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伊藤真弁護士「2つのルートで安保法はひっくり返せます」

――大がかりですね。

 こういった訴訟を通じて、市民運動を活発化させていくことが何より重要なことだと思います。全国各地で市民運動の火種を絶やさないようにする。そうすれば、「政治ルート」にもつながっていきます。先の参院選では、野党統一候補を立て、1人区では善戦しながら、力及ばなかった。2年後の衆院選挙まで頑張って運動を継続しなければいけません。そのために政治ルートと司法ルートを一体化させて取り組んでいく。

――活動の手応えはありますか。

 裁判所はとても真摯に向き合ってくれています。この手の違憲訴訟は1回目の提起で門前払いということも多いんです。

――裁判の争点はどこになりますか。

 裁判所がどこまで安保法制に立ち入って判断を下せるか。政治が絡むと遠慮してしまうのが今までの裁判所の傾向で、法律が「憲法違反」だったという判決は、これまで10件しか下されていません。なぜこんなに少ないのか。内閣法制局が事前に法案をチェックしていたからです。法制局がチェックしていたからこそ、裁判所が事後的に審査し、法律が「違憲」であると判断を下す必要がなかった。ところが、今の法制局は政府の言いなりで、法の秩序を歪めてしまった。法制局は機能不全に陥っています。となると、憲法秩序を守るのは裁判所しかない。「最後の砦」になるのです。

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