乳がんの症状を詳しく知りたい。初期症状で現れる7つの兆候
女性にもっとも多いと言われている癌ですが、早期発見と適切な治療によって良好な経過を期待することができます。「乳がん」にはどんな症状があるのでしょうか?定期的な検診以外にも、自分で検査することもできるセルフチェック法がありますから、普段から意識して病気の予防と早期発見にめざとくありたいものです。この記事では主に乳がんの症状とリスク要因について取り上げます。
乳がんの早期発見と治療を!
日本では毎年4万人の方が乳がんと診断されるというデータがあるほど、日本の女性のがん患者では最も多い多いと言われているのが「乳がん」です。発見が遅れてしまったら命に関わる重大な病気ですが、早期発見と適切な治療により経過は良好と言われていて、完治も可能な病気です。そして乳がんは唯一自分でもしこりなどの症状を見つけることができます。この機会に是非、乳がんの症状を知って、普段から意識して症状をチェックするようにしてください。
乳がんとは?
女性の癌でもっとも多いのが乳がんです。乳がんは乳房の中にある乳腺に発生する悪性腫瘍です。乳がんは、女性ホルモンのエストロゲンの濃度が高いことが発生要因に深く関わっているといわれています。体外からのホルモンの追加、ピルの服用などもリスクを高める原因としてあげられています。
初潮が早いことや閉経が遅いことはエストロゲンにさらされている期間が長いといえます。そして脂肪細胞でもエストロゲンは作られているので、高脂肪の多い食生活をしている方や肥満の方も要注意です。飲酒や喫煙によってリスクが高くなることは「確実」と言われていますから、これに関しては真剣に考えたいところですね。
乳がんによって死亡する女性が増えていることは事実ですが、乳がんは発見が早ければ早いほど助かる可能性が高い病気です。乳がんは自己診断も可能です。鏡を見ながら乳房に凹みやひきつれがないか、乳首にただれがないか、しこりがないか、などをチェックすることができます。
もちろん確定診断は医師によって行われますが少しでも普段と違う異変に気づいたら病院へいくこと、そして定期検診を書かさない事によっても早期発見をすることができます。ステージ1の10年生存率は90%以上というデータもあります。(虎ノ門病院)
日本人女性に一番多いとされている乳がん
乳がんは女性の間でとても多い癌の一つで、日本では16人に1人に発症する可能性があるという統計があります。乳がんは比較的自覚症状が少ないため発見が遅れてしまうことがあります。しかし、早期発見と治療によって再発を防ぐ事ができる癌なので日頃から症状に敏感でありたいものです。
40代後半がピーク!
日本の2013年の乳がんによる死亡数は13000人です。発症年齢は30代から増加が始まり、40代後半が最も多く、50代半ばになると発症率が減ると言われています。これはあくまでも統計であって、35歳未満に発症する「若年性乳がん」というのも忘れてはならない事実です。
油断禁物!乳がんは男性にも発生する可能性がある!
