Dyson5127

ダイソンのオウンドメディア「Dyson5127」はなぜDyson5127という名前なのか?

ライター: いしたにまさき
ダイソンのオウンドメディア「Dyson5127」はなぜDyson5127という名前なのか?

ダイソンがオウンドメディアを始めることになりました。

ダイソンは、ここまでレビュー記事やメディア掲載などでネット上で着実に実績を積んできており、今では表参道に直営店もあります。

こういった施策というのは、要するにユーザーさんの声に耳を傾けるということに他なりません。

そして、そこからもう一歩踏み出して、自分たちでユーザーさんの声を生み出していこうというのが、このオウンドメディアでの試みになります。

さて、そのダイソンのオウンドメディア。

実施やデザインについては粛々と準備を進めてきました。しかしちょっとした難題となったのが、このダイソンのオウンドメディア自体のサイトの名前です。

ダイソンのオウンドメディアですから、なにか単一の製品の名前を冠にすることはできません。ダイソンの名前を入れることは当然必須でしょうね。

キャンペーンサイトではないので、夏だけレッツゴー!とかにもできません。ましてはユーザーズボイスとかネットで埋もれてしまいそうな名前はもっての外です。

例えばダイソンのCMといえば、以下のような感じです。

特徴としては、3つあります。

  • 製品が持っているテクノロジーに焦点を当てる
  • メッセージはシンプル
  • メッセージの意味を理解するとニヤリとする

これはどういうことなのかというと、ダイソンは基本ダイソンの話を聞いてくれる人を相手にして話をしているということなんです。

そこでこのCMをサンプルにして、オウンドメディアの名前に必要な条件をひも解いてみました。

  • 製品が持っているテクノロジーと関連している
  • 名前はシンプル
  • 名前の意味を理解するとニヤリとする

ひも解いていたものの、難題であることに変わりはありません。しばらく悩んでいると、急にとある方が「5127ってどうですかね?」と言いました。

その場にいた者たちは一瞬「は!?」となりましたが、さすがダイソン関係者すぐに意味を理解して、それにしましょう!となりました。

そう!5127という数字はダイソンにとって大きな意味がある数字なのです。

ダイソンが初のサイクロンクリーナーとしてヒットを放った「DC01」が世に出る1993年までの間に、私が試行錯誤で手がけた試作機の数は5127台にも上っていましたね。

もうおわかりですね。ダイソンというテクノロジーの会社が誕生するまでに必要だった試作機の数が5127台なんです。

この5127をいかに大事にしているかというと、ダイソン・ジャパンのエントランスには、今もこういうグラフィックが壁一面に設置されているぐらいなんです。

Dyson5127

いい名前というのは、一度決まってしまうとそれ以外にない感じになります。今後ともDyson5127をよろしくお願い致します。

ライター: いしたにまさき

Webサービス・ネット・ガジェットを紹介する考古学的レビューブログ『みたいもん!』管理人。 2002年メディア芸術祭特別賞、第5回Web クリエーションアウォードWeb 人ユニット賞受賞。著書に2010年11月に単著「ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である(技術評論社)」など共著も多数。同年アルファブロガー・アワード受賞。 ひらくPCバッグ・かわるビジネスリュックなどカバンデザインも手がける。 なお、Dyson5127ではデスク担当。