軍としては、地元経済に貢献していることをアピールし、THAAD配備を認めてもらいたいというところだが、地元星州では「子供だましだ」と大反発が巻き起こった。
「農作物を買ってやるから、黙って言うことを聞け」といった風に受け取られたようだ。
信頼される軍とは
そもそもTHAADは在韓米軍が配備する最新ミサイルシステムで、朝鮮半島に配備するとはいっても、韓国軍が運用に携わるわけではない。
それでも配備場所の決定には一応、米韓の間で合意形成が成された。韓国国防部の柳済昇(リュ・ジェスン)国防政策室長は記者会見で、「韓米共同実務団が、THAADシステムの軍事的効果を最大化し、住民の安全を保障しつつ健康と環境に影響のない最適な配備先として星州を提案した」と伝えた。米国と韓国の共同決定で、運用は米軍が行うにもかかわらず、住民の矛先が韓国政府と韓国軍に向くのは理由がある。
反発の底にあるのは、軍への不信感。北朝鮮と対峙しながら、最前線を担う軍を信頼していないのだ。実際、一昨年から続く大規模な軍の不正や不祥事はとどまるところを知らない。