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がれぶる科学ぶる!

科学技術で幸せになりたい!家事も仕事もそのほかも。やりたいことをやりたいように。

どうやって、木星のオーロラから、音を取り出したのかな

木星のオーロラから出た電波を、NASAの惑星探査機がキャッチしました。そのデータを、われわれが聴きやすいようにアレンジしてくれたものが面白いのでご紹介。

 

earthsky.org

 

目次

La Luna y Júpiter

1.こんな音がするんだ!

 早速ですが、下の動画をどうぞ。なんとも不思議な音がしますが、これが木星のオーロラの音です。

ちょっとリミックスすればアンビエント音楽になりそう。

www.youtube.com

2.電波をどういう風に音に変換したのか

2−1.NASAがどうやっているのか、わからない

f:id:galleon_blue:20160909075124p:plain

 さて、探査機は宇宙にいますので、音が聞こえるわけがありません。探査機がキャッチしたのは電波だということですので、これも、そのままでは我々は聞くことができません。しかも、電波の周波数は7〜140kHzだということ。一部を除いて、人の耳に聞こえる周波数ではないのですよね、

どうやって電波を音に変換してるのかなー、と思って色々とクグッたのですが、実際にこうしている、という方法が見つかりません。

 

2−2.自分でやり方を考えてみた

そこで、どうやればできそうか、ということを考えてみました。

 

2−2−1.観測機からデータをもらう

おそらく、通信容量の都合から、電波の生波形なんかは送られてきてないのでは、と思います。探査機の中で周波数解析(FFT)してスペクトル(周波数の分布)を求め、それを時系列に並べたデータを送ってきているものと思われます。

まあ、仮に生データを送られても、地球でスペクトル解析すれば良いだけです。

ちなみに、スペクトルを時系列に並べて、色を付けて見える化したものが、上の動画の中にもある虹のような模様、スペクトログラムというものです。音声解析ではよく見るやつですね。

 

2−2−2.スペクトルのスケールを変えちゃう

さて、送られてきたある瞬間のスペクトルのデータは、おそらく、こんな感じのはずです。こういうものが時系列でにたくさん並んでいるものわけです。
f:id:galleon_blue:20160909125747j:image

波形が高くなっているところに特徴的な「音」があり、その他の部分はノイズだという感じですね。

ここで、この軸の7kHzと140kHzというスケールを、それぞれ10分の1である700Hzと14kHzにかきかえてしまいます。そうすると、人に聴こえる音のスペクトルに早変わり!


f:id:galleon_blue:20160909140618j:image

 

2−2−3.時系列に並べて逆フーリエ変換

すべてのデータのスケールを変えて、時系列に並べれば、人に聞こえる音の周波数のスペクトログラムの出来上がりです。

このスペクトログラムについて、逆フーリエ変換という方法で変換をすれば、今度はスペクトルデータから音が再生されます。

こうすれば、電波から、我々の耳に聴こえる音声データができる、というわけです。

 

3.まとめ

 このニュースを聞いて、Fly me to the moonの以下の歌詞を思い出しました

let me see what spring is like on Jupiter and Mars

木星や火星の春が、どんな風だか、私に見せてよ!

まだ春は見せられないですが、オーロラの音なら聞かせてあげられますよ。

 

 

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