北核実験:北を非難しても自らの失敗は認めない中国

北核実験:北を非難しても自らの失敗は認めない中国

 中国外交部(省に相当)は9日(現地時間)午後1時ごろ、公式ホームページを通じ「北朝鮮は非核化に向けた約束を守り、国連安保理による関連する決議を遵守し、情勢を悪化させるいかなる行動も中断するよう強く求める」とする声明を発表した。「国連安保理による関連する決議の遵守」を求めた部分以外は、2-4回目の核実験の時に出された声明と内容は全く同じだった。

 ただし声明が発表された時点は、北朝鮮が朝鮮中央テレビを通じて核実験の事実を公表したのとほぼ同時だった。ちなみに今年1月の4回目の核実験の際、中国が声明を出したのは6時間後に行われた午後の定例ブリーフィングだったため、今回はそれよりも反応が早かった。

 中国外交部の華春瑩・報道官はこの日行われた定例ブリーフィングで「駐中北朝鮮大使館の責任者を呼んで強い懸念を伝えたい」と述べ、近く池在竜(チ・ジェリョン)駐中大使に抗議する意向を伝えた。「核実験について北朝鮮から事前に連絡があったのか」との質問に華報道官は「提供できるような情報はない」と答えた。

 中国の識者らも今回の核実験について相次いで強い懸念を表明している。たとえば中央党校の張璉瑰・教授は「非常に厳しい事態」と指摘。北朝鮮が核保有国という目標に大きく近づいた現状に対し、識者の間からも大きな戸惑いが感じられる。

 一方で中国が北朝鮮による核兵器保有を認める可能性もほぼなさそうだ。遼寧省社会科学院の呂超・研究員は「中国は韓半島(朝鮮半島)の非核化を一貫して主張してきたため、北朝鮮の核兵器保有を認めることは、自分たちの失敗を認める結果になる」との見方を示した。

 このように韓半島の非核化を高らかに主張していることもあり、中国としても北朝鮮が核保有国になろうとする現実を放置するわけにはいかないことに中国のジレンマがある。中国はすでに国連安保理による対北朝鮮制裁に参加し、金融制裁も断行しているが、その上で中国がさらに制裁を行う手段があるとすれば「原油供給の中断」が考えられる。これは北朝鮮による核開発を阻止できるほど北朝鮮にとっては厳しいものだが、一方で中国にとっても中朝関係の完全な破綻を覚悟せざるを得ないほど負担が大きい。これについて北京大学の金景一・教授は「中国は北朝鮮による核兵器開発には反対するが、いわゆる『レジームチェンジ(体制の転換)』をねらう韓国や米国の対北朝鮮政策には同意しない」と述べ、中国が原油供給の中断にまで乗り出す可能性はないとの見方を示した。

 中国人民大学の時殷弘・教授も「今の状況で中国が今の対北朝鮮制裁のレベルを超えるような厳しい制裁を実行に移す可能性は低い」と指摘した。

北京=李吉星(イ・ギルソン)特派員
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