第20号(2010/2/1)●2〜3面
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平野発言糾弾!政府は沖縄県民の民意を尊重せよ!(写真報道)
国会前で座り込み

「沖縄県民と共に普天間基地の撤去を求める実行委員会」(準)
 9条改憲阻止の会の呼びかけのもと、「沖縄県民と共に普天間基地の撤去を求める実行委員会」(準)が結成された。実行委員会(準)は当面の行動として、26日より29日まで国会前の座り込みと、29日午後の院内集会開催を決定した。
 院内集会には沖縄から多くの人に参加・発言してもらい、翌30日2時より日比谷野音にて開催される「普天間基地はいらない、新基地建設を許さない1・30全国集会」に共に合流していくことが決定された。
 26日早朝、寒風の中を20名の仲間が集まり、国会前座り込みを開始した。現地には改憲阻止の会の幟旗のほか、手書きでスローガンを書き込んだ幟旗もかかげ、各団体・個人がアピールを行なった。
 この間の平野官房長官の数々の暴言は沖縄基地を「ゼロベースで」見直すと語るなど、言語道断である。ゼロベースとは何事か! 沖縄の民意はゼロなのか! 平野は直ちに辞職すべきである! と、平野を糾弾するアピールが相次いだ。
 平野はまた、24日の名護市長選挙で基地反対派の稲嶺進氏が当選した事についても「斟酌(しんしゃく)してやらなければならない理由は無い」と言ってのけた。
 稲嶺新市長はこれに対して「米側との合意は守り、地元との合意は不要というのは矛盾している。鳩山首相の目線はどこにあるのか」と批判した。市長選の結果を「ひとつの民意として受けとめたい」と語った鳩山首相は、これにどう応えるのか。沖縄は沖縄県民のものである。これ以上沖縄に基地被害を押し付けるのをやめさせよう! 沖縄県民と連帯して普天間基地撤去を実現しよう!。
住居がない者は人間ではないのか!(写真報道)
厚労省へ要請行動
釜ヶ崎地域合同労組の仲間26名が上京
 1月25日、大阪西成地区で働く労働者が、釜ヶ崎地域合同労組の稲垣浩委員長と共に上京し、厚労省と話し合いを行なった。話し合いには服部良一衆議院議員、秘書の市来さん、全日建運輸連帯労組関西生コン支部の西山さん、管理職ユニオン・関西の仲村さんの他、東京からも水道関係で働く仲間が参加し、要請をおこなった。
 大阪あいりん職安は全く仕事の紹介をしない。またそれに代わって西成労働福祉センターがおこなう仕事紹介は手配師、人夫出しを通じた違法なもので、暴力団とつながっているため賃金不払いや暴力、手帳に印紙を貼ってくれないなどの問題がたびたび起きている。
 このことについて、釜ヶ崎地域合同労組はあいりん職安を指導監督する立場にある厚労省への適切な指導を求める要請書を送ったのだが、要領を得る回答は得られなかった。昨年2度にわたって、上京し、同趣旨の要望を行なったが、依然として何の進歩もないのである(本紙第9号4面、11号2面に関連記事)。去年言った同じことをまた言わねばならない、この無対応ぶりはどういうことなのか。一昨年末の日比谷派遣村には機敏に対応をしていたのに、なぜ大阪西成の労働者は放置したままなのか。ぜひ現地を視察し、西成地区の実態を調査すること、その上でまた話し合いを続けることを確認して、この日の行動を終了した。(東京M)
編集部から
2008年6月13日から5日間、西成署に対する抗議闘争が展開され、17名が事後逮捕された。発端は「お好み焼き屋の女性店員の客を客とも思わない対応と、それに輪をかけた西成署の釜ヶ崎労働者に対する人を人とも思わないリンチにも似た暴力行為」であった。「ワシらを人間扱いせえ!」と釜ヶ崎労働者の積年の怒りが爆発した闘い。この間、これら闘いの先頭に立ってきた稲垣さんより下獄の挨拶が届きました。

