シリア 12日から停戦で合意 米ロが発表

シリア 12日から停戦で合意 米ロが発表
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シリアの内戦をめぐって、アメリカとロシアの外相会談が行われ、両国の仲介でアサド政権と反政府勢力が今月12日から停戦することで合意したと発表され、内戦の終結につながるか注目されます。
シリアで、ロシアが擁護するアサド政権とアメリカが支援する反政府勢力が激しい戦闘を続ける中、アメリカのケリー国務長官とロシアのラブロフ外相が9日、スイスのジュネーブで会談しました。
その結果、両国の仲介でアサド政権と反政府勢力が今月12日の日没から停戦することで合意したということです。そして、1週間にわたって停戦が守られた場合、アメリカとロシアが過激派組織IS=イスラミックステート、そして国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」から名前を変更した武装組織に対し、連携して空爆などの軍事作戦を行うということです。
会談のあとの共同記者会見で、ケリー長官は「停戦が守られたら、アメリカとロシアがテロ組織を打ち負かすために調整に入ることになる」と述べ、内戦の終結に期待を示しました。
一方、ラブロフ外相は「今回の合意が実現するかどうかは誰も保証できない」などと慎重な見方を示しました。
シリアの内戦をめぐっては、ことし2月にも両国の仲介でアサド政権と反政府勢力が停戦に合意しましたが、結局、戦闘が再燃していて、内戦の終結に向け、関係する勢力が合意を実行できるかが注目されます。

米国防総省は慎重姿勢

ロシアとの軍事協力をめぐっては、アメリカ政府内で交渉を主導する国務省に対し、国防総省はロシアの関与が内戦を悪化させているとして一貫して慎重な姿勢を示しています。今回の合意を受けて国防総省のクック報道官は声明を出し、合意内容について「ロシアとアサド政権には1週間の戦闘の停止を含む多くの措置を実行することが求められている。これらの誓約が完全に満たされてはじめて軍事協力の可能性が生まれる」として、軍事協力に向けた具体的な検討に入るかどうかは合意内容の履行の状況によると強調しました。その上で「今後、合意が実行されているかどうか注視していく」としてロシアとアサド政権側の動向を慎重に見極める姿勢を示しました。