(国実)「あなたの暮し」がいいと言ったものは売れそうでないものは売れない。
それだけ影響力のある存在なんですよ。
その雑誌が本当に正しいものなのかそうでないのかそれは追及されて当然じゃありませんか?・「普段から」・「メイクしない君が」・「薄化粧した朝」・「始まりと終わりの狭間で」・「忘れぬ約束した」・「花束を君に贈ろう」・「愛しい人愛しい人」・「どんな言葉並べても」・「真実にはならないから」・「今日は贈ろう」・「涙色の花束を君に」・「涙色の花束を君に」
(常子)一体どうしたんです?
(花山)私に話した事を常子さんたちの前で言いなさい。
(松永)はい。
テスターの情報を週刊誌に漏らしたのは俺です。
松永君が?
(美子)どうして?金が必要だったんです。
毎月毎月月賦で欲しいものを買っていたら首が回らなくなってしまって…。
(水田)だから言ったじゃないか。
それで…誰に頼まれてテスターの情報を?それが…どこの誰かは分からないんです。
ただ協力すれば5万円やると言われて…。
そいつらは俺にテスターの情報を持ち出すように言ってきました。
それを基にテスターに接触し恐らく金を使って「あなたの暮し」の商品試験はうそだと証言させたんだと思います。
その男まさかアカバネの…?本当に何者か分からないんですか?申し訳ありません。
(松永)あの…常子さん。
はい。
僕会社辞めます。
松永君…。
もう耐えられないんです。
僕は編集者になりたくてこの会社に入りました。
それなのに仕事といったら電球がどれだけつくか見張ったりひたすら鉛筆削ったり繰り返し繰り返し飯を炊いたり…。
もううんざりなんですよ。
今日限りで辞めさせて下さい。
(花山)それがいい。
クビにしないでやるのがせめてもだ。
花山さん。
とめてもしかたあるまい。
松永君。
本当にお世話になりました。
(鞠子)もうお休みになったらいかがです?うん…。
松永さんの事気にしてらっしゃるの?ずっと前から様子がおかしいと気付いてたんだ。
なのに止める事ができなかったよ。
正平さんのせいじゃないわ。
松永君が辞めるって言った時の常子さんの顔が忘れられなくて…。
すごく悲しそうな顔してた。
そりゃそうだよな。
一緒に働いてきた社員に裏切られてあんな記事が出て…。
社員を大切にしてきた常子さんだからね自分を責めたりしてなきゃいいんだけど…。
眠れないの?そうよね…。
独り善がりだったのかな。
今日ね国実さんに「あなたの暮し」は社会的に大きな影響力がある会社だって言われたわ。
私たちの雑誌の影響で物が売れたり売れなくなったりする。
よく考えたらそれって恐ろしい事よね。
恐ろしい事?大きな責任を伴うって事よ。
だからそれだけ一つ一つの企画に命を懸けて臨まなければならない。
だけど…それを強いられている社員は苦しかったのかなあって…。
私たちは終戦の日から一緒になって雑誌を作ってきたじゃない?毎日の暮らしを取り戻すために試行錯誤してそれでやっとたどりついたのが商品試験だった。
うん。
前にも言ったように商品試験は今の時代に私たちがやるべき事だと私は自信を持ってるわ。
それを社員のみんなも理解してくれるものだとばかり…。
だけど私は自分の意見を押しつけているだけだったのかもしれない。
みんなお仕事を中断させてしまってごめんなさい。
でもどうしても聞いておきたい事があるんです。
それはみんなにとっての「あなたの暮し」を作る事の意味です。
今や物があふれて豊かな時代になりつつあります。
景気もいいし職業の選択肢だって多くある。
そんな中でみんなには編集者として我が社を選んでもらったのに商品試験のためにほかの雑誌ではやらなくてはいいような仕事までやらせてしまっています。
もしこの中に連日商品を試験するためだけに編集者になったのではないという方がいらっしゃるなら正直に言って頂けませんか。
心配しないで下さい。
辞めてもらうとかではなくて担当業務を見直そうかと考えています。
(緑)あの…。
はい緑さん。
私はその…。
いいんですよ。
率直なご意見をお願いします。
意味のない事と思いながらお仕事をするのはつらい事でしょうから。
(緑)いいえそうじゃありません。
何て言えばいいんでしょう…。
私はとてもやりがいを感じています。
(扇田)俺もです。
何たって俺たちの仕事一つ一つで物を買う人の気持ちを左右するんですから。
(寿美子)よそじゃなかなかできない仕事だと思います。
(木立)責任ある仕事に身が引き締まります。
(島倉)この仕事に誇りを感じています。
(本木)私も誇りを持ってまっせ。
(笑い声)私もです。
俺もです。
俺もです。
私もです。
僕も持ってます。
僕もです。
みんなありがとう。
(緑)お話ってそれですか?ええ。
ああ…ひょっとして商品試験を中止するのかと思ってもう緊張しちゃったわぁ。
それはないです。
そんな訳ありませんよ。
まだまだ洗濯機の商品試験もね始まったばっかりですから。
(寿美子)これからが本番ですね。
(扇田)そう。
これからが本番です!よしやろう!やりましょう!皆さん準備はいいですか?
