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福井敦賀駅の転車台を移設、保存 SLと組み合わせ観光資源に
県は本年度、敦賀市のJR敦賀駅構内にある鉄道遺産「転車台」を敦賀港付近に移設し、一時保存する。運搬や活用法検討などのため、九月補正予算案に三千五百万円を計上した。蒸気機関車(SL)と組み合わせた展示などで観光資源化を図れないかを長期的な視野で検討し、将来は「鉄道のまち」の象徴として活用したい考えだ。 転車台はSLを方向転換させる設備。県交通まちづくり課によると、県内では敦賀駅に鉄製の一台が唯一残る。一九五二(昭和二十七)年に製造され、直径は二十メートル。その周囲で使われた扇形機関車庫は九四年に取り壊された。 転車台は新幹線駅舎の建設地にあり、当初は来春の工事開始に伴って撤去される予定だった。西川一誠知事が四月、敦賀駅を視察した際に気付き、県はJR西日本から無償で譲り受けることを決めた。 一時保存先は、金ケ崎緑地付近にある敦賀港の県有地が想定される。近くには休止中の貨物線(通称・敦賀港線)があり、県は跡地の活用法を模索中。今後は市と連携し、SLを借り受けて動く形で展示することも含めて検討していく。 鉄道遺産では、今庄−敦賀間に点在する旧北陸線のトンネル群を観光に活用する動きがある。敦賀市は一八八二(明治十五)年に日本海側で初めて線路が敷かれ、一九一二(明治四十五)年には船と連絡させて大陸を結ぶ「欧亜国際連絡列車」が東京・新橋駅−敦賀・金ケ崎駅間で運行を始めるなど、鉄道史に大きな足跡を残した背景もある。 (山本洋児) PR情報
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