11ヶ月間、下獄します

今年の終わりころには戦線復帰します

釜ヶ崎地域合同労働組合 稲垣 浩 



 最高裁判所に上告棄却の決定を出されたのは去年の9月29日付。何の抵抗もしていなかったら、去年の10月初めには刑務所に収監されていました。
 そのころ、釜ヶ崎の通称三角公園の横にあるシェルターの毛布のシラミの被害にあい困っていることを、シェルターに宿泊している人から知らされました。私は宿泊者に容器を渡し毛布についたシラミを採取してもらい、宿泊者は生きたシラミを十数匹集めてきた。大阪市はシェルターの毛布を全て新しいものに取替えてから保健所の職員に調査をさせ「調査の結果シラミの死骸を6匹集めた」と発表。できレース、八百長レースと言ったらいいのでしょうか。
 役人は自分たちの責任を逃れることだったらなんでもします。今でも毛布にシラミがいる。また、大阪市から委託を受けた高齢者特別清掃事業において、釜ヶ崎の輪番労働者を休み明けは12人増やして求人しなければならないのに、3年以上も6人増しで求人し、12人増やしているかのように装ってちゃっかり12人分の賃金を受け取っていたことを追及した。それから大阪市は市内で野宿していた人たちを此花区の舞洲にある施設に収容している。10月末からその人達が施設を出て居宅保護を求めることの支援を始め、これまでに約30人近い人たちの居宅保護が認められた。その人たちは朝のセンターでのビラまき、職安闘争等を支援してくれています。私や弁護人が裁判所の不当判決と闘わなければこんなことはできませんでした。
 下獄期間が11ヶ月になるか7ヶ月になるか、1月16日に二つあるうちの一つの執行猶予が切れるため警察・検察・裁判所は焦っていた。大阪地裁と高裁は、私が釜ヶ崎解放会館に居るところを見計らって西成警察署の警備の私服を引き連れ、送達官が直接決定書を持参するという早業を行ってきたのです。こうして私の下獄期間は11ヶ月と確定された。
 1月12日に最高裁判所に特別抗告をしました。最高裁判所が却下したら、高検に対して裁量で収監の手続きをしないよう申し入れます。これも却下されたら刑務所に収監、と言う流れです。最高裁の決定も近いうちに出るでしょう。
 11ヶ月間は動きがとれません。私たちの組合や炊き出しの会、施設から居宅へと移った人たちのご支援をよろしくお願いします。なお大阪ユニオンネットワークの人達が職安闘争に取り組んでいただけることを聞き、大変力強く思っています。
 権力の弾圧に屈することなく、今年の終わりころには戦線復帰します。そのときはよろしくお願いします。 2010年1月22日
厚生労働省の派遣法答申を斬る!
なくせ!派遣労働
抜本改正を求める運動を全国各地で!
ナショナルセンターを超えて大阪緊急集会に150名
1月19日「エルおおさか」にて、派遣法の「抜本改正をめざす共同行動・大阪(準)」主催の「緊急集会 厚生労働省の派遣法答申を斬る!」が開催された。集会は、大阪において困難とされてきたナショナルセンターの違いを超えて労働組合が結集し、共同の取り組みの開始を宣言するもので、全国各地に自主的な共同の取り組みを訴えるものであった。


