登山を始めてからずっと見に行きたいと考えていた、涸沢カールの紅葉。一昨年は予想外に紅葉の訪れが早くタイミングを外してしまい断念。昨年ようやくこの目で見ることができました(やや後半戦でしたが)。
今年の秋も涸沢を含めて、どこか山の紅葉を見に行きたいと考えていますが、昨年を振り返りつつの「涸沢カールいいぞ」記事を書いてみることにします。
「涸沢カール」って何?
涸沢(からさわ)カールは北アルプス南部、穂高連峰長野県側の中腹に広がる、「カール」と呼ばれる氷河が削って生み出した巨大な谷(氷河圏谷)のことです。
涸沢カール - Wikipedia
奥穂高岳や北穂高岳への登山の中継点としてもお馴染みですが、秋になるとこのカール一面が赤やオレンジ、黄色に染まる日本屈指の紅葉の名所。毎年この時期は、登山者だけでなく、多くの観光客がこの涸沢カールを訪れます。
涸沢カールの紅葉を代表するのが、この「ナナカマド」。真っ赤に染まった実と葉の鮮やかさは、ややもするとデジカメの写真が色飽和を起こしてしまうほど。黄色く染まった「ダケカンバ」との色の対比も目を楽しませてくれることでせよう。
涸沢カールまでのアクセスは? 初心者でも行けるの?
涸沢カールを訪れるメインルートは、長野県松本市の上高地からの徒歩が一般的。上高地バスターミナルから涸沢まで、距離にして約15km、標高差は約800mになります。
上高地はマイカー規制されているので、長野側なら「沢渡」、岐阜側なら「平湯温泉」に車を停めてタクシー又はバスになります。新宿や大阪からの直行バスもありますが、紅葉時期は早めの予約が必要です。
上高地へのアクセス | 上高地公式ウェブサイト
上高地~東京 | 《公式》さわやか信州号
上高地から涸沢までのコースタイムですが、中間ポイントである「横尾」までの平坦路を約3時間、その後登りを3時間の計6時間が目安。子供や山道を歩き慣れてない人は、こまめな休憩を取りながらで、コースタイムプラス1〜2時間は余裕を見ておきたいとことろです。
コースタイム目安
上高地バスターミナル(河童橋)
↓(平坦:約1時間)
明神
↓(平坦:約1時間)
徳沢
↓(平坦:約1.1時間)
横尾
↓(登り:約1時間)
本谷橋
↓(登り:約2時間)
涸沢
コースは分かりやすく道迷いの心配もありませんが(この時期は常に登山客がいますし)、地図はちゃんと用意しておきましょう。
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この横尾大橋まではウォーミングアップ、ここから本格的な登山道がスタートです。
横尾から一時間の本谷橋。この辺りから徐々に紅葉も濃くなり、登山道の傾斜もキツくなっていきます。景色を楽しみつつ、マイペースで登りましょう。
涸沢までならば、初心者でも歩けるコースではありますが、あくまで登山用ザック、トレッキングシューズ(軽登山靴)、上下レインウェアといった基本装備は持っている(使ったことがある)レベルの登山経験者向け。決してジーパン+スニーカーで行くような場所ではありません。
トイレは横尾までは1時間おきに「明神」「徳沢」とありますが、横尾から涸沢まではありません。登りの山道な上に、紅葉が始まってペースが落ちる場所なので、横尾でしっかりトイレは済ませておきましょう。山でのトイレはチップ製(100円)が基本なので、小銭もお忘れ無く。
朝一に上高地をスタートすれば午後には涸沢まで行けますが、長時間歩き慣れてなかったり、スタートが9時を過ぎてしまうようならば、無理をせず途中の徳沢や横尾に泊まって、翌日に涸沢を目指すといいでしょう。せっかくなのですから、日本屈指の景勝地である上高地を楽しまない手はありません!
行程は山慣れしてる人なら一泊二日も可能ですが、そうでなければ二泊三日以上のスケジュールを確保しておきたいところ。せっかく美しい紅葉の涸沢に行くのですから、涸沢で丸1日過ごせる時間の余裕は欲しいものです。山が好きな方なら、北穂高や奥穂高に登るのもいいでしょう(登山計画は事前にしっかりと)。
涸沢での宿泊は山小屋かテント泊、混雑は覚悟しよう!
