【ソウル=峯岸博】7日にラオスで開いた日韓首脳会談で、安倍晋三首相と朴槿恵(パク・クネ)大統領が日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結をめぐり議論していたことが分かった。韓国外務省報道官が8日の記者会見で明らかにした。安倍首相が締結を求めたとみられる。
GSOMIAは国家間で機密情報を提供する際に第三国への漏洩を防ぐために結ぶ協定。北朝鮮などに関するより密接な情報共有に不可欠とされ日本政府がかねて韓国に締結を働きかけている。
報道官は会見で、GSOMIAの締結には「(韓国の)国会と国民の理解と協力を十分に得て進めることが必要だ」と述べた。そのうえで「首脳会談でもこのような政府の立場に基づいて論議された」と述べ、朴氏が直ちに締結するのは難しいとの立場を首相に伝えたことを示唆した。一方で、朴氏はかねて北朝鮮の核放棄に向け「あらゆる手段を講じる」としており、今後、締結を模索していくとの見方もある。
日韓のGSOMIAは2012年、国内の反発を浴びた韓国政府が署名直前に延期を申し入れ棚上げした経緯がある。北朝鮮の核・ミサイル開発の進展を受け、最近は韓国メディアからもGSOMIAの早期締結が必要だとの論調がでている。
日韓は8日、ソウルで防衛次官協議を開いた。内容については明らかになっていない。