どちらかというと大人向けに書くために、便宜上R15指定と銘打たせていただきました。また、文字通り「性」、わけても性交渉に関する記事を書くために、不快な方はブラウザバックをお願いいたします。
セックスに関するアンケート調査そのものが無駄だといっているわけではありません。中には青少年の性意識や性行動の実態把握や教育に資するものもあると思います。しかし、こうした調査は基本的には専門家が扱えば良いものでしょう。調査結果から著しい傾向が顕在化すれば、やはり専門家が警鐘を鳴らすでしょうから。
何が問題かと言うと、こうしたアンケート結果に、一般の方が具体的に性行動や意識について振り回されることだと思います。以下、その理由について記していきたいと思います。
1.何が当てにならないのか
例えば、少々古い調査ですが、相模ゴム工業株式会社が2013年に実施した、「ニッポンのセックス」というアンケート調査がありますよね。
内容そのものを批難するわけではありませんし、真に受ける方がどの程度いるかも疑わしいところです。また、統計学的にも確度が保証されたものであるとはいいがたいと思います。読み物としては大変興味深いとは思いますが…
2.強力なセレクションバイアスがかかっているはず
そもそも、初体験や経験人数に関してのアンケート調査になど答えたくないという層が一定程度いると思います。特に、性交渉の経験の無い方は、ほとんどの質問に答えることができません。そんなアンケートに答えたいと思うでしょうか。
調査対象者に偏りができてしまうことをセレクションバイアスといいますが、この手のアンケート調査に進んで回答する方は、セックスの経験のある方や性に積極的な方が圧倒的だと思います。
例えば、あなたがまだ20才だったとして、その時点でセックスの経験が無いのに、このような調査に協力したいと思うでしょうか。調査結果は気になるけれども、調査自体には参加したくないという方がほとんどだと思っています。
したがって、調査結果は性行動に積極的な方や、性に対する意識が開放的な方に偏っていくはずです。
3.初体験の低年齢化は本当なのか
「ニッポンのセックス」調査によれば、初体験の平均年齢が、「60代は21.7歳、20代は18.7歳で、世代が若くなるにつれ低年齢化」していると結論づけられていますが、これは真実でしょうか。
先に述べた通り、20代時点でセックスの経験の無い男女は、端からアンケートに答えていない可能性が高いと考えられます。さらに、高齢の男女についても、性行動に対する調査に自ら参加する方というのは、回答時点でセックスに関心がある方がほとんどではないかと思います。
これも憶測になってしまうため深い言及は控えますが、回答には、地域性や性別が関わっている傾向はありそうです。しかし、こういった傾向も、後で述べる理由から、県民性や性別などで括るのは難しいものがあると思います。
みなさんから見て、インターネットの普及や出会い系アプリなどの流行によって、「性の低年齢化」が進んでいるという実感はあるのでしょうか?
4.一番の懸念は数字に振り回されること
こうした情報に踊らされることの何が問題かというと、アンケート結果から割りだされた平均や合計に自らを照らして、焦燥感や孤独感を感じたり、実際に衝動に捉われることではないかと考えています。
例えば、先のアンケート調査における、20代の初体験の平均年齢が18.7歳だったからといって、何も10代で初体験を済ませておかねばならないわけではないでしょう。また、経験人数の合計が平均8.1人だったからといって経験人数を増やしたり、自らを安売りしてまで経験したりするものでもないと思います。
5.他人は他人
確かに、周囲が初体験を済ませた友人や経験人数の多い人ばかりだと焦る気持ちがあるのは分かります。しかし、男女の魅力が経験人数や経験した早さで決まるものではありません。もちろん経験を積むことによってセックスのテクニックが上がるということはあると思いますが、よほどテクニックを必要とされる状況に置かれない限り、無駄に経験を積む必要性は感じられません。
好きでもない異性と体を重ね合わせるくらいなら、本当に好きな異性(特殊な場合においては同性でも構いませんが)に出会うまでは「他人は他人」と割り切り、自分に合った相手を見つけることが大切だと思います。
6.結論
長く生きていると、チャンスはあっても気分が乗らなかったり、相手のことを本当に好きかどうかわからず、セックスに至らなかったというケースも何度かあります。しかし、それによって後悔したことは一度もありません。むしろ、本当に好きではない人と体を重ねることがなくてよかったと安堵しているくらいです。
よほどチャンスの無い方は、30才、40才といった年齢の節目や、親戚の結婚式や出産祝いといったライフイベントで一度立ち止まって、自らのライフプランや異性に求める条件を問いなおしてみるという必要はあるかも知れません。
私自身、こうしたアンケート調査と比べて奥手だったからといって焦りはまったく感じませんでしたし、経験人数が少ないことに関しても、数少ない本当に大切な人に出会えたことを感謝しています。
確かに、あまりにも経験が無かったり逆に多すぎるという方は、それはそれで思うところはあるのですが、それが人間の価値そのものを決定づけるものではないと考えています。
みなさんは、こうしたよくある雑誌やWebなどのアンケート調査を通じて何かを感じたり、実際に行動に移したりしたことはあったのでしょうか。よろしければご意見をいただけると嬉しく思います。
※この記事は必要に応じて適宜改訂、加筆・訂正していく場合があります