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【プロ野球】

山田30盗塁 史上初の2年連続トリプルスリーほぼ手中

2016年9月7日 紙面から

DeNA−ヤクルト 1回表2死一塁、打者バレンティンのとき二盗する山田。今季30個目の盗塁を決める。投手井納=横浜スタジアムで

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◇DeNA6−1ヤクルト

 DeNAの井納が今季2度目の完投で、7月30日以来の7勝目。丁寧に打たせて取り、山田のソロによる1点に抑えた。打線は1回にロペスの遊ゴロと宮崎の内野安打で2点を先制し、その後も小刻みに加点。ヤクルトは由規が粘れず。

 ヤクルト・山田が前人未到の領域に足を踏み入れた。今季30盗塁を達成。2年連続トリプルスリーをほぼ確実にした山田は「自分個人のモチベーションとして目標に掲げていたので良かった」と少しだけ頬を緩めた。

 積極的な走塁で決めた。1回2死後に左前打で出塁すると、バレンティンの初球に鮮やかなスタートを切った。

 「迷いはありましたけど、井納さんの体が少しホームベースの方に動いたと感じた。最高のスタートが切れました」。盗塁を読んだバッテリーがウエストしたが、思い切りの良さが成功につながった。

 30盗塁にリーチをかけてから8試合目での到達。「けん制や外して刺そうとしてくるので、走りづらいというのはあった」。山田は失敗を恐れない。だから失敗しない。34盗塁の昨季は失敗4、今季はさらに進化してわずかに2。相手の徹底したマークをかいくぐる姿に三木ヘッドコーチは「体も心も強くなっていると思う」と褒めた。

 不断の練習のたまものだ。14年から試合前に早出練習を始め、今季が3年目。チームの全体練習が始まる前にティー打撃を黙々とこなす。「あれ(早出練習)があいつの全て。小さいことの積み重ねが大きな仕事につながる」と杉村チーフ打撃コーチ。地道な努力が偉業を支えている。

 9回に約1カ月ぶりの34号ソロを放ち、打率は3割2分5厘。すでにシーズンの規定打席には達しており、仮に残り15試合を4打数立ち続けたとして、60打数8安打で打率3割をクリアする。

 山田を含めて過去10人。連続どころか2度達成した選手もいない。だからこそ目指し続けた「トリプルスリー」。もはや確実だが、山田に慢心はない。「積極的な走塁、守備、バッティングをしていこうと思います」。三冠王に盗塁を加えた4冠か。野球界の夢が、山田には詰まっている。

 

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