16/09/11/: 本日の埋草/通信の秘密
MIT Media Lab の YouTube チャンネルから。
タイトルを見たときには、『読んでいない本について堂々と語る方法』よろしく周辺情報その他によって本の内容のあらかたをズルしてラクに理解してしまう科学的方法でも出て来るのかと思っていたらさにあらず、まったくもって文字通り、閉じたままの本を読んでしまおうという技術開発。
ヴィデオ冒頭には開封せずに手紙を読んでしまう事例も紹介されている。そこに書かれる文字が、タイプライターなりプリンタなりの打ち出すものに限定されていたとしても、これはちょっと脅威だろう。肉筆であったとしても、インクの特性から形状が割り出されるのだとすれば、今日の肉筆認識の技術をもってすれば、機械読み取りがさほど難しいとは考えにくい。メイルだってすでにエシュロン[ググる!]があるわけだし、どうせこのへん、表沙汰になっていない類似品にご注意くださいってなもんだろうから、油断大敵火がボウボウ、メイルであれ手紙であれ、通信の秘密[ググる!]なんて、もはやどちらの幻想小説の世界ですか、ですよ。
もちろん、こういう技術は有益でもありはするのだろう。たとえば、水害にあった古文書の類。ページがめくれなくなってしまったヤツの修復作業はきわめて面倒臭い。もちろん、修復作業はサボるべからずの不可欠だとして、しかし修復の前にまず内容を保存することが出来るようになるに越したことはない。この場合、この技術はずいぶん重宝するに違いない。
とはいえ、選挙時、野党候補の選挙事務所に警察がへっちゃらで隠しカメラを仕かけて監視するような時代と社会であれば、まずだれがどのようにこの技術を用いるのか、心配御無用というわけにはいかないよなぁ。うーん。
筑摩書房
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待望の文庫化。タイトルから想像されるようなフザケた内容ではない。ユーモラスな読書論として読めば結構興味深い。しかしまぁ、世の中、フィジカルには目を通していても、読んでいるとは到底云えないような堂々たる書籍に関する語りは珍しくない。そういう書評子さんには、本書を読んで、その空中批評っぷりに磨きをかけるくらいの修行は積んでいただきたい。とかなんとかいったあたりは、絶対ブーメランだな\(^o^)/
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