台風10号豪雨の被害に遭った岩手県岩泉町山間部の孤立集落から、町内のホテルに身を寄せる避難者が9日、一時帰宅した。自衛隊ヘリ2機が、2地区4集落の43人を乗せて往復。避難者は自宅から避難生活に必要な物を持ち帰った。
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帰宅は台風12号の接近で町が避難指示を出した4日以来、5日ぶり。滞在は約3時間に限られた。戻ってきた避難者は疲れた様子で迎えのバスに乗り込んだ。
鼠入(そいり)地区日向森山集落の会社員橋場誠さん(67)は家を片付け、飼い猫に餌を与えた。「月曜から出勤するので仕事用の服を持ってきた。道路と電気が復旧するまでは避難を続けるしかない」と語った。
牛4頭を放牧している同集落の農業橋場宏さん(79)は「冬に備えて牧草を刈り取る作業をしなければいけない。本当はずっと家にいたいが、仕方がない」と嘆いた。