面接、試験、交渉、プレゼン、スポーツ…僕たちは生きていると様々な試練に遭遇します。人生を変えるような大きなことから、ちょっとしたことまで日々、いろいろなことが待ち受けています。
そのような試練に挑戦したときに重要になるのが、「自信があるか、どうか」です。例えば、あなたが会社の採用担当者だとして、面接に来た人が、ものすごく自信のなさそうな人だと採用しますでしょうか。おそらく多くの人が採用する可能性は少ないでしょう。
今回、自信が高まるしぐさ=「パワー・ポーズ」に関する本を読みましたのでご紹介します。
もくじ
- 〈パワーポーズ〉が最高の自分を創る by エイミー・カディ
- パワーはパフォーマンスを上げる
- パワーのなさは身体を小さくする
- 面接の前にハイパワーポーズを取る
- 大事な場面の前にとるポーズ
- ゆるやかな変化、小さな一歩
- 最後に
〈パワーポーズ〉が最高の自分を創る by エイミー・カディ
本の概要
TED史上空前の人気を誇るハーバード・ビジネス・スクールの心理学者が、ストレスフルな状況下でも自信を高めるしぐさ=〈パワーポーズ〉の極意を伝授。自らの実体験や世界中の人びとから寄せられたエピソード、多くの先端研究をもとに、採用面接からトラウマ克服まで、どんな場面でも役に立つ実践法を明かす。
〈本書から学べる人生を変えるヒント〉
☆大事な場面の前にとるとよいポーズ
☆大事な場面の最中にとるとよいポーズ
☆しゃべる「中身」よりも「態度」に注意
☆アカデミー賞女優が役になりきる秘訣
☆ベストセラー作家のコンプレックス解消法
☆ギャングの抗争を劇的に減らした牧師の取り組み
☆「呼吸」の持つ力
☆「新年の誓い」がかならず失敗する理由
☆スマホを使いすぎると自信がなくなる?
☆本物に「なる」までふりをし続ける
パワーはパフォーマンスを上げる
僕たちは日々、仕事やプライベートで試練に直面することがあります。できるなら、自分の本領を発揮して良い成績を残したいもの。そのようなとき、「自信」が大きな影響をおよぼしてくれます。
本書の著者エイミーは、以下のように述べています。
パワーがあると、プレッシャーのかかる状態で生じる気持ちのとらえかたも変わります。自分にある程度以上の自信があると述べた人、すなわちパワーがあると感じている人は、競争にさらされる不安を、自身のパフォーマンスを妨げるものではなく向上させるものととらえます。
何かに挑戦している人は、やはり絶対的な自信を持っています。わかりやすいところでは、アスリートの人たちは自信を持って試合に挑んでいますよね。「今日は負けるかもしれないので、なんていうか…自信ないっす…w (テヘペロ)」って試合に挑んだプロのアスリートを僕は見たことはありません!