(一同)はい。
では始め。
洗濯機の商品試験は汚れを落とす力と洗ったあとの布地の傷み具合の確認を中心に行われ試行錯誤を重ねました
落ちてないですね。
更にそれぞれの機種の絞り器や操作つまみの使い勝手などもさまざまな観点からチェックしていきます。
ベランダや庭先での使用を想定して屋外に洗濯機を設置して耐久性のテストも念入りに行われました
試験を始めて半年余りがたった頃…
(宗吉)何だこの記事…。
(照代)常子ちゃんが読んだら…。
こりゃ相当落ち込むなあ。
そうですね…。
(戸が開く音)こんにちは。
いらっしゃい。
あら常子ちゃん。
えっ…何か隠しました?い〜や。
それより何だよ?あっあの…最新号をお届けに上がりました。
ありがとう。
おぉそうか。
あ〜…用が済んだら早く帰れ。
忙しいんだろ?はあ…。
・
(南)大将。
肉を焦がしちゃいました。
バカ野郎。
すいません。
何べん言ったら分かるんだよお前は〜。
宗吉さん。
え?その新聞…。
ハハハハハ!フフフフフ。
見せて頂いていいですか?「雑誌『あなたの暮し』に迫る」。
「あなたの暮し出版は読者テスターを脅迫し商品試験データを偽装しているという記事が週刊誌に掲載された。
当紙でも『あなたの暮し』に疑問を投げかけるコラムを掲載し反響を呼んだ」。
「そこであなたの暮し出版が行っている商品試験に関して電化製品の販売店およそ500店を対象にアンケート調査した結果をここに掲載する。
商品試験のやり方に疑問があるという声は47.2%という結果だった」。
2016/09/10(土) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 とと姉ちゃん(138)「常子、仕事と家庭の両立に悩む」[解][字][デ][再]
あなたの雑誌には影響力がある。常子(高畑充希)は国実(石丸幹二)に言われ責任を感じる。さらに、出版社の社員から情報を漏らしたのは自分だと告白され、動揺が走り…。
詳細情報
番組内容
「あなたの雑誌には影響力がある」。常子(高畑充希)は国実(石丸幹二)に言われ、改めて重責を感じる。出版社に戻ると、出版社の社員からテスターの情報を週刊誌に漏らしたのは自分だと告白される。会社と社員を全力で守るとかつて決心した常子は、信頼を取り戻すつもりがあるなら、これまで通り働いてほしいと説得するも責任を取り辞めてしまう。常子は、自分の信条を社員に押し付け過ぎていたのではないかと悩んでしまい…。
出演者
【出演】高畑充希,相楽樹,杉咲花,ピエール瀧,平岩紙,伊藤淳史,唐沢寿明,上杉柊平,【語り】檀ふみ
原作・脚本
【作】西田征史
音楽
【音楽】遠藤浩二
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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日本語(解説)
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