 集会では、主催者を代表して垣沼さん(全日建連帯近畿地本/大阪ユニオンネットワーク)がこれまでの経緯と共同の取り組みを始めようと訴えた。
パナソニックPDP裁判の主任弁護士の村田弁護士は、民主党基軸の政権誕生の条件のもとでは、法案が出来上がって国会に提出されてから修正を加えるのは極めて困難であり、だから法案作成段階のまさに今、運動で圧力をかけていく必要がある、と強調された。労政審答申の内容については、いわゆる「専門」26業務に対しては何の検討もなされていないこと、登録型派遣禁止や製造業派遣禁止、日雇い派遣禁止についていずれも例外を認めていること、「常用雇用」の定義や均等待遇の法的義務もないこと、派遣先の直接雇用みなし規定にも抜け穴が多いこと、派遣先の団交応諾義務の規定が削除されていること、施行期日が3年先とか5年先とされており、この答申案のままで改正案が作られるならそんな改正などさせないほうが良い、と批判された。
 全国ユニオンの鴨代表は、東京ではナショナルセンターを越えた形で取り組み、昨年ようやく3党案の国会提出までこぎつけたが、厚労省答申は3党案をも大幅に後退する内容となり、もはや東京の取り組みだけでは情勢を打開できず、大阪での共同行動の結成を契機に全国へと運動を拡大していかなければならない、と訴えた。パナソニックPDP原告の吉岡力さんも派遣労働者の闘いと連携した派遣法撤廃運動の重要性を発言された。
 最後に、準備会から共同行動への賛同・参加と2月2日の相談会への結集が呼びかけた。
 「なくせ!派遣労働」をかかげ、旧野党3党案をさらに派遣先の使用者責任と処罰を決め、即時実施(施行)を含む規制強化させた法案を提出させよう!
 全国各地で協力・共同して労働組合・労働者を主力とした大衆運動・行動を巻き起こそう!(仲)
派遣法「抜本改正」か、「撤廃」か
「減らせ!派遣労働」か、「なくせ!派遣労働」か

永嶋靖久 


 派遣法について、「抜本改正」と「撤廃」のスローガンが入り乱れている。敵を見失うことなく、最も広い団結を目指すことを当然の前提とした上で、運動を前に進めるためにも、この2つのスローガンがはらむ問題について、あらためて、議論を提起したい。

2つのスローガンについて
 まず、どちらのスローガンがスローガンそれ自体としてすぐれているか。
 スローガンはその獲得目標が一目で誰にでもわかる必要がある。では、「抜本改正」とは何のことか、一目で分かるか。3党合意は、抜本改正なのか、そうではないのか。あるいは、労政審答申は抜本改正ではないが、ここをこうすれば抜本改正になる、というような議論になるのか。
 スローガンとしては、「抜本改正」などという表現を使うのでなく、与党3党合意や共産党のいう「派遣業法から派遣労働者保護法へ」、あるいは「日雇派遣禁止」「製造業派遣禁止」などという表現の方が、それが正しいかどうかは別として、意味が明確なだけ、すぐれているように思う。
 次に、どちらのスローガンが、運動を目標により近づけるか。
 派遣労働をなくすという目標に向けて運動を進めようとするなら、どのようなスローガンを掲げるべきか、その判断基準はただ1つ、どのようなスローガンが、派遣労働をなくす方向に運動を進めることができるか、だろう。そして、派遣労働をなくすことを目指すという観点からは、法律をどういじるかは付随的な問題だ。その意味では、スローガンは「法律の撤廃=派遣法をなくせ」ではなく、端的に「なくせ!派遣労働」だろう。「撤廃」を「なくせ!派遣労働」に置き換えなら「抜本改正」はどうなるのか。「変えろ!派遣法」、それとも「守れ!派遣労働者」、「減らせ!派遣労働」。
 抜本改正(減らせ!派遣労働)と撤廃(なくせ!派遣労働)とどちらのスローガンが、派遣労働をなくす方向に運動を進めることができるのか。今、「撤廃」あるいは「なくせ!派遣労働」のスローガンを掲げることは派遣労働をなくすことを遅らせることになるか。「抜本改正」(「減らせ!派遣労働」)の方が、派遣労働を早くなくせるという根拠がまったく思い浮かばない。今ここで「撤廃」(「なくせ!派遣労働」)と言ってしまうと、厚労省も、与党3党も敵に回してしまって、わずかながらの改善も勝ち取れないという判断か。与党3党は、「お前たちが撤廃というなら、抜本改正もしてやらないぞ」というようになるのか。あるいは、与党3党は資本から、「それみろ、抜本改正なんか支持されてないじゃないか。」と言われたら抜本改正も引っ込めるのか。どちらもありそうにない。

