小池知事、豊洲市場「盛り土」建物床下部分でされておらず会見で釈明
東京都の築地市場(中央区)の移転先である豊洲市場(江東区)で、都が土壌汚染対策として行った4・5メートルの盛り土を、食品を取り扱う主要な建物の床下部分ではされていなかったことが10日分かり、小池百合子都知事(64)が会見で釈明した。
小池知事は「これまで都が説明してきた事実と違うご指摘があった。訂正させていただきたい。専門家会議は安全性確保の前に解散してしまった。行政的な問題。この件については別途、専門家の方に判断してもらいたい」と説明。専門家会議のメンバーだった和歌山大理事の環境学者・平田健正氏らに再度依頼し、調査チームを立ち上げることを明かした。
豊洲市場の予定地は東京ガスの工場跡地。工事前に土壌から有害物質が見つかり、地下水の汚染も確認されたため、都は専門家会議を設置し、2011年8月から858億円かけて土壌・地下水汚染対策を実施した。敷地内の表土を約2メートル削って汚染を除去した上で、きれいな土を搬入し、4・5メートル分の盛り土を行う計画になっていた。都はホームページなどでも安全性を強調してきた。
以下は主な一問一答。
―どのような調査をしていくのか。
「専門家には安全性、環境の観点と、妥当性(コストなど)を二段構えで調べていただく。つまり専門家会議を解散するのが早かったわけですよ。極めて重要な課題だと思う。予断を持たず、いろんなケースを考えて行きたいと思います」
―情報公開のあり方については。
「情報公開(の内容)が間違えていたのは、そもそも論としてどうか。公開しても疑義が出ては…。初歩的な問題。正しい情報を出して検討したい」。
―違った説明をしてきた都の担当者はどう説明しているのか。
「当時の担当者の話も聞かなくてはいけない。(今の担当者は)間違いだった、と申しています」
―専門家会議はどのように行うのか。
「これまでの延長戦で行くということではない。なあなあというと失礼だが、。職員の方にも意識改革をしていただきたい」