日刊ゲンダイDIGITAL

  • facebook  
  • twitter  
  • google+

伊藤真弁護士「2つのルートで安保法はひっくり返せます」

 周到な政府は、家族が反対運動に参加しそうな自衛官は危ないところに行かせないんですよ。

――そこまでやっているんですか。それにしても、この政権には順法精神というものがあるのかどうか。そこからして疑いたくなりますね。

 憲法と現実がズレたから、「改憲しよう」と言い出すくらいですから、もともと憲法を守る気があるとは思えません。そもそも、憲法は現実とズレがあるから存在意義があるのです。例えば、憲法14条は法の下の平等を規定していますが、男女の差別はいまだ残っている。国民に健康で文化的な最低限の生活を送る権利を保障する憲法25条にしろ、現実とズレがある。憲法だけでなく、法律とはそういうものです。「泥棒をやれば刑罰に処す」と刑法235条は定めていますが、現実は泥棒はなかなか減りません。では、現実に合わせるために「泥棒は少しくらい許す」と、235条を変えますか。そんなわけありませんよね。「べき論」を示すのが法律であり、現実と食い違っていても何とか「べき」の方向に現実を近づけていくことが政治家の仕事です。安倍政権は、「少しくらい泥棒をしてもいいじゃないか」と言っているようなものです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のニュース記事