どちらが労働運動の力を強めるのか
 さらに、どちらのスローガンが労働運動の力を強めるのか。
 今は、労働運動の力も弱いし、派遣労働をなくせる情勢なんかではない。世間が派遣村に注目している間に、とりあえず、チョットだけでもマシにしよう、と言う意見もあるかもしれない。
 では、派遣労働をなくすためには労働運動の力を強める必要があるとして、「抜本改正」(「減らせ!派遣労働」)と「撤廃」(「なくせ!派遣労働」)と、どちらのスローガンが、労働運動の力を強め、広げるのか。
 1985年以降の労働法制再編の大きな流れの中に、「集団的労使関係を作らせない」「労使関係はできるだけ個別の関係に解消していく」という流れがあったのは間違いない。派遣法も、使用者が使用者としての責任を果たさず、均等待遇がなく、対等決定がなく、中間搾取を可能にするという批判だけでなく、団結を困難にする点でも大きな批判があった。派遣労働が、集団的労使関係の形成にとって、大きな阻害要因になっている。そう考える時、「撤廃」(「なくせ!派遣労働」)ではなく「抜本改正」(「減らせ!派遣労働」)でよいのか。
 派遣労働はなくすことはできないと見切った上で、「抜本改正」のスローガンに、「派遣事業法から派遣労働者保護法へ」という意味を込める考えもある。EUでは、08年11月に、派遣労働者への均等待遇を定めたEU指令が制定された。これを一つのモデルにするのだろう。しかし、EU指令の制定の際には、ヨーロッパ労働組合連合が派遣労働は労働市場においてはあくまで例外的なものでなければならないと主張したのに対して、ヨーロッパ産業連盟は、差別の禁止が確保されるのであれば派遣労働への規制は必要がないと主張し、結果として、均等待遇に向けて前進があったものの、派遣労働の利用に対する禁止・制限は、かえって公益上の特別の根拠がある場合だけになった。そして、最近発表されたILOのレポートは、リーマンショック以降、企業が派遣労働者を解雇してきたこと、とりわけ先進国の製造部門、自動車産業でそれが特に顕著であり、例えば、ドイツでは 昨年10月からの4〜6ヶ月間で10万〜15万人の派遣労働者が職場を失ったと報告している。そもそもEUを日本のモデルにできるのか、してよいのか、ということとは別に、EUにおいても派遣労働者が調整弁であることに、当然ながら変わりはないのだ。
 ただし、日本の派遣労働者とヨーロッパ諸国の派遣労働者とでは、職を失った時に受ける打撃に大きな違いがある。そして、その差は、1つには、日本とヨーロッパの労働運動の力の差からくるのだろう(それだけではないが)。ここでもやはり、どのようにして労働運動の力を強くしていくのか、どのようにして力をつけるのか、そして、どのような社会を目指していくのかが問われていると思う。

社会資本政策研究会発足の意味と意義
経済民主化を進めていこう

11・11行動

 前々号で、昨年11月11日、大阪・兵庫・京都・滋賀・奈良・和歌山、近畿2府4県の生コン製造協同組合、近畿の生コン輸送・バラセメント輸送・生コン圧送協同組合、計10団体(500社)と関西地区生コン支部など関連する労働組合5団体が連名で、国土交通省・経済産業省・環境省・農林水産省・内閣官房長官宛に政策提言したこと、政府要請団35名に対し、国交省辻元清美副大臣が応接、各省の副大臣にも伝える旨回答し、民主党ルートでも各省の提言検討が約束されたことは報告した。
 提言内容は、1つは必要なコンクリート需要の喚起。生活道路の充実、下水道(共同溝・貯水槽等々)の整備、電柱の地中化、既存の建物の耐震補強、沿岸や河川の整備など。また、経済性・耐久性・環境保全・安全性が確保できるアスファルト舗装からコンクリート舗装の転換。
 2つ目は、コンクリート構造物の安全や品質確保のための制度・資格の確立。JISの見直し、瑕疵担保保証、コンクリートマイスター資格及び人材育成制度の創設など。また、中小企業団体が作ったコンクリートの品質を管理し、新技術を開発する自立的研究機関を活用・助成すること。
 3つ目は、経済民主化のため大企業と中小企業の対等な取引関係が成立する制度保証として、中小企業等協同組合法・独禁法・下請け二法などを整備する。
 4つ目は、生コン製造業の構造改善事業(生コン工場の大規模な廃棄・集約)を経済産業省の産業政策と位置付け、事業促進のための法整備、資金確保、新増設抑制などの実効性ある措置を取ること。