人気の観光地といっても、涸沢は標高2300mの山の上。当然ホテルなんてありません。宿泊は「涸沢ヒュッテ」か「涸沢小屋」のどちらかの山小屋、もしくはテント泊をすることになります。
有名な「涸沢ヒュッテ」は収容人数180人以上の比較的大規模な山小屋ですが、年間で最も混み合うこの時期はその数倍の人が泊まることも当たりまえ。1枚の布団を2〜3人で分け合うような、そんな混雑は覚悟してください。
事前に電話で予約をしておくのが基本ですが、山小屋では訪れた登山客は基本全て受け入れるので(断ったら遭難してしまう!)、人が来れば来るほど混み合うもの、と理解しておきましょう。
涸沢ヒュッテ 公式サイト - 北アルプス穂高氷河圏谷 涸沢
涸沢小屋|北アルプス穂高連峰
朝方のトイレ渋滞も秋の涸沢ヒュッテの名物だそうですが、美しい景色を眺めたり、食事や出発時間をズラすなどして頑張りましょう(笑)
テント泊なら自分のテントの中は自由な空間ですが、週末ともなるとテント場も相当混み合います。涸沢のテント場は大きな岩がゴロゴロしていて、いい場所からすぐに埋まってしまうので、シュラフの下に引くマットは必須です。
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そして、朝目覚めてテントを出ると、山肌を赤く染めるモルゲンロート(山での朝焼け)。紅葉と相まってなんとも幻想的な風景です。
その他、宿泊は横尾山荘にして(山小屋では珍しくお風呂に入れます)、1日かけて涸沢を往復してくるというのもひとつ。横尾を起点にして涸沢の往復に約5時間、涸沢で紅葉を眺めながらのんびり過ごしても、朝からの行動ならさほど無理はないでしょう。
涸沢ヒュッテに行ったらぜひ食べたい「おでんセット」
そんな涸沢ヒュッテの名物といえば、穂高を一望できるテラスで食べる「おでん」。特に生ビールとおでんがセットになった「おでんセット」(1400円)は大人気で、次々に売店で注文が入っています。
この美しい穂高の山々と紅葉を眺めながらのビールなんて最高ですね!
一方の涸沢小屋に行ったら試して頂きたいのが「もつ煮」。ビールとの相性が抜群なのは明らかですね。
涸沢ヒュッテからは徒歩で10分程ですし、涸沢小屋のテラスから見下ろすヒュッテとテント場の景色はなかなかに壮観です。北穂高には登らなくても、涸沢小屋までのお散歩、オススメですよ(ソフトクリームもあるよ!)。
軽食以外のお食事事情ですが、山小屋泊まりならば小屋の食事がありますが、テント泊でも上高地〜涸沢エリアは食事メニューや軽食が充実した山小屋ばかりなので、それらを利用して荷物(食料)を減らしてみるのも1つ。もちろん山での料理も楽しいんですけどね。
こちらも涸沢ヒュッテの人気メニューであるビーフカレー。ラーメンなどもありますし、ある程度の食事(軽食)は2つの小屋で調達することが可能です。
その他、上高地エリアで食事が美味しいといえば徳沢園。北アルプスを目指すとつい通り過ぎてしまうことが多い奥沢ですが、「みちくさ食堂」のカレーや野沢菜チャーハンも、一度は食べておきたい名物メニューです。
あくまで登山! 登山届けや防寒対策は忘れずに!
初心者でも行けると書きましたし、実際小さな子供でも行けてしまうのが涸沢カール。しかしそこは標高2000m以上の山岳地帯、北アルプスの一角であることはくれぐれもお忘れなきよう。
なるべく山岳保険(ハイキング対応のレジャー保険のようなものでも)には加入し、上高地のバスターミナルでは登山届けの提出を済ませてから、トレッキングに入るようにしましょう(長野県警へ事前にネット提出もできます)。
そして平地ではまだ初秋ですが、山の上は朝夕ともなると冷え込みます。山小屋泊でも、レインウェアの他にフリースや薄手のダウンは用意しておきたいところ。
万全の準備を整えて、最高の紅葉トレッキングを楽しんでください!
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昨年2015年の涸沢カール、北穂高登山について。
昨年、涸沢カールの紅葉メインの記事を書いてなかったのは、こちらの寄稿記事があったからでした。
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