誰でも一度は違和感を感じたことがあるはずだ。
「ゲームやマンガって不思議だよなあ。最初はスライムみたいな敵に勝つのにすら苦労するのに、レベルがあがったゲーム後半にはスライムは単なる雑魚にしか感じられない。その一方で、ゲームの後半には、最初のころには出現することが到底信じられないくらいの超強い敵が登場しまくる。どうして、始めたばかりのときは、その強敵と出会うことすらなかったんだろう?ちゃんちゃらおかしな話だよね、フフン」
少なくともぼくはそう思っていた。
ドラゴンボール現象
世の中ではこの現象をこう呼ぶらしい。
− ドラゴンボール現象 −。
ドラゴンボール現象とは、マンガ などの登場人物の 「強さ」 のインフレのことです。 または アニメ の物語が連載中の原作に追いついてしまい、エピソードの引き伸ばしをしている状態、さらには人気が出たために無理やり原作の連載を続ける状態などを、こう呼ぶ場合もあります。 語源はもちろん、週刊少年ジャンプ(集英社) に連載され、アニメや ゲーム も大ヒットした鳥山明原作の同名マンガ 「ドラゴンボール」 に由来します。
まさか同人用語の基礎知識として、ドラゴンボール現象が説明されているとは、これっぽっちも想像していなかったけどw、そう、まさに強さのインフレ。
ぼくが書いた違和感は、フリーザさまが昔は相当な強さだったのに、いきなり弱体化していることを例に出して、説明がなされている。
例えばドラゴンボールにおけるフリーザ様。「私の戦闘力は53万です」 で読者を奈落の底に突き落とし、フリーザ自身にも第1形態、第2形態と進化があり、最終形態となった後にもさらに100%フルパワーという底知れぬおまけもつき、宇宙の帝王フリーザとの最強タイトルを与えられて登場。 主人公悟空と文字通り壮絶な死闘を繰り広げましたが、敗北後は体の一部をメカ化にしてさらにパワーアップしたものの、悟空どころかベジータの息子であるトランクスに、瞬殺されています。「強さ」の作品内での基準が変わってしまったのです。
強さ(=Ex.フリーザの戦闘力53万)の価値が下がり、強さの値段=スカウター上の値が高騰する・・・
強さのインフレとは上手く言ったもんだ。
ゲームやマンガの世界だけだと思っていた
ぼくはこのドラゴンボール現象をずっとゲームやマンガの世界だけだと思っていた。
どうしてかは上手く言えないけれど、海賊王の『ワンピース』、テニスマンガの『ベイビーステップ』、ロールプレイングゲームの『ファイナルファンタジー』・・・
自分が遊んだり読んできたマンガにそういうものが多かったからだろう。
ドラゴンボール現象は無意識に、だけど、完全に、「あっち」の世界の話だと思ってた。
”強さ”が変わらない、『サザエさん』や『こちら葛飾区亀有公園前派出所』のような、世界観こそが現実に近いのだと思っていた。
現実こそがドラゴンボール現象そのもの
ただ、最近ふと気付いたんだよ。
現実こそ、ドラゴンボール現象そのものじゃないかって。
なぜ気付いたか。
実は、ぼくが32歳から始めたテニスがきっかけなんだ。
- 始めた当初は初級クラスでバックハンドもロクに打てない人同士で練習
- 同じレベルの人と切磋琢磨できることが安心感であり、楽しい
↓
- ところが、継続して練習するうちに自分の上達を実感
- 初級クラスの仲間が下手くそに思えてくる
↓
- 次第に、初級では自分は学ぶものはないのかもと思いはじめ、モヤモヤ
- 自分よりも上手い人の練習などを観察しながら、一度、手合わせしてみたいと思う、次の舞台に進むことを望む
この流れ。
これこそまさにドラゴンボール現象だと思わないか?
欲しいのは新しい刺激
考えてみれば、同じような話はどこにでもある。
このブログだって例に漏れない。
- 最初は書くことそのものにすら慣れず、ブログを継続出来るか不安
- 同時期に始めたようなブロガーの人を見つけては傷をなめあう
↓
- そのうち、どんどん記事をかけるようになって、一定のPV・UUが集まってきたら、自分は初心者ではないと自惚れる
- もっとブログに熱意もって取り組んでいる人との出会いを望み、もっとブロガーらしくしたいと思う
ほら、ずばりブログだってドラゴンボール現象だ。
職場にもドラゴンボール現象
仕事だって同じようなもの。
いつも同じメンツ、同じ同僚、同じ取引先・・・で成長していけるのは限界があって。
だって、同じような指摘や注意やアドバイスなんかをもらってれば、いつかはその水準に追いつき、クリア出来る日が来るわけで。
遅かれ早かれ、ね。
そうすれば、いつか、つまらなくなって「次の何か新しい境地を目指したい」と考えるはず。
そして気付き、探すのさ。
その新しい何かは、今まで付き合ってきた人間関係の“外”にあるんだろうって。
そういう普段付き合いがない人から刺激を得たいって。
そう思うんだ。
こう考えると、仕事だってドラゴンボール現象そのものだろう?
みんなの周囲にも同じような話はゴロゴロ転がっていると思う。
まとめ:ドレゴンボール現象を起こし続ける人生
まとめよう。
ぼくはドラゴンボール現象のマンガやゲームの創作者は大変だなあと思っていた。
だって、強さのインフレって、創作者側からすると、大きな矛盾じゃん。
昔、フリーザに勝つのにあれだけ時間を投じたのに、後半には瞬殺で終わるなんて、誰が予想したw?
それが生む、ストーリーに与えるあらゆる影響・清濁を合わせ飲みながら、創作していく必要があるわけでしょ。
そりゃあ、疲れちゃうよw
少なくともぼくはそう思っていた。
でも、最近は違う。
それは楽しいことだと思う。
だって、現実世界はドラゴンボール現象に満ちていて、そしてそれを起こすのは他でもない、自分自身なんだから。
自分自身で強さの基準を変えることを望み、そう行動しているんだから。
そう考えていくと、ドラゴンボール現象ってめちゃポジティブな話なんだよな。
ぼくはドラゴンボール現象を起こし続ける人生にしたい。
それくらい変化のある時間を生きていきたい。
ほんだらのー!