政策実現に向けて

 一部には、保守二大政党制やブルジョア政党である民主党に何を期待するのか、あるいは、階級矛盾を議会制民主主義の中で解決できるかの様な幻想を与えるのではないかなどの批判があるかも知れない。
 しかし、協同組合運動をとってみても、世界の様々な制度保証や使い勝手を見るにつけ、日本はかなり遅れた状態にある。少なくとも、新自由主義・市場原理主義・規制緩和に振れた自公政権が交代した以上、また、生活者・中小企業・雇用のマニフェストを打ち出した民主・社民党を支援した協組・労組が政権に政策を実行させることは重要である。
 11月政府行動以降、12月20日、社会資本政策研究会総会に259名参加、発足した。従来の自民党と業界団体との利益誘導を目的とした議員連盟などではない。経済の民主化をめざすこと。ゼネコンのためでなく、生活者と環境のために必要な地域・都市整備。安全安心なコンクリート構造物の提供のための制度・資格創設。生コン協組の構造改善事業への緊急対策などを目的とする。
 会員は各種各地域の事業協同組合や中小企業、団体。顧問・相談役として、専門家・学者、国会議員・地方議員。多忙を極める国会議員をはじめ、まず実際に役員が集まって、政策の共通理解と具体化に向けた検討を始める。1月末から始動する。
 政権交代して5ヶ月、いまだ政府機関への働きかけのルートや政策提言の実現過程がはっきり見えないのが現状だろう。どこまでできるのかという危惧もあるが、「とにかく」且つ「速やかに」実践することが重要と考える。  (増田幸伸)

1月14日 「勝利するまでたたかうぞ」
パナソニックエコシステムズ・派遣法裁判 進行協議
 愛知連帯ユニオン、笹日労、ゼネラルユニオンの仲間など15人が集まり、名古屋地裁前で情宣を行った。パナソニックPDP原告の吉岡さんも駆けつけ、最高裁判決を弾劾し、ともに勝利するまで闘うことを呼びかけた。

直接雇用の原則を否定した
最高裁の不当判決

 パナソニックPDP高裁勝利判決は「偽装請負は労働者供給、強度の違法行為として無効、したがって派遣先との使用従属関係には黙示の労働契約が認められる」としていた。しかし、最高裁は、この大阪高裁判決を否定し、「請負会社と雇用契約があれば派遣法違反に過ぎず、労働者供給として職安法に問われることはない」とし、「黙示の労働契約」の存在を否定。しかし、最高裁の不当判決にもかかわらず、今度は12月25日、パナソニック電工の元派遣社員・佐藤昌子さんが「直接雇用・職場復帰」の完全勝利を福島地裁での和解で勝ち取った。追い詰められているのは、パナソニックと司法であることを突き出した勝利です。

パナソニックと司法の責任を
追及し、あくまでも闘おう

 不当な最高裁判決ですら、「派遣先が労働契約に関与したり、賃金を事実上決定したりという特段の事情があれば、黙示の労働契約は成立しえる」と判示している。パナソニックエコシステムズは、派遣労働者の事前面接を行って採用し、また、労働者に派遣会社を替わるように指示して介入し、最後には「指名解雇」するなど、労働契約を支配してきた。また、ROHS室の原告の場合は、長年の間、自らの仕事の内容に踏まえ、パナソニックエコシステムズの担当者と直接交渉して賃金額を決定。正に、最高裁が判示した「特段の事情」が存在したのです。
 環境保護=エコロジーは、利潤第一主義ではできない。企業倫理、企業の内部統治(ガバナンス)が求められるはずです。パナソニックエコシステムズ、ROHS(EUの有害物質規制)室が、違法派遣の責任も取れないようで、どうして、十分なコンプライアンスがあると言えるか、追及していきます。派遣法抜本改正―撤廃の闘いと、派遣労働者の派遣先への裁判闘争を結合して闘っていきましょう。 佐藤隆(愛知連帯ユニオン)

