「硫黄島の歴史を後世に」元島民が本にまとめる

「硫黄島の歴史を後世に」元島民が本にまとめる
太平洋戦争末期の激戦地、小笠原諸島・硫黄島の元島民らの集会が開かれ、島の歴史を後世に伝えようと、8年がかりで記録や写真をまとめた本が完成したことが、報告されました。
集会は、硫黄島の元島民やその子どもらで作る「全国硫黄島島民の会」が川崎市のホテルで開いたもので、関係者ら100人余りが出席しました。集会では、島の歴史を後世に伝えようと、会のメンバーが中心となって、およそ8年がかりで記録や写真をまとめた本が完成したことが、報告されました。

本では、戦前は、1200人が暮らし、農業や漁業で栄えていたものの、太平洋戦争末期にアメリカ軍の激戦地となり、島民の大半が強制的に疎開させられたことや、昭和43年に日本に施政権が返還されたあとも自衛隊の基地が置かれ、島民の帰還が実現していないことなどが書かれています。島民の会では、この本を全国およそ150の公立図書館に送るということです。島民の会の寒川蔵雄会長は「本を通じて硫黄島の歴史や現状について、多くの人に知ってもらいたい」と話していました。