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 スイス・ジュネーブの国連欧州本部で核兵器廃絶を訴えた高校生平和大使が29日、奈良市で活動報告会を開いた。西大和学園高校2年の佐伯祐哉さん(17)は「この経験を多くの人に伝えていきたい」と新たな決意を述べた。

 高校生平和大使は長崎市などの市民団体が全国で募集し、19回目の今年は佐伯さんを含む22人が選ばれた。今月、スイスで国連欧州本部の軍縮会議本会議を傍聴。昨年8月から集めた約12万5千人分の核兵器廃絶を求める署名を届けた。

 現地の高校生らとも交流。ベルンでの署名活動では多くの人が広島や長崎を知っており、快く応じてくれたことが印象に残る一方、若い男性から日本が米国の核の傘に入っていることに対する考えを問われたという。

 長崎派遣団のメンバー、西大和学園高校2年の武田陽(ひなた)さん(16)、智弁学園奈良カレッジ1年の頃末夕葵(ゆうき)さん(15)の2人も、原水爆禁止世界大会の長崎大会での研修を報告した。武田さんは「若い人たちが戦争を知ろうとする心をつくっていきたい」と力を込めた。頃末さんは「被爆者の話を直接聞き、署名活動につなげたいと思いました」と話した。(青山祥子)