韓国国防省が7月13日にTHAADを星州郡に配備すると決定した直後の15日、黄教安(ファン・ギョアン)首相と韓民求(ハン・ミング)国防副長官が星州郡を訪れたが、韓国通信社の聯合ニュースなどによると、「予め申し上げられなかったことを恐縮している」と謝罪する2人に対し、怒り心頭の住民たちが生卵やペットボトルを投げつける事態に発展。
配備決定から約1カ月経った7月23日にも大規模な反対集会が行われたほか、韓国KBSテレビによると30日には農民ら200人がマクワウリ畑をビニールハウスごと壊すパフォーマンスを行った。反対運動として一斉剃髪(スポーツ刈り)を行って最多人数の世界記録を狙うという、一寸理解しがたい運動もある。
反対の理由は「電磁波」。住民たちは高性能レーダーの電磁波による健康被害の可能性を訴えるとともに、マクワウリなど野菜への被害を心配しているという。
THAADのレーダーは空中を監視するもので、電波や電磁波は空へ向けて放たれる形だ。設置場所も住宅地や畑を眼下に見下ろす高台にある。そんな場所で「電磁波被害」とはかなりオカルトな話なのだが、韓国ではいったん広がった“迷信”はとどまるところを知らない。