パワーのなさは身体を小さくする
逆にパワーのない状態はどのようなものでしょうか。
自信のないときや相手に従属しているようなとき、私たちは身体を縮め、丸まってて小さくなります。(中略)小さくなり、背を丸め、うなだれて、身振り手振りのボディーランゲージもなくなります。そんな私たちを目にした人は、自信や力がなく、何かを恐れているんだなという印象を持つのです。
自信のない(と見られる)人というのは、やはり損をすることが多いようです。周りからの評価は良いものではないのが現実であり、また、自信のないしぐさというのは、本当に自信がない行動を助長していると言われています。
つまり、僕たちの思考や感情がボディーランゲージを形作り、良い影響にも悪い影響にも働きかかけているということです。
面接の前にハイパワーポーズを取る
就職活動で面接を受けたことがある人は多くいるでしょう。自己分析や会社研究、何をいうか、質問にどう応えるか、などを考えることも大切ですが、パワー・ポーズを利用して自信を高めることも同じぐらい重要かもしれません。
本書では、以下のような実験が紹介されいます。
スピーチの内容を準備する間、被験者には以前の実験でも採用したハイパワーポーズかローパワーポーズをとってもらいます。この姿勢をとるのは面接の前であって、面接中ではありません。ここがこの実験のポイントです。(中略)結果は予測したとおりでした。ハイパワーポーズをとってスピーチの準備をした人のほうが、面接全体のパフォーマンスがよいと評価され、「採用」するのにふさわしいという判定を受けました。スピーチの内容そのものにはポーズによる影響はみられませんでした。ですが、ハイパワーポーズをとった人のほうが非言語要素による自己表現の評価が非常に高かったのです。
つまり、自信のあるパワーポーズを面接前にとるだけで、採用担当者には自信のある人だと印象づけることができるのです。たったこれだけで、自信を形作ることができるのですから、やらない手はないですよね。
大事な場面の前にとるポーズ
本書では、もちろん具体的に様々なパワー・ポーズが紹介されています。ほんの一部分だけですが、紹介させていただきます。※気になる人は本書ご覧ください。
・大事な場面に臨む前、座って待つ以外の選択肢がない、という場合は、両腕を椅子の背に回し、後ろで両手をしっかり組みます。この姿勢は両肩と胸が自然に開きます。
・物理的に身体を使ってポーズをとれなければ、心のなかでやります。身体を大きくのびのびと広げた自分を想像してみます。頭のなかでワンダーウーマンやスーパーマンになってみてます。
ゆるやかな変化、小さな一歩
僕たちが生きる社会では、結果が求められます。これは何も社会人だけでもなく、学校など子どもたちの世界でも言えることです。
学校の試験では、どれだけ勉強時間を費やしたとか、試験勉強を工夫したとかよりも、試験の点数が評価になります。最近でこそ、プロセスを評価に加える会社も増えましたが、まだまだ多くの会社が結果を評価することが多いです。
米国の学校の多くが、意図せずして子どもだちに不幸な停滞型マインドセットを持たせる仕組みになっている、とドゥエックは指摘します。試験の点数、成績評価、能力を見せることが大事だと子どもたちを駆り立て、知能や才能をほめる傾向にあるからです。(中略)「取り組んだプロセスをほめることで、強くてしなやかに伸びる子がつくられる」というのです。
成績評価や試験の点数などをほめるのではなく、取り組んだプロセスをほめることで、子どもたちは結果よりも過程を大事にし、難しい課題にも前向きに取り組んでいけるようになると言われています。このような教育が浸透するといいなと思います。もちろん、結果を褒めないという話ではなく、要は結果も過程もバランスよく評価してほしいなと思います。
これは、自分自身にも言えることです。自分が何か挑戦したとき、結果が伴わなかったといって自分を責める必要はありません。そこに挑むために、何を準備しましたか、どのように取り組みましたか、練習もしたのじゃありませんか?つまり、自分自身を評価するときもプロセスを見て自分をほめてあげましょう。
最後に
いかがでしたでしょうか。著者のエイミー・カディは、社会心理学を専門にするハーバード・ビジネス・スクールの准教授であり、パワーとボディランゲージに関する研究をしています。
数年前、僕がエイミー・カディのことを知ったのはこちらのTEDです。
なんと、このTED動画は、再生回数が約3500万回に達し、歴代のTEDのなかでも2番めを記録しているようです。当時、僕もこの動画を見て衝撃と感銘を受けたのを覚えています。
本書で、このTEDで注目を集めた「パワー・ポーズ」を軸に、最新の研究を記しながら、語られています。とても、興味深いものばかりでした。
「パフォーマンスを向上させたい」「今度、面接だ」「最近、自信がないんだ」という人は読んでみてはいかがでしょうか。著者の様々な経験と研究から裏付けられた内容は大変おもしろいものがありました。
今日のクエスト~LevelUpポイント~
★自信を高めたいときはパワーポーズ!
★パワーはパフォーマンスを向上させる!
★結果もいいけど、プロセスも重視しよう!
To be continued…