中国外交部(省に相当)は9日に緊急の声明を出し、その中で北朝鮮に対し「(北朝鮮による5回目の)核実験に対して強く反対する」「北朝鮮は非核化の約束と国連安保理決議を遵守し、情勢を悪化させるいかなる行動も中断せよ」などと求めた。その上で中国は「6カ国協議を通じた問題解決」という従来の方針も同時に主張した。北朝鮮は1990年代前半から20年以上かけて核兵器開発とミサイル開発を続け、今や実戦配備の段階にまで至ったが、それでも中国の態度は全く変わっておらず、今回の一連の対応もそのことを改めて示す形となった。ちなみに今回の声明の内容も、今年1月に北朝鮮が4回目の核実験を行った直後の声明に比べると、1つか2つの言葉の違いしかないほぼ同じ内容だった。
中国は北朝鮮の権力集団の命脈を握る唯一の国であり、その気になれば北朝鮮の核開発、ミサイル開発を間違いなく完全に阻止できる。ところが北朝鮮に対する国際社会の制裁に対しては、逆にこれを阻止あるいは制止してきた。4回目の核実験直後には、中国に対して北朝鮮への重油支援をストップするよう求める声が相次いだが、中国は最終的にこれも拒否した。しかも最近は中国と北朝鮮の間で石炭や鉄鉱石など、北朝鮮にとって戦略物資である鉱物資源の取引が活発化しているとの情報も伝えられている。このようなことを続けているようでは、中国は北朝鮮問題からあえて顔を背けていると言わざるを得ない。
近い将来、北朝鮮の核問題は本当に深刻な形で一気に表面化するだろう。それを阻止できる最も現実的な方法は、中国が北朝鮮を完全封鎖する以外にない。しかし一方で中国が北朝鮮を完全に捨て去る可能性はほぼない。たとえ北朝鮮が中国にとって完全なならず者であってもそれは変わらない。今後北朝鮮が引き続き無謀な挑発行為を繰り返したとしても、中国は間違いなく「当事国に自制を求める」といった決まり切った主張を繰り返し、さらに韓国には「THAAD(米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル」)配備反対」の圧力を加え続けるはずだ。韓国は今後も中国を説得する努力を続けるべきだが、一方で彼らの「善意」に期待ばかりしていると、間違いなく大きなしっぺ返しを食らうだろう。