男性にも乳腺があるので、男性も乳がんになる可能性があります。確率的には女性を含めた乳がん患者の0.8%と低めですが、油断は禁物です。60~70代の男性に発症率が高いと言われています。原因としては、家族に乳がん患者がいる遺伝性、女性ホルモンが増える病気、肝臓疾患などがあげられます。男性の乳がんの種類には以下の4種類です。
◎浸潤性乳管がん
男性の乳がんの中でもっとも多いタイプです。乳管内面の細胞層から発生する癌です。これはリンパや血液を通して他の臓器に転移する可能性があります。
◎非浸潤性乳管がん
乳管内面を覆う層にたまる癌です。転移はありませんが、非浸潤性から浸潤性に変わる可能性はあります。「乳管内癌」とも呼ばれます。
◎炎症性乳がん
進行性の癌です。乳房が赤く晴れて熱を持つのが特徴です。皮膚がオレンジの皮のようになるという表現も使われます。
◎乳頭パジェット病
乳頭と下にある乳管に癌ができ、乳頭の皮膚にまでおよび乳頭がただれてきます。リンパ節転移はなく予後は良好といわれています。
乳がんの主な初期症状
乳がんの発見には自分で症状に気づく場合や、マンモグラフィや超音波検査などによる乳がん検診によって見つかります。
乳房のしこり
腫瘍が大きくなってくると、しこりを触れるようになり痛みもでてきます。ただし、しこりには色々な種類があり乳がんだけではありません。乳腺症、線維腺腫、葉状腫瘍などでもしこりの症状がでますので確定診断をするためには必ず詳しい検査と医師からの診断が必要になります。
乳房の皮膚の変化
乳がんが乳房の近くにあると、凹みやひきつれができたり、乳頭や乳輪部分に湿疹やただれができることがあります。オレンジの皮のように皮膚がむくんだり、乳頭の先から血が混じった分泌液がでることもあるそうです。
脇の下にしこりがある
乳がんは、脇の下や鎖骨上のリンパ節に転移しやすくなります。それが大きくなると脇の下にしこりができたり、リンパ液の流れが悪くなって腕のむくみやしびれなどの症状がでることがあります。
乳がん特有の痛み
乳房のチクチクとした痛み
乳がんの症状に痛みがあるとされていますが、主な症状はしこりによるものです。しこりによる違和感があります。そして乳房のうち一部分にだけ痛みがあるという特徴があります。乳房に痛みを感じる場合は、必ずしも乳がんと言うわけでもなく他の病気も考えられますから早めに検査を受けてください。
乳頭やその周辺の熱を持った痛み
乳がんの中では特殊なもので「炎症性乳がん」というのがあります。乳房の皮膚が赤く腫れ、毛穴が目立つようになりオレンジの皮のように皮膚が凸凹になります。この症状をみたならすぐに専門家へ相談しましょう。
乳頭やその周辺のかゆみや痛み
乳房全体が痛みがある場合は「乳腺炎」の可能性があります。痛みだけでは判断がつきにくいので、病院で実際に医師に診てもらい、超音波検査やマンモグラフィー検査によって詳しく検査することが必要です。
セルフチェックのやり方
自己診断をする場合は、月に一回、生理が終わってから4~5日後に行うのが良いタイミングといわれています。閉経されている方は、毎月の日にちを決めておくと便利です。自己診断の方法は以下の通りです。
◎胸の形や皮膚の変化をチェック
鏡の前に立ち、両腕の力を抜いて、左右の乳房や形に変化がないかを調べます。どこかにひきつれや凹みがないか、皮膚がただれていないかなどもチェックしましょう。それから両手をあげて同じポイントを調べます。
◎しこりの有無をチェック
仰向けに寝て、枕を背中の中にいれ手を使ってしこりがないかを調べます。そして、起き上がってから脇の下に手をいれて脇の下にもしこりがないかどうかを調べます。
◎乳首の分泌物をチェック
乳首を軽くつまんで血の混じった分泌物がないかを調べます。
乳がんの末期症状
癌が発見された時点で転移がみられる場合、ステージⅣの進行がん、末期癌となります。
他の臓器への遠隔転移
最初に転移するのは30%の確率で骨転移です。それ以外では、リンパ節、胸膜、胸壁、肺、肝臓、脳などに転移します。遠隔転移を起こした場合は数週間から3カ月くらいの薬物療法が基本になります。
◎骨転移
腰椎、胸椎、頸椎、背骨、骨盤、肋骨、頭蓋骨、上腕骨、大腿骨などに転移がみらます。癌が骨に転移すると、次第に骨を溶かしていき、骨が弱くなるので骨折しやすくなります。骨折による痛みが突然きたり、骨折していなくても痛みがある場合もあり、早めの治療が必要になります。骨が溶けて行くと、血液中にカルシウムが増えて喉がかわく、お腹が張る、尿量が増える、便秘などの症状が現れる場合があります。そのままにしておくと脱水症状がおきて肝臓の働きも低下します。
◎脳転移
