師弟像完成 東京・赤坂で除幕式
明治維新時に江戸八百八町を戦火から救った幕臣・勝海舟(1823〜99年)と弟子の坂本龍馬(1835〜67年)の師弟像が、2人が知り合った東京都港区赤坂の地につくられ、10日午前に除幕された。龍馬の兄権平の子孫、坂本匡弘さん(51)が除幕に加わり、海舟の玄孫の高山(こうやま)みな子さん(54)と歴史ファンや地元住民らが見守った。
海舟像は座った姿で高さ約1.6メートル、龍馬は立像で約1.9メートル。設置されたのは海舟が亡くなるまで住んだ屋敷跡である区立特別養護老人ホーム「サン・サン赤坂」(港区赤坂6)の敷地内。海外雄飛を目指した師弟の志を表現して、太平洋の向こうの米国を望むように東向きに置かれた。
地元の有志約200人が費用を出し合った。代表の石渡光一さん(80)は「海舟は赤坂に3回住み、二つ目の屋敷で師弟は出会った。師弟像は地元の誇りになる」と喜んでいた。【早川健人】
【ことば】勝海舟と坂本龍馬
1862年に土佐藩を脱藩した龍馬は、赤坂の海舟邸を訪ねて心酔。姉の乙女宛ての手紙に「『日本第一の人物』『天下無二の軍学者』の門人になり、ことの外かわいがられている」とその喜びを書いた。一方の海舟も「なかなか鑑識のあるやつだよ」と後年述懐し、龍馬の「人や物事を見る目」を評価した。
龍馬は薩長同盟と大政奉還に尽力した後、67年に京都で暗殺された。海舟は68年、江戸城総攻撃の前日に旧幕府軍の代表として官軍参謀の西郷隆盛と会談。無血開城で合意した。