発射受け 国連安保理が緊急会合開催へ
【ニューヨーク國枝すみれ、北京・西岡省二、ワシントン会川晴之】北朝鮮による5日の弾道ミサイル発射を受け、国連安全保障理事会は6日午前(日本時間7日未明)から緊急会合を開催し、対応を協議する。日本、米国、韓国の3カ国が要請した。過去の安保理決議に違反しているとして、発射を非難する報道声明を検討するとみられる。一方、北朝鮮国営の朝鮮中央通信は6日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が核戦力強化を進めるよう指示したと報じており、挑発的な姿勢をさらに強めている。
北朝鮮は日本時間の5日午後、弾道ミサイル3発を発射。北海道奥尻島沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。国連は8月26日、北朝鮮による7月9日〜8月24日の4回のミサイル発射を「強く非難する」報道声明を発表している。
朝鮮中央通信によると、金委員長は朝鮮人民軍による「改良された弾道ミサイル」の発射訓練を視察。「連発発射訓練」は「成功」と伝えられており、金委員長が「大きな満足」を示しながら、核戦力強化を進めるよう指示したという。訓練の日時は伝えていないが、北朝鮮が5日発射した3発を指すとみられる。訓練は戦略ロケット軍の火星砲兵部隊が実施。その目的を「ミサイルの飛行安定性、誘導・命中性能などの信頼性の点検」とし、「戦闘的性能は完璧なもの」との評価を伝えた。
一方、北朝鮮のミサイル発射について米国務省のカービー報道官は5日、「強く非難」する声明を出した。声明は、発射が「ここ数カ月、常態化している」と批判。8日にラオスで開かれる東アジアサミットでこの問題を提起する方針を示した。さらに今回のミサイル発射は、民間航空や海洋貿易も脅かすものとして、「(北朝鮮に)挑発行為の責任を取らせるという国際社会の決意を強固なものにした」と強調した。