沖縄短信

名護市長選、外国メディアが注目し報道
 米主要各紙(電子版)は1月24日、同日の沖縄県名護市長選挙で辺野古新基地建設に反対する稲嶺進氏の当選を報道した。ウオール・ストリートジャーナルは、市長選が在沖縄米軍基地再編に関する事実上の住民投票であったとの見方を示した。ニューヨーク・タイムズは、稲嶺氏当選で、日本政府に対して、普天間の県外移設の圧力が強まり、新基地建設を決めた「ワシントン東京合意」を廃棄するか修正をせざるをえないと論評した。ワシントン・ポストは、小さな町の選挙が日米関係に大きな衝撃をもたらすかもしれないと指摘した。韓国のハンギョレ紙、韓国日報は25日、鳩山政権が普天間移設を決めた日米合意を破棄し、新しい移転地を模索する可能性が高まったと報じた。

下地島、徳之島への普天間基地移設案に現地が反対
 沖縄県宮古島市議会は1月20日、政府・与党内で浮上した普天間基地の移設候補地「下地島」に関して、反対する意見書を全会一致で可決した。下地島空港については、1971年、当時の琉球政府と日本国政府とが民間利用以外の目的には使用しないとの合意「屋良覚書」を定めている。急浮上した徳之島でも3町長が同様に反対の意志を表明した。


安保50周年で日米が地球規模の日米同盟堅持の共同声明
 日米安保協議委員会(2プラス2)は1月19日、安保改定50周年に当って、共同文書を発表した。共同文書は、日米安保体制は、アジア太平洋地域における繁栄を促すとともに、地球規模および地域の幅広い諸課題に関する協力を下支えする日米同盟路線を継承し強化する方針を鮮明にした。米軍再編に関しては、普天間移設問題に言及せず、米軍の適切な駐留を含む抑止力を維持する現在進行中の努力を支持することを強調した。

国内短信

日本航空が倒産、会社更生法を申請
負債総額は2・3兆円
 日本航空グループ3社、日本航空、日本航空インターナショナル、金融会社ジャルキャピタルは1月19日、東京地裁に会社法の適用を申請した。これを受けて、官民出資ファンドの「企業再生支援機構」は同日、日本航空グループへの支援を決定し、日本政府が承認した。企業再生支援機構は、日本航空を管理下に置き、3年以内の経営再建を目指す。日本航空が法的整理に至った原因の第1は、日米構造協議などによる米政権からの要求に自民党政権が従ったためだ。日米構造協議による630兆円の公共投資の約束に従って、自民党政権は、航空需要を大きく越える地方空港を作り続けた。空港建設のための空港整備費用の財源は、航空会社が支払う「公租公課」であるが、日本航空のこの負担分は、年間1200億円から1700億円にものぼった。そして、空港が完成すると航空会社に路線を開設させ、2009年度上半期、日本航空の国内線の7割近い路線が、採算の目安とされる利用率60%を下回ることになった。第2は、米政権からの航空事業の規制緩和の要求に従ったことにある。この競争政策に従い、日本航空は、売上高を、1986年から2000年までの14年間で、1兆2000億円から3兆円へ2・5倍に増加させるという過大で事業拡大計画を立案した。この計画を実現させるため、競争力を強化させるという目的で、1993年から5ヵ年で、1兆円規模の航空機購入計画を立案し実施した。原因の第3は、日本航空の経営の放漫体質および事業経営の失敗である。このため、日本航空は1月19日、会社更生法の申請を決めた臨時取締役会で、現行の経営陣計20人全員の同日付の退任を決定した。新経営陣を2月上旬に発足させて、新たな会場に稲盛和夫・京セラ名誉会長(77歳)が就任する予定だ。

倒産は政府・経営側の責任、
 労働者・中小下請に犠牲を押し付けるな

 帝国データバンクによると、日本航空の倒産は、国内の倒産では、アジア太平洋戦争後では第4番目の規模で、金融機関の倒産を除く事業会社としては最大となった。日本で初めての「事前調整型の法的整理」であり、大手金融機関とは事前の調整を行っており、取引先の金融機関は総額3585億円の債権の放棄や、「債務の株式化」に応じる予定だ。東京商工リサーチによると、日航グループを主な取引先とする国内企業は2910社、間接的に取引を行う企業は1万社を超えている。3年間で経費の25%削減を図るとし、社員約1万5700人の首切り、賃金と年金の削減、地方路線削減などの大リストラを行う。また政府保証付きの融資が一部回収不能で、1000億円規模の国民負債が生じる。日本航空の倒産は政府・経営側の責任であり、労働者・中小下請に犠牲を押し付けてはならない。



