韓進海運破綻:世界各地で物流まひ、米国が韓国に早期解決求める

 韓国の海運再大手、韓進海運が法定管理(会社更生法適用に相当)を申請したことにより、米国をはじめ世界各国で物流がまひ状態に陥っている。米国政府は来韓中の商務省副次官補を通じ、韓国政府に対し事態の早期解決を要請した。アジア担当副次官補のダイアン・ファレル氏は9日、韓国海洋水産部(省に相当)のユン・ハクペ次官と非公開で面会し「米国の船主らへの大きな被害が懸念されるため、事態を早急に解決してほしい」と訴えた。

 海洋水産部によると、コンテナ船78隻を含め韓進海運の船舶92隻が現在、目的地である外国の港湾で貨物の荷役作業ができず、海を漂っている。足止めされている貨物はおよそ140億ドル(約1兆4400億円)規模で、このうち約90%は外国からの注文貨物だ。とりわけ11月に行われる米国最大のショッピングセール「ブラックフライデー」を控えた現地の各企業にとっては、在庫物量の確保に支障が生じる事態となっている。

 一方、米国ニュージャージー州の連邦破産裁判所は9日午後11時(現地時間9日午前10時)から、韓進海運が申請した船舶差し押さえ禁止命令(ステイオーダー)に対する審査に入る。米国の裁判所は7日「米国国内の債権者保護のために、9日までに具体的な資金調達計画を提出するように」との条件を提示した上で臨時の差し押さえ禁止命令を下しており、今回の審査を経て最終的に決定する。韓進海運は審査を前に法定管理裁判所の許可を得て荷役費の一部を米国側に送金した。

安俊勇(アン・ジュンヨン)記者
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