであるにもかかわらず。
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