国際短信

オバマ政権が「新戦略攻撃軍団」を創設!
 オバマ政権は、2009年8月5日、「地球規模戦略攻撃軍団」を米国ルイジアナ州のバークスデール空軍基地に発足させたことを発表した。この新軍団は、核爆弾積載可能なB52とB2爆撃機、核弾頭を搭載する大陸間弾道ミサイル(ICBN)を一元化して管理・運用し攻撃に備え、同盟諸国に対して核抑止力という核の傘を保障する統合部隊だ。

アフガニスタンへの米軍3万人増派の追加戦費、3兆円
 オバマ政権は、2月1日に議会へ提出予定の「2011年度予算教書」で、現会計年度(2009年10月から2010年9月)の追加予算として、アフガニスタンへの米軍増派などの戦費として、330億ドル(約3兆円)を計上した。現会計年度の国防予算は総額6600億ドル(約60兆円)で、その内、イラク、アフガニスタン戦費は1280億ドル(約11兆6000億円)を占めている。


エクアドル、21世紀の社会主義へ向けて、国際フォーラム開催
 エクアドル政府は1月18日、首都キトで、コレア政権の「市民の革命」3周年記念行事のひとつとして、「ラテンアメリカの社会主義と安寧な生活の新たな挑戦」をテーマとする国際フォーラムを開催した。コレア政権は、「21世紀の社会主義」を掲げ、旧ソ連型社会主義のやり方を採用せず、あらゆる分野での市民の参加を重視する「市民の革命」を遂行している。
オバマ政権が議会に対して台湾への武器売却を通告、
 中国は軍相互訪問を停止
 オバマ政権は1月29日、議会に対して、台湾に対する約64億ドル(約5800億円)に上る武器売却計画を通告し、中国政府にも通知した。中国国防省は30日、オバマ政権に抗議し、米中両軍間の相互訪問を停止することを決定した。
朝鮮民主主義人民共和国が、平和協定を提案
 朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)の外務省報道官は1月11日、朝鮮半島の非核化のプロセスを再び軌道に乗せるためには朝米間の信頼構築が必要として、朝鮮戦争の休戦協定を平和協定に変えるための協議を始めることを協定当事国に提案するという声明を発表した。
米国防総省、イスラエルへ740億円の武器を無償提供
 イスラエルのハイレーツ紙は1月10日、前ブッシュ政権がサウジアラビヤ、エジプト、ヨルダン、アラブ首長国連邦に、F15戦闘機、対艦・対戦車ミサイル、スマート爆弾(誘導爆弾)、バンカーバスター(地中貫通弾)などを売却したと報じた。米国防総省によるイスラエルの武器備蓄は、現在4億ドルの規模に上り、同省はさらに8億ドル(約740億円)に増額し無償で提供する計画を立案した。これらはイランの脅威に対抗し軍事的圧力をかけるものと思われる。
英国の「派遣労働者法案」、正規雇用労働者と同等の処遇
 英政府は1月21日、国会に「派遣労働者法案」を提出した。この法案によると、派遣労働者に対して、就業開始12週間後、直接雇用労働者と賃金・休日などの労働条件に関して同等の処遇を受ける権利を保障する。賃金は時給だけではなく一時金にも適用する。ただし、企業年金や傷病手当など長期雇用を前提とした給付には適しない。この法案は、2008年10月に発効した欧州連合(EU)の「派遣労働指令」に従った法制化である。EU指令は加盟各国に3年以内の法制化を義務付けている。EU指令では、派遣労働者の直接雇用労働者との均等処遇への適用は「就業即日から」となっているが、英政府の法案では「就業日から12週間後」となっており、EU指令よりも後退したものとなっている。

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