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【国際】

北朝鮮ミサイル「深刻な懸念」 安保理、再び報道声明

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 【ニューヨーク=東條仁史】国連安全保障理事会は六日、北朝鮮による五日の弾道ミサイル発射を受けて緊急会合を開き、発射を「重大な安保理決議違反だ」と非難する報道声明を発表した。緊急会合は、日米韓三カ国の要請で開催された。

 会合後、日本の別所浩郎(こうろう)国連大使は、記者団に「全ての国が北朝鮮を強い言葉で非難し強い結束を示せた」と強調。その上で、弾道ミサイル三発が日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したと推定されることを踏まえ「安保理が取り得る追加的な措置を検討する必要がある」と述べ、さらに圧力を強めていく考えを示した。

 報道声明に法的拘束力はないが、有事の際に安保理の結束を示す。今回の声明では、度重なる非難声明を無視した弾道ミサイル発射に「深刻な懸念」を表明。国連加盟国に対し、制裁決議の完全な履行を求めた。朝鮮半島の緊張を緩和することの重要性も強調した。

 北朝鮮を巡っては、在韓米軍に地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD=サード)」が配備されることに中国が反発し、七月以降、報道声明の取りまとめが難航する局面もあった。八月二十四日の北朝鮮の発射では安保理会合開催から声明発表まで二日と比較的早く、今回は開催後数時間で発表された。中国・杭州の二十カ国・地域(G20)首脳会合の時期に発射され、議長国の中国指導部が容認できなかったことも迅速な声明発表につながったとみられる。

 

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