職場で活用できる人工知能開発 企業で始まる

職場で活用できる人工知能開発 企業で始まる
職場の活性化や社員の採用など、職場で活用できるAI=人工知能を開発しようという動きが、企業の間で始まっています。
大手電機メーカーの日立製作所は、600人の営業担当の社員を対象に職場のコミュニケーションを改善するための実証実験を行っています。社員一人一人が名札型のウエアラブル端末を就業中、常に身に付け、内蔵された2種類のセンサーがほかの社員と近づいているかどうかや、会話をするときに特有の細かな揺れなどを検知します。AI=人工知能は、得られたデータから、いつ、誰と会話をしたかや、どれくらいの時間机に座っていたかなどを分析し、「もっと同僚に話しかけたほうがよい」といったアドバイスを社員のスマートフォンに送る仕組みです。社員の一人は「AIの分析でこれまで気付かなかった自分の癖がわかり、職場の活性化につながると思う」と話していました。

一方、NECは、社員の採用試験を行う際に人事担当者を手助けするAIを開発しました。このAIは、過去に出された履歴書の内容と採用試験の結果をあらかじめ学習し、書類選考にあたって採用にふさわしいかどうかを人事担当者にアドバイスします。これによって人事担当者の負担を減らし、個人的な好みで選考するリスクを防ぐことができるとしています。開発担当の中村暢達さんは「現時点では、履歴書の文章の分析だが、将来はAIが面接の時の動作を分析して判断材料とできるよう改良を進めたい」と話しています。