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蓮舫氏「二重国籍疑惑」が示す民進党の問題点

東洋経済オンライン 9月8日(木)8時0分配信

「帰化じゃなくて国籍取得です」

 産経新聞による9月2日のインタビューでは、台湾籍の有無を問われ、蓮舫氏は「質問の意味がわからない」とシラを切った。夕刊フジが蓮舫氏の事務所に提出した質問状に対する回答も、内容は同じだったという。

 この時点で「帰化」についてウソを語ってしまった。蓮舫氏は9月2日の産経新聞によるインタビューにおいて「帰化じゃなくて国籍取得です」と回答して「帰化」を否定してみせた。しかし、初出馬した2004年の参院選での選挙公報には「1985年 台湾籍から帰化」と明記。虚偽記載となれば、経歴詐称問題にも発展しかねない重大問題だ。

 「とても残念なことだと思う。政治家というのは正直さを徹底して貫かないと、意図しないウソが発生してしまうことがある。そういう意味で蓮舫氏は、準備が足りなかったのではないか。同じ女性議員として切ない思いだ」

 民進党の阿部知子衆院議員がしみじみとこう述べた。社民党から日本未来の党、みどりの風を経て2014年の衆院選から民主党に参加した阿部氏は、党内でリベラルな政治家として位置づけられている。しかしその発言は、保守系議員をも納得させる説得力を持つ。阿部氏は、蓮舫氏が8月23日に外国特派員協会で発した「岡田代表はつまらない男」発言について、8月24日に以下のようにツイッターで述べた。これは蓮舫氏に対するメッセージと思わせる内容だ。

■ 先輩政治家への感謝や尊敬の念の欠如

 「民進党のまだまだ至らざるは、先輩政治家への感謝や尊敬の念の欠如。まだ若い政党だし、各人が己の才能を売るに必死で、謙虚さに欠ける。先の政権運営の失敗の一因でもあったはず。そうした人間的な未熟さを孕む危うげな政党に国民の信頼が寄せられるはずもない。政治は人。上にたつものは謙虚たれ」

 ところがこの戒めの言葉は本人に届かなかったようで、"二重国籍疑惑"が本格的に炎上していなかったこの頃の蓮舫氏は得意の絶頂にいた。

 岡田現執行部の他、野田佳彦元首相の花斉会や赤松広隆元農水相のサンクチュアリ、細野豪志元環境相の自誓会といった多数派の支援が付いたため、代表選での勝利は確実と思われたからだ。ただこれについて阿部氏はずっと懐疑的だったようだ。

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最終更新:9月8日(木)9時35分

東洋経済オンライン

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