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sinsintuusin’s diary

二人で届ける愉快な通信

懐かしい思い出

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わが家は、子供たちがまだ幼かった頃から犬を飼っています。

日本では犬連れの旅行もままなりません。置いて行くわけにもいかない‥

犬連れでも行けるところを‥と、考えた結果、「キャンプがあるじゃないか!」と思いついたのです。

キャンプをするとなると、先ず道具。寝袋に、タープ、バーベQセットなど、必要な物を揃える準備期間は、あれこれ想像しながらとても楽しいものでした。まだ行ってもいないのに...

次にキャンプ場の予約です。

これまた壁にぶち当たります。「ペット不可」の文字が‥

この時キャンプを共にしたのは、初代わんこの「クッキー」です。家族の一員で、どこに行くのも一緒でした。

 

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キャンプでの楽しみの一つは、野外で色々な料理を作って食べることです。

先ずキャンプ場近くのお店で新鮮な野菜や肉、魚など買い込んできます。

釣が出来るところでは、川魚を釣ったりもしました。

皆が忙しく働いているのを、クッキーは椅子に座って黙って見ていました。

たまに居眠りしていることも、しばしば。

 

私の主な仕事は、火を起こすことと、飯盒でご飯を炊くことでした。

「はじめちょろちょろ 中ぱっぱ」

最初強火でどんどん炊きます。沸騰したら弱火にしておよそ12分ほど炊きます。

すると中からプチプチと音が聞こえてきます。そしたら火から遠ざけ飯盒を逆さまにして棒で底を叩きしばらく待ちます。

日頃食べるご飯とは、また違った美味しい味がします。飯盒の底に出来るおこげもまた最高でした!

ある時は棒の先にパン生地を巻いて、炙って食べたりもしました。

やっぱり、バーベQは外せませんね。炭火で焼く肉の味はこれまた最高です。

 

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時を気にせずランタンの灯りに照らされながら、食材を囲んで楽しい会話で次第に夜が更けていきます。

テントの中では身を寄せ合いながら寝袋にくるまって寝ます。

ここから私の「創作昔話」の独演会の始まりです。とくに用意した話はないのですが頭に思いつくままを即興で話していきます。子供たちも毎回のことで、楽しみに聞いてくれました。

どんな話かと言うと、例えば「金の斧、銀の斧」の話を変化させて、村人が落とした斧を、女神さまが持って現れます。

「あなたが落とした斧はこの斧ですか~?」

「え~!女神さま、そ、それは、斧ではありません。」

「それは、か・か・かなづちです。金槌!、しっかりしてくださいよ~!」

などと面白く話していきます。子供たちは次は女神さまは「何を持って出てくるんだろう?」と興味芯々です。

そこで次は‥

「あなたが落とした斧は、この斧ですか~?」

「え~!それは長靴です。しかもそれは穴が開いていますよ~!」

「全く女神さまは、いい加減なんだから~!」と...そんな折、

おや?何処からか「クスクス」と、小さな笑い声が‥

当初「そんな話、つまらない」と言っていた妻ですが、すでに寝たのかと思いきや聞いていて、我慢しきれずに笑い出したのです。それを皮切りに、みんなで爆笑です。

このような他愛もない話をしているうちに、一人が寝息を立て始めます。そしてもう一人も間もなく...。もちろんクッキーは一足先に気持ち良さそうに寝てしまっています。

子供たちの寝息を聞きながら、私も記憶がだんだん遠くなって行きます。

テント越しに、風に吹かれてざわめく木々の音が聞こえます、そのざわめき、テントの中の自分達と自然とが、一体となったように感じ、まるで森の中で眠っているようです。それからどれほどの時間が経ったのでしょう?

気が付くと辺りが明るくなっていて、鳥がさえづっています。

朝がやって来たようです。子供たちはまだ、爆睡です。はねのけた寝袋を着せ子供たちの頭をなで、そ~っと起きて外へ出ます。

テントを出て外の空気を吸ってみると、何とも言えない心地いい風が体の芯まで入って来るようです。

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こんな感じで子供たちが随分大きくなるまで毎年キャンプに行きました。

その道中、車の中でみんなで口ずさんだ歌、「野に咲く花のように」...

音が外れる私と歌うと、まるで二部合掌のようで、不思議なハーモニーをかもしだしたものです。

  

wrs.search.yahoo.co.jp

この歌のように、時には暗い人生もトンネル抜ければ夏の海‥

子供たちもこの先、どんな時にも野に咲く花のように強く明るく生きて欲しい。

 

つい最近息子がキャンプ道具を借りに来ました。小さい子供を連れて友人とキャンプに行くそうです。

何だか嬉しくなりました。

 

そして歴史は繰り返すですね...楽しかった日の記憶を辿っているかのようです。

 

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本日はわが家のキャンプにお付き合い下さいまして、大変有難うございました。

では、素敵な朝をお迎えください。