脳に癌が転移すると、頭痛、めまい、手足の麻痺などの症状がでてきます。治療には放射線治療が行われます。
◎肺転移
肺に転移した場合は、肺の末梢に結節をつくるタイプと肺やリンパ管に水がたまるタイプがあります。結節をつくるタイプいは症状がほとんどないとされていますが、水がたまるタイプは咳や呼吸困難などの早急に治療が必要な症状がでます。
◎肝転移
肝転移の場合は、症状がほとんどないため、前進的な治療法である薬物療法が主にとられます。
乳がんの発症リスクをあげる原因
乳がんのリスク因子には以下のものが考えられます。
・肥満
・近親者に乳がんになった人がいる
・良性の乳腺疾患歴がある
・放射線被曝が頻回または高線量
・初潮年齢が早い、または閉経年齢が遅い
・出産経験がない、または少ない
・授乳経験がない、または短い
・ホルモン補充療法を続けている
・ピルを長期間使用
・飲酒や喫煙の習慣がある
エストロゲンの分泌量が多い時期が長い
乳がんの発生リスクは、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの分泌量が多い時期が長いほど高まるといわれています。妊娠するとエストロゲンの分泌量が抑えられますが、妊娠していない場合は常にエストロゲンにさらされている状態になるので、リスクが高まります。それゆえに出産・授乳に経験のない方、早い初潮、遅い閉経、ホルモン療法を長期でされいる方がこれに当てはまります。
肥満の方は要注意
肥満になると、脂肪組織からアロマターゼという酵素が分泌され、男性ホルモンからエストロゲンが作られます。閉経してエストロゲンの分泌量が減ると安心しても、肥満になってしまったらリスクは上がりますので要注意です。
近親者に乳がん経験者がいる
母親や姉妹に乳がんの方がいる場合は、乳がんになる可能性は2倍になるといわれています。「家族性乳がん」といわれる遺伝性のものもあります。家族の中に乳がんや卵巣がん患者がいる場合、遺伝的にある種の遺伝子変異を持っていることから乳がんを発症することがあります。
リスクを下げるための豆知識
厚生労働省研究班によると、閉経後の女性の間で大豆に含まれるイソフラボンの摂取量が多い人ほど、乳がんの発生リスクが低下するという結果がでました。
イソフラボンはエストロゲンと似ているので、乳腺細胞のエストロゲン受容体にイソフラボンが先回りして結合することにより、エストロゲンの働きを弱めるのではないかと言われています。イソフラボンは、大豆製品、豆腐、納豆、煮豆、油揚げ、みそなどに含まれています。
まとめ
日本人の女性の癌で一番多いのが「乳がん」です。乳がんは乳腺に発症する悪性腫瘍の癌です。発見や治療が遅れると命にかかわる重大な病気です。しかし乳がんは早期発見と治療によって助かる見込みが高いものです。乳がんは、唯一自分で症状を発見することができるので、普段から意識して症状に敏感になりたいものですね。そして定期的な婦人科の検診も怠らないようにしましょう。
考えられている原因には、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの濃度が高いということがあげられてます。たくさんのエストロゲンの分泌量が多い方というのは、出産経験の少ない方、初潮が早かった人、閉経が遅い人、またホルモン療法を長くとってる方の間で発生率が高いということがわかりました。興味深いことに、男性にも乳腺はあることから、稀に男性も乳がんになることがあるので覚えておくと良いでしょう。
乳がんの主な初期症状には、しこりを感じたり、痛みを感じたり、脇の下にしこりができたりします。乳房の皮膚にも変化があらわれ、ひきつれや凹みができたり、皮膚がただれたり、赤く腫れることもあります。さらに、乳頭から血の混じった分泌がでることも症状のひとつです。
乳がんの末期では、体内の中で癌の転移がみられるようになります。一番多いとされるのが骨への転移。それ以外では、肺や肝臓など他の臓器への転移があるようです。どこに転移したかによって、さらなる様々な症状がでてきますが、どれも早急な治療が必要があります。早期発見と早期治療のためにも、いつもと違う症状を感じたら迷わず病院で検査を受けることが何よりも大切です。
症状がなくても、乳がん検診などで乳がんが見つかることがありますので、各市区町村で行われている乳がん検診についても早めに問い合わせをしておきましょう。対象者には無料クーポンが配られているところもあります。対症年齢や費用は様々ですが、検査を受けに行くのは自分次第です。自己管理と健康管理を心がけて毎日生活していきたいものですね。
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